天牛のどこから星を負ふてきし 渡辺久美子
「天牛」とは、想像上の動物の名のようだが、カミキリムシの中国名で、長い触角を牛の角に喩えたもの。天牛にはいろんな種類があるようだが、一番親しみのあるものは、何といっても黒っぽい翅や触覚に、白い星のある天牛である。「どこから星を負ふてきし」と、作者の素直な問いかけが魅力的な一句だが、「天牛」と「星」の言葉の響き合いに、宇宙のロマンを感じさせる一句でもある。句集『立田山』(「阿蘇」叢書)より抄出。(Midori)
「天牛」とは、想像上の動物の名のようだが、カミキリムシの中国名で、長い触角を牛の角に喩えたもの。天牛にはいろんな種類があるようだが、一番親しみのあるものは、何といっても黒っぽい翅や触覚に、白い星のある天牛である。「どこから星を負ふてきし」と、作者の素直な問いかけが魅力的な一句だが、「天牛」と「星」の言葉の響き合いに、宇宙のロマンを感じさせる一句でもある。句集『立田山』(「阿蘇」叢書)より抄出。(Midori)
同じ星を持つ昆虫に、天道虫がありますが、
これも天牛に負けず劣らず立派です。
俳句は、十七文字しかないので、
視覚的なイメージも大きいと思います。
「天牛」の素敵な句を詠んでくださいませ。
「longhorn」「star」という単語を見ても単に文字の羅列に過ぎないけれど、「天牛」「星」だと文字を見た瞬間に一つ一つの文字の意味の世界に入り込める。
俳句はたった17文字でも漢字を含む表記法により、読み手は文字そのものからも想像力を膨らませる・・・。
「カミキリムシ」が「天牛」というのは私知りませんでした。知らない事ばかりです。
どこか玩具のような美しさとあの機械的な音。
立田山への限りない愛情が感じられる句集でした☆
作者はすぐ近くに住み、立田山頂にはよく登った元「山ガール」
人であれ、植物であれ、5分の虫であれ、この世に生を受けた者の無常感溢れる17文字。
目が眩む思いがします。