シエナの街並みは中世そのもの。
ペストの流行や、フィレンツェとの抗争に破れたことで、急激に衰退したシエナは、
1500年ごろで時が止まってしまったかのようです。
こちらはサリンベーニ宮殿(Palazzo Salimbeni)です。
美しいゴシック様式の宮殿で、現在ではモンテ・ディ・パスキ銀行の本店が置かれています。
モンテ・ディ・パスキ銀行は、シエナの文化財の保存にも力を入れていますね。
大きな地図で見る
これは「ルーパ・セネーゼ(Lupa Senese)」のブロンズ像です。
狼の乳を飲んでいるのは、ロムルスとレムルスで、ローマ建国後にローマを追われた
レムルスの子どもたちによってシエナが興されたという伝承に由来するものです。
シエナの町を堪能し、サンジミニャーノに戻ろうとした私たちですが、
ここでとてもイタリアらしい出来事に遭遇してしまいました。
帰りのプルマンが待てど暮らせどやってこないのです。
バスターミナルで待っていた、他の観光客らしき年配の白人夫婦も落ち着かず、
まわりの人を捕まえてはバスについてたずねています。40分くらい待ったでしょうか。
ようやくバスがやってきました。運転手はバスを降りると涼しい顔で仲間たちと談笑しています。
「ここはイタリアだから…」と自分に言いきかせながら、私たちはバスに乗り込んだのでした。