goo blog サービス終了のお知らせ 

銀河鉄道拾遺

SF、かふぇ及びギター

ふつうの軽音部

2024-06-08 21:37:46 | SF本

 先日発売になったばかりの2巻を、駅の本屋でゲット。複数の登場人物のきめ細かな心理描写をベースに据えた抜群のストーリィ展開も去ること乍ら、音楽ものなら避けて通れぬ演奏シーンを堂々と描き切る、この力量。脱帽です。
 然し、いまだに「軽音」て云うんか、「軽音楽をあなたに」で育った世代にゃなんだか嬉しい響き。練習できんかった日も、これさえ読めばハンコが貰える、ギター弾きのマニ車。9/4の3巻発売まで死ぬわけにはいかぬ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エピローグ / 円城塔

2024-03-03 17:17:37 | SF本

長い間中断していたが読了。シライシユウコさんの可憐なカヴァー絵だけが頼りだったなあ。再読を重ねたゴジラS.P(2022)で弾みを付け、Boy’s Surface(2011)→これはペンです(2014)と読破した所で、今なら行けるかも!?と思ったが、達成できてよかったです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

立奏のお誘い

2023-07-23 19:59:46 | SF本


小雨が降っていた。閉じた店のオーニングテントの下で彼が立奏していたのは、スコット・ジョプリンの曲だ。その旋律に思わず足を止めた。伴奏と主旋律を同時に奏でるタイプの、私なんかにはどうやっているのか見当もつかない、巧みな演奏だった。
  - 津原泰水「クロニクル・アラウンド・ザ・クロック」

 春に腰痛が発生し(そもそも原因はギター)、弾く姿勢について座奏→立奏に変更する試みを続けてる。
 立奏の拠り所が欲しいところだが、それはもう上記で十分か。さあ、ギターにストラップ付けたら、立ちあがってどんどん練習だ。
 立奏だと、左手の押絃の感覚やポジション移動のフィーリングそれに右手のタッチが、座って弾いてた時と結構変わる。まあ、総じてこころもとない。寧ろ今までよりタイトでドライな感じで行ける、いい機会だよ。
 座って弾いてるとやっぱり耳はサウンドホールに近い、立奏だとその分もの足りなく感じるのも事実だけど、出音はきっと変わってない。そのくらいの感覚でプレイする方がきっといいんだよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アタマはひと廻り、遅れている

2023-07-09 22:22:56 | SF本

年間日本SF傑作選『拡張幻想』 / 大森望・日下三蔵 編(2012.6 創元SF文庫)
これはペンです / 円城 塔(2014.3 新潮文庫)
ゆみに町ガイドブック / 西崎 憲(2011.11 河出書房新社)

蒸し暑い日々が続きますね。スーパーの買い出しやカフェでの食事に連れ出して読んでた円城塔「良い夜を持っている」(文庫「これはペンです」に併録。中古本屋で捨て値で購入)を先日読了した。これが又とんでもない傑作で(円城本はそう云っておけばよろしい)、ま~たまた読んじゃったなあ、とエビス顔をしておればそれでよいのだが、それはそれ、twitterで偶にお会いする西崎憲さん、「新潮」にがんばって書いたから買っておくれ~ツイートが流れてきて、でも書籍に回すカネはちょっと待ちんこ!と、しばらく前に中古本ネットでやっと入手できた「ゆみに町ガイドブック」を再読。同小説はみっつの物語パートが互いに絡まる様にしてクライマックスに至る構造を有してるが、そのなかの ❛雲マニア❜ 編だけチューシュツしてみっぺ。ところでこんな面白い本、その年々にリリースされたSF本の紹介を本懐とした「年間日本SF傑作選」に載ってないわきゃねー、と六百五十はあるページを繰ると、おお、やっぱり登場してるね。あの年、2011年に世に出た傑作は溢れるばかりだなあ、あ、なんだ、「良い夜を持っている」もこの年の書下ろしなんだー、とかやってたら、年間日本SF傑作選『拡張幻想』のトリを飾ってたのは、そもそも「良い夜を持っている」だった!あ、オレ、飛ばしてたのか。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なつなつ読書

