はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

最後の現行アニメドラ&「45年後…」感想

2005-03-18 22:30:31 | 藤子不二雄
 今日は、現行スタッフによる最後のアニメドラ新作「ドラえもんに休日を?!」が、特番「ドラえもん オールキャラ 夢の大集合スペシャル!!」内で放映された。さっそく観たが、正直言ってほめられる内容ではなかった。のび太がはずみで「よびつけブザー」を押してしまい、ミイちゃんとのデートを邪魔されたドラえもんが22世紀に帰ってしまう…これは、リメイクによるアレンジの域を超えている。半分オリジナル作品と言っていいだろう。
 元々、原作は9ページの作品で、わりとあっさりした内容であり、特番でやるからには何らかの付け足しがあるだろうとは思っていたが、まさかほぼ別作品と言えるくらいに変えてしまうとは思わなかった。しかも、ドラえもんがのび太の元へ帰ってくる展開も強引。最後の仲直りも取って付けたようにしか見えない。
 また、ペラペラなジャイ子やUターンするスネ吉の車など、ギャグを意識しすぎた演出も上滑りな感じだった。最近は渡辺歩の陰に隠れてあまり話題に上がらなかったが、安藤敏彦も渡辺歩とは別の方向性で、当たりはずれの激しい演出家だと言うことを再認識させられた。ともかく、これが最後の現行アニメドラだと思うと、非常に残念だ。
 今回は、現行ドラ最後の新作と言うことで「オールキャラ大集合」を売りにして、原作を変えてまでスネ吉やセワシ・ドラミまで登場させたために、あのような無理な話になってしまったのだろう。メイン5人以外の声優も交代するようなので、最後に全員集合させたかった気持ちは分かるが、何も本編にこだわらなくても、おまけの新作映像での全員集合でもよかったと思うのだが。
 しかも、最後はやっぱり「ああ いいな!」で締め。個人的には「青い空はポケットさ」「ポケットの中に」あたりを期待していたし、本編内容と合わせるなら「あしたも ともだち」あたりでもよかったのに、よりによって最後まであの歌を流すとは。まあ、今日の放送に関しては、本編がイマイチだったので、あまり違和感はなかったが。

 ともかく、番組を見終わっても「現行ドラが終わり」だと言うことが実感できなかったので、先週の「45年後…」を、観直してしまった。こちらは、今日の「ドラえもんに休日を?!」とは違って、基本的に原作に忠実でありながら、アニメオリジナル部分も効果的に加えられていて、アニメドラでは久しぶりに、たびたび観返したくなる作品だと思った。しずかちゃんに45年後のび太がお礼を言うシーンや、野比家の夕食と、それを覗く小学生のび太(外見は45年後のび太)のシーンなどが特に印象深い。
 私も、45年後のび太までは行かないにしても、アニメ「ドラえもん」を観始めた頃と比べると、ずいぶん歳をとってしまった。まだまだ人生経験は足りないが、45年後のび太に、それなりに共感できるために、なおさら心に迫るものがあるのだと思う。おそらく、小学生くらいの視聴者にとっては、本編中の小学生のび太と同様に、45年後のび太の気持ちは、よくは分からないだろう。それは、原作も同じ事なのだが、それでも、45年後のび太の最後の言葉「何度つまずいても、立ち直る強さも持っている」は、無限の可能性と未来を持つ、小学生のび太、ひいては小学生の読者、視聴者へのよきメッセージとなったのではないかと思う。だからこそ、原作の発表から20年経って、ようやく本作がアニメ化されたことは、非常に喜ばしい。

 来週の放送は映画「のび太のワンニャン時空伝」。いよいよ、本当にこれでテレビでの大山ドラは聴き納めだ。この映画のEDは「YUME日和」なので、最後の最後になまずを聴かなくてすむのは実に有り難い。現声優陣からのメッセージもあるようなので、来週も見逃せない。