あなたの人生の物語 / テッド・チャン 早川書房
だいぶ昔に銀杏坂の古本屋で捨て値でゲットしたんですが、それを同僚の持ってた 徳間デュアル文庫版『昔、火星のあった場所』北野勇作 とバーター。いまは手許にないのです。確か光の屈折図が書いてあったハズ、くらいしか内容も思い出せないので、改めて買いました。映画「メッセージ」の原作としてキャンペーン中の本書、しかし分量的には文庫本にして100ページの短編。一貫して緊張感のある文体ですが、結構ユーモラスな箇所も。半分読み進めたとこで昨晩はおしまい、
バーボン・ストリート・ブルース 高田渡・著 ちくま文庫
津原さんの本を探してたら、別の本がめっかったのでそちらを購入。オーパ@栄町でたまに掛かるから、お名前くらいしか存じなかったのが、少しずつ歌声も耳にしていた。生い立ちやツアーの話を通してその信条が綴られるが、なかなかの硬派である。幾枚か含まれる若い頃のポートレイトからもその印象を受ける。流石にあの時代の方たちだ。しかしステージの様子を聞いてる限り、すっとぼけた飄々たる風貌しか思い浮かばない。本人が語っているかのような調子で書き進められている本であるが、その声はレコードから聴かれるご本人の声とはちょっと違う。やはりもう一人の高田渡さんなのであろうと思う
18世紀ロンドンを舞台にしたミステリを読んでる。去るところの蔵書で月いちの訪問時に少しずつ読み進めてるが何しろ500ページ、しかも筆致の密度がはんぱなく、作者がうちの両親より年上だと思うともうクラクラする。猥雑な世界的都市で庶民に愛飲されてるのはジン、「あおる」の動詞はバーボンよりむしろこちらに当てはまるのでは?ということでジンを一瓶買ってきてしまった。お供にいつも悩むが、健康と値段を考慮し大豆の缶詰にしてみた。栗の味する
○以下、私ライブラリのTLを元に構成しております。登場なさるお三方はいずれも著名なSF作家の方々、まず田中さんが口火を切りました。
田中啓文さん(以下、田中) ; 乱歩賞のパーティーのあとLIVEWIREで立川三四郎SF落語会。吉田隆一がSFとはなにかを語りつくすというので行ってみたらたぶんそれまでに語りつくされていたのだろう、私が行ったあとは大友良英、阿部薫の話など。終わってから打ち上げ。なんと草上仁さんが来られていた。
○以前、草上さんのFCに籍を置いたこともある草上ファンの私は、思わず聞き耳を立てた。
田中 ; 草上さんとは超久しぶりだったが、なぜかブレッカーブラザーズの「イーストリヴァー」が好きだという話とか、イリノイ・ジャケーとファラオ・サンダースの比較とか、ズート・シムスのこととか、サン・ラーの話とか……すべて私ではなく草上さんから振ってきたものばかり。びっくりしたなあもー。
田中 ; 草上さんの話でいちばんおもろかったのは、「星新一はポール・デスモンドだと思うんですよ」という話でした。あとSF作家で○○と××とどちらが好きですか、と質問されて、考えに考えた挙句○○です、と答えると、私はどっちも好きです……。踏絵だったのかも。
○自身がテナー奏者でもある田中さん、思わずRTしてみると・・
田中 ; 草上さんとは10何年振りにお会いしたのですが、音楽のことをしゃべったのははじめてでした。吉田隆一さんに草上さんが「モードジャズってどうお考えですか」とたずねる場面など、なかなかおもしろかったですよ。
○一方、別の角度から興味を示すもう一人のSF作家がいた。
北野勇作さん(以下、北野) ; 草上さんの短編には、ジャズが好きなクマ型異星人の話がありましたね。
愛宕町私設ライブラリ ; その短編の名は?
北野 ; タイトルなんだったんだろうなあ。メモリーズ・オブ・ユーが出てくる話なんですけどね。
○私設ライブラリとしばしやり取りを交わした、その後
北野 ; どうにも気になって、いろいろ検索してみたら、SFアドベンチャーの1989年2月号に「飛入りの思い出」というのがあります。内容とタイトルからいって、たぶんこれではないかと思います。演奏に飛入りする話だし、思い出という言葉も入ってる。
○ウラを取るべく、なんとご本人にメールで問い合わせするライブラリ。
草上仁さん ; うーむ。メモリーズ・オブ・ユーは確か形状記憶合金のラッパをポケットに忍ばせてセッションに飛び入りする話だったような…。まんま「メモリーズ~」がタイトルか、形状記憶だったか、記憶が…。形状記憶脳髄が必要ですなm(_ _)m
※ 専務(草上さんのコードネーム)、無断で返信メールを引用しちゃってゴメンナサイ!