2023-06-18 21:18:38 | SF本

異形コレクションLV ヴァケーション / 井上雅彦 監修(2023.5 光文社文庫)
AIとSF / 日本SF作家クラブ 編(2023.5 ハヤカワ文庫)

604ページと653ページと云う、ぶ厚いアンソロジー二冊。先日『ヴァケーション』を読み終えたところだが、津久井五月と云う新鋭がよかった。また新しいSF書きに出会っちゃったなと思ってたら、『AIとSF』にも寄稿してるじゃないのっ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブログ《ラヂオデパートと私》

2023-06-17 22:06:22 | SF本
先ごろ逝去された小説家の津原泰水さんは、何とgooブログに足跡を残されていた!
2006年11月から2012年4月に渡って書かれた《ラヂオデパートと私》がそれ。さっそくブックマーク(私のブログのトップ画面左側を下に辿った所にあります。)したので、気になる方はぜひ読んでください。わたしもこれからじっくり読ませて頂く積り。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゴジラS.P(シンギュラポイント)

2023-01-08 14:40:12 | SF本
 あけましておめでとうございます。2023年はのっけから怪獣もの。昨年面白がって読んだ円城塔氏のSF小説ですが、これは2021年4月~6月にテレビ放映された同名アニメーションのノヴェライズ。シリーズ構成と脚本を手掛けた作者自身によるウラ設定的著作で、読めば興味が倍加する仕組みになってます。ちなみにシンギュラ・ポイントとはブラックホールに付きもののアレ、「特異点」の事。



 遅れに遅れて昨年読んだ「ゴジラS.P」、先へ先へと駆け抜ける作者に置いてきぼりを喰らって途方に暮れてた一読者に、「Self-Reference Engine」が帰ってキター!と狂喜乱舞させた、エンタテインメント大作でございました。
 視聴環境が整ってない我が家ではアニメを当然見逃しており、地元のレンタルビデオ屋に置いてなく、更に取り寄せも不可と判明、これはもう買うしかないか。
 此のウラ設定解説式アニメ補完小説を読んだお陰で著作に対する熱がひさしぶりに高まり、四つの中編と読むことで更にややこしくなるあとがきから成る Boy's Surface もようやく読み切った(都合10年を要した勘定)。
 で、この小説、様々なreference上に成り立ってる(よね?)。宿敵として登場するロボが「駆動体」と表記されれば、それだけでもうベテランSF作家による某タイトルを想起せぬ訳には行かぬ。ましてや首都を包み込む紅いキリなんて云ったらアナタ。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追悼 津原泰水さん

2022-10-05 22:08:10 | SF本
 津原泰水さんの訃報に接し、呆然としてます。twitter を通しての津原さんの思い出と云えば、これですね。どうか安らかにお休み下さい。

https://blog.goo.ne.jp/halcyon1772/e/1040e0fdf16879460b9e03c7e3f8d8cd

 いやー、ログをちゃんと残しとくべきだった。津原さんはあの時、私の無茶振りを凄く喜んでくれて。。Country For Old Men をご紹介下すった tweet には収録された Jolene のPVも添えられてたっけ(そう云えばオリビアもね。。)。
 当初は上記blogにある通り A Go Go にハマってた私だったが、何時しか津原さんのオススメ通り Country For Old Men に傾斜して今に至る。私が好きなのは 6. Mama Tried、8. Faded Love そして 11. You're Still The One だ。特に6の春の夕暮れの如く消えゆくエンディングは、何物にも代え難い。
 ところで『クロニクル・アラウンド・ザ・クロック』には様々な音楽が登場する。文中に流れる曲はすべて選曲されてる、との事、主人公がバンドとジャムを繰り広げるシーンではロックオペラ「トミー」から『ピンボールの魔術師』が想定されてたらしい。(うろ覚えなので違ってたらすいません、著者さま)

