てんコミ「ドラえもん」ついに新刊発売

 てんとう虫コミックス「ドラえもん プラス」第1巻、てんとう虫コミックススペシャル「ドラえもん カラー作品集」第5巻を購入。公式には明日が発売日となっているが、少なくとも名古屋では、書店でもコンビニでも普通に置いてあった。
 さっそく一通り目を通したが、特に「ドラえもん プラス」の方は、「ドラえもん」第45巻以来9年ぶりの「てんとう虫コミックス」ブランドでの新刊なので、手にとって眺めるだけで、何だか興奮してしまう。藤本先生の死去によって、46巻が出なくなったのは非常に残念だが、それでもこうやって、これまでなかなか容易には読めなかった作品群が、税込み410円で、誰でも手軽に読めるようになった事は、非常に喜ばしい。私自身は、未収録作品は一通り各所の図書館でコピーして持っているのだが、それでも現代の技術によるきれいな印刷で読むと、非常に新鮮に感じる。

 さて、先月まで雑誌「ぼく、ドラえもん」に付録として「ドラえもん 単行本未収録作品集」が付いていたので、今回の「ドラえもん プラス」と、どれくらい重複するか気になっていたが、第1巻収録の22話のうち、「ぼくドラ」付録に入っていたのは10話。また、既に「ぴっかぴかコミックス」に入っている作品が3話あり、FFランドへの収録も考慮すると、全くの単行本初収録作品は「半分おでかけ雲」「ココロチョコ」「集中力増強シャボンヘルメット」「おこのみフォト・プリンター」「ハチにたのめば何とかなるさ」「不運は、のび太のツヨーイ味方!?」「ルームガードセット」の7話となる。全体の1/3なので、結構がんばったのではないだろうか。もっとも、もし「ぼくドラ」収録作品ばかりにした場合に「ぼくドラ」読者の「プラス」購入が見込めないと言う判断があったのかもしれないが。
 ところで、「ハチにたのめば何とかなるさ」の初出時サブタイトルは「なんとかばち」だった。今回、なぜ変更したのかはよく分からない。これを除くと、既にFFランドなどに収録されていた作品は、その時の題を尊重しており、単行本初収録作品は初出時の題をそのまま使っている。すると、ひょっとしたら「なんとかばち」も、どこかで再録された時に「ハチにたのめば何とかなるさ」と改題されていたのかもしれない。
 なお、今回の「プラス」第1巻カバー絵は「ぼくドラ」8号付録の「未収録作品集」カバー絵だが、元々はFFランド版「ドラえもん」第6巻のセル画用イラストだった。中表紙の絵は、同じくFFランド版第1巻のセル画用イラスト。後期「コロコロ文庫」版のように萩原伸一(むぎわらしんたろう)氏によるトレス絵ではなく、藤本先生の描いた絵を使う姿勢には、好感が持てる。

 ここまで「プラス」1巻について長々と書いてしまったが、「初期作品編」となったカラー作品集第5巻も、なかなかよかった。ほとんどが、FFランドやカラーコミックスに既に収録されている作品だが、これまではトレスまたはモノクロ印刷でしか読めかった作品なので、初出時の色が付いた状態で読むと、非常に見栄えがして別の作品のように感じる。特に、カラーコミックスでのトレス絵は線がヘロヘロで元原稿のタッチを完全に殺してしまっていたので、「キャンプ」や「雲ねんど」の収録は嬉しい。全くの単行本初収録作品は「とうめいペンキ」の1本。ガチャ子登場編は秘かに期待していたが、やはりダメだったか。

 ともかく、これまで「ぼくドラ」付録や「ぴっかぴかコミックス」で小出し状態だった「ドラえもん」てんコミ未収録作品が、いきなり2冊も単行本化されて、カラー作品集が途絶えていた1,2年前と比べると、夢のような状況だ。「プラス」は5巻まで予定とのことだが、出来るだけ多くの作品を掘り起こして欲しいものだ。
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