北野 ; そうそう、それです。たしか、飛び入りできないところにそれを持って入って、ここぞというところでカフェオレをぶっかけてラッパにして飛び入りする、という話です。私も「メモリーズ・オブ・ユー」がタイトルだと思ってたんですが、そのタイトルが見つからないんですね。
ベクフットの虜 <クレギオン7> 野尻抱介 ハヤカワ書房JA
For You / Jeffrey Cain (1970) Raccoon#2 (Warner Brothers)
カミさんがハイスクール時代の友人らと同窓会をするってんで、ルート6沿いのレストラン ‘ボンジュール’ まで送る。その後街道を南下、土浦市内の古本屋で野尻氏のなかなかお目に掛かれない本をゲット。以前読んだ6と本の印象が違うと思ったが、あれはオリジナルの富士見ファンタジア文庫版、早川のは再版だ。古本屋脇のコーヒー屋で読み始め、ぴったり夜中12時を以って読了。氏の作品は結局、無駄な記述が何ひとつない。山本弘氏の解説もよい。時は戻り、コーヒーをおかわりした15時かっきりにカミさんから電話、2次会は石岡のファミレスだそうな。その背中合わせが地域文化の担い手、中古レコード屋 ‘rockbottom’ であるのをいち早く見抜き、渋滞のR6を巧妙に回避しつつカミさん一行を追尾。到着後、オーパ@水戸市栄町で掛けて貰うのを前提にCDでなくレコードを大量に漁る。jazz piano のコーナーに サディク・ハキム が一枚あって涙がちょちょ切れたりした。ラクーンはご贔屓バンド、the Youngbloods が起こしたレーベルで、そこの2枚目ってのは判るけどジェフリー・ケインって誰?収録曲から判断するに、どうやら最後期の同バンドが迎えたベーシスト、Michael Kane なのか?ともかく、ヤングブラッズ一家が総出でバックアップしてる (ピアニストにスコット・ローレンスの名も。バナナはだからか、ペダル・スティールに回っている) ので、針を落すのが楽しみ。18時カミさんをエアロックごしに回収、雨に煙る県道52号線を快調に帰水した
クローム襲撃 ウィリアム・ギブソン ハヤカワ文庫
長編第一作の「ニューロマンサー」はだいぶ前に読んだ。いまはこれを読んでる。何時の頃からか、この短編集収録の「ガーンズバック連続体」にまつわる話をあちこちで聞くようになった。芥川賞SF作家、円城塔さんも題名をもじった作品を書いていたり。急速に本編を読みたくなったが、長いこと絶版。それが最近再版されたのだな。私は80年代に入ってポップスを聴くのを止めた、その時分をモーツァルトとバッハで代替したりしてそれは血肉化したが、それだけではとても足りない人生の大穴がそこに空いている。それを満たせるのは80年代に書かれたSFでしかない、リアルタイムで読んでなくとも、それら読めば体験はここから飛んでって、あの頃の穴を埋めてくれるはず
年代的に言って家の皇子どもと私のマンガの好みが合うはずはなく事実合ってないが、人情ものが好きという点で「じゃりん子チエ」は双方の支持を得ている。東京の学校に入ったばかりの頃、大層引っ込み思案であった私だが、アクション誌上では大友克広とはるき悦己には楽しませてもらった。横田順彌のハチャハチャSFとかも掲載されてたし、コラムが充実していたのも印象的。劇場版で脚本を担当した城山昇は長いことTV「サザエさん」を支えている。音楽では星勝の書いたスコアをほとんど遜色なく覚えてるのは、まあ当たり前(当時、サウンドトラックのLPとかも買いこんだ、テーマソングはビジーフォーが務めている)。高畑カントクは当時から完全主義で(ジプリ結成前)、セリフの言い回しひとつひとつを声優にうるさくチェックしているのだったが、たったひとつ、主人公チエ役を演じた中山千夏が発する「ひどいこと、するなあ」だけが、それをすり抜けてしまったと後のインタビューで述べていて、繰り返し見るたびそのセリフだけが特によくきこえてくるのだった
怨讐星域Ⅰ 梶尾真治 ハヤカワ文庫
