はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「ドラえもん」の主題歌について(2)

2005-12-24 23:14:23 | 藤子不二雄
 前回の「「ドラえもん」の主題歌について(1)」の続き。前回は、主に映画における「ドラえもん」の主題歌タイアップについて書いたが、今回はテレビ版を取り上げる。

 テレビでは1995年以降、OP「ドラえもんのうた」(山野さと子)、ED「ぼくドラえもん2112」(大山のぶ代、こおろぎ'73)の体制が長らく続き、このまま永遠に歌が変わらないのではと心配した事さえあったが、2002年秋にOP「ドラえもんのうた」(東京プリン)、ED「またあえる日まで」(ゆず)に変更された。
 その後も、OPについては曲は「ドラえもんのうた」のままで、渡辺美里、AJIと短期間で歌手が交代したが、これはタイアップと言うよりは、色々な歌手に「ドラえもんのうた」を歌わせること自体に、話題づくりとしての狙いがあったのと思われる。事実、大山時代最後のAJI版「ドラえもんのうた」に至っては、CD化すらされておらず、テレビで流すための歌だったことが分かる。
 この、色々な歌手が異なるアレンジで「ドラえもんのうた」を歌うという企画自体は悪くなかったと思うが、個人的には、長年聴いてきた大杉久美子と山野さと子の印象があまりにも強すぎるせいか、東京プリンやAJIの男声は、しっくり来なかった。渡辺美里の力強い感じは結構面白く感じたが、アニメ本編に渡辺美里が本人役で出演するタイアップ企画のせいで、少し印象が悪くなってしまった。

 一方、EDは「またあえる日まで」以降、「タンポポの詩」「YUME日和」「ああ、いいな!」と計4曲が放送されて、そのうち「またあえる日まで」「YUME日和」の2曲は劇場版のEDとしても使われた。そして、歌詞にも特に「ドラえもん」との繋がりが見受けられず、EDは完全にタイアップ路線に入ったと考えていいだろう。
 残り2曲、「タンポポの詩」と「ああ いいな!」について述べると、前者はある程度「ドラえもん」を意識した歌詞になっており、CDも通常版とアニメ版の2種類のジャケットが用意されていたので、個人的には好印象だったが、後者は意味不明な歌詞と、無理にその歌詞に合わせた無理な展開のEDアニメが、どうしても受け入れられなかった。
 いずれにせよ、7年半もEDが固定されていたた反動のように、2002年以降は短いスパンでコロコロと曲や歌手が変わっており、長寿番組に似つかわしくない落ち着きの無さが感じさせられた。そもそも、タイアップである以上、多くの曲を流す必要があるので使用期間が短くなるのは当然なのだが、これまで長年にわたって「ぼくドラえもん2112」を聴き続けていただけに、よけいにめまぐるしく変わったように感じられたのだろう。

 結局、一口にタイアップと言っても、どんな歌手や曲とタイアップするか次第で、よい方向にも悪い方向にも転ぶのだと思う。「ドラえもん」のイメージを損なわないような歌手や曲であれば、直接「ドラえもん」との繋がりがなくても、実際に聴いてみて悪印象を受ける事はなかった。要するに、「YUME日和」まではよかったのだが、最後となった「ああ いいな!」が、思いっきり方向性を見失っていたとしか思えない曲だった事は、残念だ。

 さて、今回はここまで。2回で終わるかと思ったが、まだ書きたいことが残っているので、更に次回に続く。おそらく、次で終わるだろう。