白桃や還らぬ人のハーモニカ 加藤信子
「滝」10月号<滝集>
最近、あまり見かけなくなったハーモニカだが、父がよく、「ラ・クンパルシータ」を
吹いてくれたことを思い出す。和音の伴奏の快活なリズムが、いまだに耳に蘇ってくる。
掲句、「還らぬ人」とだけでは、誰とも限定できないが、大切な人のハーモニカであることに
変りはない。そのハーモニカの音色は、やはり今も信子さんの心に聴こえてくるのだ。
上五に配された「白桃」に、今を艶やかに生きている作者を思った。 (Midori)
「滝」10月号<滝集>
最近、あまり見かけなくなったハーモニカだが、父がよく、「ラ・クンパルシータ」を
吹いてくれたことを思い出す。和音の伴奏の快活なリズムが、いまだに耳に蘇ってくる。
掲句、「還らぬ人」とだけでは、誰とも限定できないが、大切な人のハーモニカであることに
変りはない。そのハーモニカの音色は、やはり今も信子さんの心に聴こえてくるのだ。
上五に配された「白桃」に、今を艶やかに生きている作者を思った。 (Midori)
>上五に配された「白桃」に、今を艶やかに生きている作者を思った。
に納得です。「白桃」に明るさを感じました。素敵な季語を斡旋されていますね
ハーモニカは、長渕剛などのシンガーソングライターもよく演奏していますが、大正、昭和初期のあの巧みな演奏者でしょうね。一本のハーモニカが奏でる音は、とても情緒がありました。対照的なものの取合せは句に深みが増しますね。