金曜夜はひさびさにオーパ@栄町。雨中バスに乗ったらあいにく小銭がない!後払いということに。ソフトボール大のコロッケ食す。土曜はカミさん母を見舞って、帰途okatte@鯉渕。日曜は午前中ギター、第二皇子とピッチャーゴロ@茨大前でカツカレー大盛りを食し、茨交に立ち寄ってバス代を支払い、SF本を購入。午後は「オービタル・クラウド」(SF大賞受賞、おめでとう)以来の読書三昧だった。ハードSFなんてあっち行け、カジシン節さく裂の一大クロニクル、最後の一章はまるまるギャグに割かれてます。引きずられるように一気読み、オススメ
オービタル・クラウド / 藤井太洋 (2014、早川書房)
明けましておめでとうございます、本年もよろしくお願い致します。 新年に入ってはギター・ケースを明けもせず一心にSFを読み耽って、先ほど終了。書き下ろし470ページがあっという間の一日半であった。昨年読んだ 「書き下ろし日本SFコレクションNOVA+」 に掲載された短編 『ノー・パラドクス』 が余りに面白くて、これは他も読んでみる?と思ってた矢先、日本SF大賞候補作にその第二長編が挙がってきたので、さっそく入手した次第。Orbital Cloud とは、(地球)軌道上に浮かぶ雲という意味、すぐ手の届こうという2020年を舞台に、あと5年で実現しそうなガジェット(タテで語られる事の多いアレをヨコにしたのがミソと言えばミソ)、それに脇役のひとりは某SF作家がモデルかも?宇宙ものが好きな方には特にオススメの一冊
参考までに、第35回日本SF大賞の最終候補作を挙げておきます。(題名・五十音順) 今回はマジメに半数の2.5冊を読了しているので、頑張れば2月中旬の発表までに残りも全部読めるわけであるが。。
ジンセイは短い、読むんならそろそろだよーん、とカート・ヴォネガットjr の小説を読み始めた、最初から。1922年生まれの小説家が亡くなったのはそんな前ではないが、その時ハヤカワ文庫が絶版だったのを新装してリリースしたので、とりあえず買いこみ積読状態。併せて同時期にNHK方面から出版された「国境のない男」もゲットしておいた。これまで読んだなかでは「タイムクウェイク」「猫のゆりかご」が良かったので、ぜひぜひ全部お遍路したい。最初は1953年の長編第一作「プレイヤーピアノ」、奥付から察するに80年代の半ばに購入し、一回読んでる、和田誠さんのカバーがどこかに行っちゃってもう、ちょっと古色蒼然といったいでたちですけど、その方がちょっとかっこいいじゃん。ところがウチの蔵書にはなぜか「スローター5」が欠けている。これも買って読んだはずなんだが・・。そういえば最近、ヴォネガットの新刊がでたらしいな
http://blog.goo.ne.jp/halcyon1772/e/f82e91a1ca6144c017569a3cd525dbaa
読了した本の事を書かなくてはいけないのだが(「きつねのつき」北野勇作;著、本屋でこの河出文庫が目に止まったら即買いですよ)、第二皇子が帰水するってんで慌てて離れを片付けたら古いテープが出て来て、これを整理する必要に。古の大家の名演の隅っこの隅に、まさかまさかの自分の昔の演奏記録があって、自分では割と肯定的なヤツなので、まさかまさかのViola練習に進展した。(床屋がもう終業だったので、他にすることがない)まあ、来週も頑張るとする?
グリニッチ・ヴィレッジにフォークが響いていた頃 / デイヴ・ヴァン・ロンク
先日観てきた映画「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」つながりで、本を買いました。原題は示した通りで、皆に親しまれて付いたあだ名だとか。この本があることは知っていたが英語じゃなあ・・と諦めていたら、映画化効果でこうして読むことができる様になりました。高校を中退したロンクがニューオーリンズJAZZ・スタイルのバンジョー奏者として世に出て、次第にフォークシーンに接近していく冒頭から、いろんなミュジシャンがぞろぞろ出てきて、もう凄い。ジェームスPジョンソンなんてブギウギ・ピアノの名手が登場するかと思えば、ブダペストSQの2ndヴァイオリン奏者、アレクサンダー・シュナイダーがちらっと顔を出したり。ギターも標準チューニングに戻して、St.Louis Tickle の弾けないとこなんか必死で再履修ちゅう