 小雨が降っていた。閉じた店のオーニングテントの下で彼が立奏していたのは、スコット・ジョプリンの曲だ。その旋律に思わず足を止めた。伴奏と主旋律を同時に奏でるタイプの、私なんかにはどうやっているのか見当もつかない、巧みな演奏だった。(津原泰水『クロニクル・アラウンド・ザ・クロック』p.301)

 この本を読んだ頃、丁度ラグタイム・ギターにぞっこんだった私は思わず膝を打った。このシーンに登場するジョプリンのナンバーをモノしようではないかっ!幸い著者は作中の曲はすべて想定してる筈。勢い込んでまたまた tweet してみると。。



 どうもどなたか表にいらしたようなので、きょうはここらで。(ちと早くないか。。)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2022のGW

2022-05-08 21:06:27 | SF本


Michael Brecker / Nearness of You(2001 verve)
北野勇作 / 人面町四丁目(2004 角川ホラー文庫)
津原泰水 / ブラバン(2009 新潮文庫)

 GWを信じてるフシがあって、何か収穫があるよな気がしてる。今年も最終日になって逆転劇。まさか「人面町四丁目」を入手できる日が来ようとは。先々週だかのNHK-Eテレの如くである。
 Michael Brecker の盤、世評ではゲストの James Taylor がとりわけクローズアップされてるが(いや全く、其の通りなんですけど)、此処はECM盤『80/81』の20年後としての意味も大きいと思う。自分個人として Bill Evans Trio が'74年のヴァンガード・ライブで採り上げたザビヌルの midnight mood 再演がじーんと来る。
 北野勇作さんの「人面町四丁目」はその後にリリースされた「大怪獣記」の前日譚と云う設定があって、其れって後付けなんじゃあっ!て思ったが後の祭り、大怪獣記読後はやっきになってあちこちの古本屋を探し回っておった。書棚の背表紙に其の名を確認した時はウソか!と思ったよ。
 津原泰水さんの「ブラバン」は既に一定の評価を確立したにも拘らず絶版の話があり、一度入手した本を人に上げてしまった経緯から、今度見つけたら手許に置くぞ!の決意で探した一冊、まあ音楽ファンなら持っててトーゼンの一冊。
 ちょっとこの頃、と云うか昨年からの此処まで、どうもいまいち、ラクができなかったフシがあって、でもこれで何とか、すこしはラクに行けそうか?と云う気分である。皆様のGWにも幸いあれ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「カムイ伝」伝

2021-10-30 10:37:34 | SF本
訃報を耳にしたので、白土三平氏にまつわる話を。
私の行ってたガッコは目黒区にあるのに寮は葛飾と云う環境で、寮生はそれは自由にしておった。夜間部を置き授業料を抑えて社会人に広く門戸を開いてた関係で、年齢も経歴も様々な学生が寝食を共にしていた。さる会社寮をそのまま払い下げた建物は見てくれもそのまま、各戸はカギなど掛けず出入り御免で、所有物は共有的性格が強く、ただ持ってったモノを戻さないのが困りものだった。行方知れずになったレコード多数。
いっぽう都の西に住む、今じゃ押しも押されもせぬバグパイプの第一人者に成長した友人のK、彼の「カムイ伝」を全巻、頼み込んで借り出した事がある。紙袋に押し込んで、中央線→総武線と乗り継ぎ帰ってきた。その晩から熟読したが、部屋に来る奴来る奴、お、面白そうだなと勝手に借り出してゆく。或る日、そろそろ返してくれる?とKからオファーが来て、部屋を見回したら一冊も無いんでやんの!慌てて寮中を駆け巡り何とか全巻回収を果たしたものの、Kが丁寧に掛けたブックカバーはぼろぼろ。今でもそのままの姿で本棚に納まってるのだろうか。。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タイタンの妖女

