十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

白桃

2008-10-11 | Weblog
白桃や還らぬ人のハーモニカ   加藤信子
                             「滝」10月号<滝集>
最近、あまり見かけなくなったハーモニカだが、父がよく、「ラ・クンパルシータ」を
吹いてくれたことを思い出す。和音の伴奏の快活なリズムが、いまだに耳に蘇ってくる。
掲句、「還らぬ人」とだけでは、誰とも限定できないが、大切な人のハーモニカであることに
変りはない。そのハーモニカの音色は、やはり今も信子さんの心に聴こえてくるのだ。
上五に配された「白桃」に、今を艶やかに生きている作者を思った。 (Midori)

2 コメント

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ハーモニカの郷愁 (ケイちゃん)
2008-10-13 07:58:32
ハーモニカで懐かしい曲を沢山演奏してくださった方だったのでしょうね。 私もハーモニカをとてもお上手に演奏する大先輩を知っています。やはり男性じゃないのかなという気がします。
>上五に配された「白桃」に、今を艶やかに生きている作者を思った。
に納得です。「白桃」に明るさを感じました。素敵な季語を斡旋されていますね
ハーモニカ (じゅりや)
2008-10-13 14:58:33
ケイちゃん、ありがとう♪
ハーモニカは、長渕剛などのシンガーソングライターもよく演奏していますが、大正、昭和初期のあの巧みな演奏者でしょうね。一本のハーモニカが奏でる音は、とても情緒がありました。対照的なものの取合せは句に深みが増しますね。

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