十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

天牛

2015-05-28 | Weblog
天牛のどこから星を負ふてきし     渡辺久美子

「天牛」とは、想像上の動物の名のようだが、カミキリムシの中国名で、長い触角を牛の角に喩えたもの。天牛にはいろんな種類があるようだが、一番親しみのあるものは、何といっても黒っぽい翅や触覚に、白い星のある天牛である。「どこから星を負ふてきし」と、作者の素直な問いかけが魅力的な一句だが、「天牛」と「星」の言葉の響き合いに、宇宙のロマンを感じさせる一句でもある。句集『立田山』(「阿蘇」叢書)より抄出。(Midori)

4 コメント

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天牛 (久子)
2015-05-28 21:27:29
句集名の立田山麓には細川公累代の御陵があり、特にガラシャ夫人の御陵は参詣者が絶えない。
作者はすぐ近くに住み、立田山頂にはよく登った元「山ガール」

人であれ、植物であれ、5分の虫であれ、この世に生を受けた者の無常感溢れる17文字。
目が眩む思いがします。
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天牛 (みどり)
2015-05-28 21:38:48
昆虫の中でも、一番好きな天牛です。
どこか玩具のような美しさとあの機械的な音。
立田山への限りない愛情が感じられる句集でした☆
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天牛 (浩子)
2015-05-29 08:52:56
ローマ字表記に比べ日本語の何と表情豊かな事か!
「longhorn」「star」という単語を見ても単に文字の羅列に過ぎないけれど、「天牛」「星」だと文字を見た瞬間に一つ一つの文字の意味の世界に入り込める。
俳句はたった17文字でも漢字を含む表記法により、読み手は文字そのものからも想像力を膨らませる・・・。
「カミキリムシ」が「天牛」というのは私知りませんでした。知らない事ばかりです。
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天牛 (みどり)
2015-05-29 13:46:54
立派な名前を貰ったものですね。
同じ星を持つ昆虫に、天道虫がありますが、
これも天牛に負けず劣らず立派です。
俳句は、十七文字しかないので、
視覚的なイメージも大きいと思います。
「天牛」の素敵な句を詠んでくださいませ。
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