2021-05-10 19:13:45 | SF本
積読本に手をつける時期が到来。カート・ヴォネガットは14冊の長編をものしていて、まずは此処から始めよう。一冊300頁クラスのヘビー級だが、リストを眺めたら5冊は取敢えず読んでいた。再読もしたい所だが、まずは残りを片付ける。発表順に読み進めるとして、『タイタンの妖女 The Sirens of Titan 』(1959 浅倉久志訳)を読了。約三週間はまずまずのペースか、翻訳ものはひさしぶりだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今朝方のやりとり

2020-12-27 05:06:35 | SF本
宮内悠介 @chocolatechnica
生まれ年と年齢を足すと2020になるってやつ、噂ばかりで実物が見つからない。実物をこの目で見てオーラを感じ取って、おお、ってなりたいのに。


愛宕町私設ライブラリ @halcyon1772
おれ、1960年生まれの満60歳ですけど。


宮内悠介 @chocolatechnica
実物!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブックカバー

2020-12-01 23:39:39 | SF本
ラファティ本に巻き付けたまま、しばらく使ってなかったブックカバーを復活させた。あちこち持ち歩くにはやはり便利。お使いに連れ出されることが多くなったので、細切れ時間を寄せ集めてほそぼそと読み繋いでいる。先日、田中啓文さんの『さもしい浪人が行く 元禄八犬伝一』(集英社文庫)→ 深緑野分さん『戦場のコックたち』(創元推理文庫)と来て、佐藤亜紀さんの『天使・雲雀』(角川文庫)に入ったところ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黄金列車と其の周辺

2020-09-02 16:33:31 | SF本
  黄金列車 / 佐藤亜紀(2019 角川書店)

 デビュー作『バルタザールの遍歴』、『スウィングしなけりゃ意味がない』と来て三冊目。ファンタジー(そういう賞だったので)、JAZZと来て鉄道、と人の趣味を刺し捲るラインナップである。
 とつぜん話変わるが、雑誌『太陽』は '68年6月号に特集「世界の蒸気機関車」を組んだ。‘汽車は演技する’ と題された5頁は鉄道物の名画を年代順に紹介した記事だが、その中の二篇、バート・ランカスター主演の「大列車作戦」と、フランク・シナトラ主演の「脱走特急」(両方、1964年公開)。どちらもTVで観たけど、普段ダイヤに則って運行される列車が戦争と云う特殊状況下、己が意志があるかの如く国境を越えて走り抜ける様が子供心に印象的だった。そんな朧げな記憶がこのたび紙面に蘇る。p.51の描写など迫真である、此処には書き抜かないけど。
 本書のストーリィや含意は優れた書評家さん達があちこちに書かれてるので、そちらをどうぞ。全編をシリアスな重い雰囲気が覆うなか、染之助・染太郎然とした脇役が僅かに笑いを誘う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わたしにも大人買いが出来ました。

2020-08-22 19:17:37 | SF本
何故か今日もBOOKOFF日立金沢店に居て、書籍類を買い漁っていた。この辺がコロナ禍に対抗できる個人の限界ではなかろうか?釣果は写真左から順に以下の通り、詳細はまた後日。

ミノタウロス / 佐藤亜紀(2007 講談社)
黄金列車 / 佐藤亜紀(2019 角川書店)

Paul Butterfield's Better Days(1973 Bearsville)
Keep On Moving / Paul Butterfield Blues Band(1969 Elektra)
It All Comes Back / Paul Butterfield's Better Days(1974 Bearsville)
From The Mars Hotel / Grateful Dead(1974 Grateful Dead Production)
Blues Piano Orgy(1996 Delmark、P-Vine)
Death And The Maiden & Rosamunde / Alban Berg Quartet(1984 EMI)




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする