JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

七箇条

2006年11月13日 | j-l

ニュースで雪の映像を見ると、こちらまで寒くなってきます。それでも今日は昨日ほどの寒さでもなく、日中は暖かな一日でありました。

 一.酒の神様に感謝しつつ呑む
 二.今日も酒が呑めることに感謝しつつ呑む
 三.酒がうまいと思える自分に感謝しつつ呑む
 四.理屈をこねず臨機応変に呑む
 五.呑みたい気分に内蔵がついてこられなくなったときは、
  便所の神様に一礼して、謹んで軽く吐いてから、また呑む
 六.呑みたい気分に身体がついて来られなくなったときは、
  ちょっと横になって、寝ながら呑む
 七.明日もあるからではなく、今日という一日を満々と満たすべく、
  だらだらではなく、ていねいに、しっかり、充分に、呑む
                              以上。

いやぁ、じつに潔い酒飲みの『正しい酒の呑み方七箇条』ではありませんか。
女にしとくにはもったいない(注.これは明らかに男女差別用語です。)。
えっ?この七箇条は男性が書いたのだろうって?
とんでもありません。これをお書きになったのは、NHKのテレビ番組などにも出ておられた、杉浦日向子さんの七箇条であります。

杉浦女史はまさに同じ年代でありまして、昨年7月にお亡くなりになったときには、ちょっとビックリしてしまいました。彼女の名を始めて見たのは、以前にも紹介した漫画雑誌『ガロ』の漫画作者としてでありました。
「虚々実々通言室之梅」、たしか町人に化けた侍が遊女にふられる短編だったと思います。
日大芸術学部を中退された彼女は、はやく嫁に行けとせっつく両親の説得から逃げるために、「絵も中途半端、文章も書けない、ならば漫画」というかなりいい加減な理由で、『ガロ』に投稿したところ、採用になってしまったという、なんとも同年代らしい経歴の持ち主でいらっしゃいました。(ところが、『ガロ』は、原稿料がない雑誌だったため、もくろみは崩れ去るとこであったそうですけど)

NHKの番組でも、『時代考証家』として、江戸時代の風習、風俗をきめ細かく解説されておりましたが、師匠である稲垣史生氏に学ぼうと思った理由は、本当はパソコンでも勉強してその道に進みたかったものの、すでに中学生でもやっている人がいる時代に今からやってもしょうがない、ならば年寄りが今やっていることなら、この年から始めればそれより若くして極められるのではないか、という、いかにも・・・らしい発想が起因だったと聞いています。

なんで、突然にそんな話かって?
じつは、一昨日から彼女の著書『杉浦日向子の食・道・楽』という本を読み始めたのです。
とても、読みやすく、酒飲みにはいちいちうなずける内容であるため、すでに読み終えてしまいそうです。
丸顔でとてもそうとは思えないような(そうってどういう?)彼女でありましたけど、本を読む範囲では、じつに男らしいというか、いろんな意味で共感を持てるというか。
半年あまり、最近TVによく出ておられる荒俣宏氏の奥様でもいらしたわけで、う~ん、奥様としては収まりきれないものを感じますね。
『正しい酒の呑み方七箇条』をみても、何となくわかるでしょ?

ともかく、今日私は何を言いたかったか。
つまりね、この本を読んで、『酒飲み』はまるで男の特権のごとく考える古い風潮が、私自身も持っていたということです。
彼女のように私など足下にも及ばぬ、素敵な飲んべえがいたことに(しかも同年代で)、感激したというお話ですよ。
彼女の本を読んで、生前に一度お酒をご一緒したかったと思った私でした。

さて、今日の一枚は、私の考える古い思い込みもここで払拭しようと(ははは、そんな大げさなものじゃないんですけどね)キース・ジャレットにしてみました。
さて、何を聴こう・・・・・
じつは、キースはね、たぶん一年以上聴いてないんですよ。
え~と・・・って、選ぶほど枚数も持ってないんですが・・・・・・・・
どうして、私はキースのことが今ひとつ好きになれないのでしょう?
自分でもよくわからないんですよね。なんとなく・・・・
それって、以前にも話した、「ケルンコンサート」の聴き過ぎ?
だってね、ほぼ毎日、リクエストが入って、しかも、アベック(当時はそう言ってたんです!)のバカ男が、えっらそうに・・・・
ん?ん?ん?ん?・・・根底に流れるのは・・・まさや、嫉妬???!!!
いやいや、私が音楽を楽しむうえで、そんなことはけしてない、ありえな・・い。

まずは、キースのソロの原点このアルバムを聴いてみようっと

FACING YOU / KEITH JARRETT
1971年11月10日録音
KEITH JARRETT(p)
1.IN FRONT
2.RITOORIA
3.LALENE
4.MY LADY, MY CHILD
5.LANDSCAPE FOR FUTURE EARTH
6.STARBRIGHT
7.VAPALLIA
8.SEMBLENCE

おまけ、
私は『七箇条』のうち、特に七条めが好きですね。
酒を飲んでいるときに明日のことなんて考えるな!今日という日をかみしめ、しっかり、充分に飲む・・・・まさにこれですねぇ、今日はまだ充分じゃないかな?



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4 コメント

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このアルバム、、好きです。 (すずっく)
2006-11-14 18:31:34
時々、、聴きたくなります。。
LPなので、、ちょっと、大事にかけてます。。

と、、私も、、、7番目、、いいな。
これを、、ジャズのアルバムの聴き方に置き換えちゃおうかなぁ~。
と、、駄目、、、
結構、、意味無く、、だらだら、、聴くのが好きなので。。
何も考えず、、だらだら。。。
そうやって、、人生が、、、終わっていく。。。

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すずっくさん (バブ)
2006-11-14 20:10:58
もちろん私のところもLPです。
久しぶりに聴いてみると、悪くないんですよねぇ
やっぱり、私が敬遠しているのは、たんに嫉妬心がトラウマになっているだけかもしれませんね。(笑)

ところで、この『七箇条』なかなかいいでしょ
なるほど、ジャズ・アルバムの聴き方にねぇ
ぜひとも、お試しください。
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Unknown (monaka)
2006-11-14 20:19:22
バブさん、こんばんは、monakaです。
このアルバムが出た時の、私にとって驚きは凄いものでした。それまで聴いていたピアノは歴史に載って聴く感じでしたが、ここで切り替わった感じを受けました。純真な青年は、ピアノをやっていた友人の姉上にこうゆうのをやったらどうですかと持ち込んで、こまらせた思い出があります。
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monakaさん (バブ)
2006-11-14 20:30:33
私がジャズ喫茶でバイトをしていた頃、キース・ジャレットは人気があったんですよ(特にソロが)。
私があまり聴かなくなったのは、その反動なんです。

ほら、人が好きだというと、好み云々の前に反発しちゃうみたいな、一つの反抗期ですね(笑)

もう、この年で反抗期もないでしょうから、改めていろいろ聴き直そうと思っています。
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