JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ジャズ通ブリッコはいらぬ

2010年02月21日 | p-r

最近、土曜日のMさんのお店には、お弁当持参で手伝いに行っている私。昨日も事務所でお弁当を食べながらマッタリとデューク・ジョーダンの「危険な関係のブルース(NO PROBLEM)」なんぞをPCで聴いておりますと、
「なんだかレストランにいるみたい」
と、たまたま事務所に入ってきた高校生アルバイトの女の子がそう言うんです。
「レストラン????」
最近のレストランじゃデューク・ジョーダンなんか流すんでしょうか?
『レストランで食事をするくらいなら、縄のれんで一杯』という主義を貫き始めてはやウン十年、ファミリーレストランですらご無沙汰の私には現状がまったく分かりませんが、おそらくは、ピアノ曲ならそれがジャズだろうとクラシックだろうと彼女にとっては同じように聞こえたという事じゃないかと勝手に理解しました。

我が娘より年下の女の子には、すでに「ジェネレーション・ギャップを感じる」なんてことすら考えないほどジェネレーションにギャップがあるわけですけど(笑)、レストランはともかくラーメン屋から居酒屋までも、最近はジャズをBGMに使っているお店が多いことはたしかですし、それがジャズだの何だのとあまり意識もしないあたりまえのもののようになっているのもたしかです。
これってジャズにとっては良い傾向なんでしょう・・・ね?

私が始めてラーメン屋でジャズを聴いたときには、
「おお、誰それの何々がかかってるよぉ」
と、曲がかわるたびに解説しちゃったりして、じつに同行者に迷惑をかけました。これぞまさに『いらぬジャズ通ブリッコ』ってヤツでして、最も嫌われる行為ですし、おおむねそういうヤツに限ってジャズを知らないものであります。(つまり私がそれであったということですが。笑)

昔、我が田舎には、朝の7か8時ぐらいから店を開けているジャズ喫茶がありまして(といっても、いわゆる大音量で聴かせるタイプのお店ではありませんでしたけどね)、授業をエスケープするときには、そこでモーニングを食べ、11時近くになったらバイト先のジャズ喫茶へ向かうというパターンでありました。

そのお店は、明るい店内、たしか食事もそこそこ楽しめたはずですから、考えてみると画期的なジャズ喫茶でしたねぇ。
それで、ふと思ったのですが、早朝7、8時に、あの店ではいったい何をターンテーブルに乗せてたんだろうって事なんです。

モーニングを食べながら聴くジャズ・・・・・これはひじょうに難しい選曲ですよねぇ、思い出すのはジム・ホールの「CONCIERTO」や、レイ・ブライアントのプレスティッジ盤「RAY BRYANT TRIO」、バリー・ハリスの「AT THE JAZZ WORKSHOP」・・・・・・・そうそうバイトの女の子じゃありませんが、デューク・ジョーダンの「FLIGHT TO DENMARK」もながれていたような気がします。
でも、正直よく覚えてないんです。

それは何故か、つまりそれは「さぁ聴くぞう!」といった意気込みで聴いていなかったこと、そして店側も「聴かせるぞう!」という構えが無かったからではないでしょうか。
それでも、BGM風に流れるジャズは、明るい店内でモーニングを楽しむ穏やかな朝の雰囲気をじゅうぶんに演出してくれる音楽であったのでしょう。(もちろん、学校をサボっている高校生が味わう楽しみではありませんが)
それもまたジャズの楽しみ方なんでありまして、それ故、あの店はそれなりに流行っていたんだと思います。なにも悲壮感すら漂わせる顔をして必至に頭を振りながら聴くのばかりがジャズじゃないですから。

だとすれば、ラーメンすすりながら聴くジャズもアリだし、「ピアノ曲ならそれがジャズだろうとクラシックだろうと彼女にとっては同じように聞こえた」でも良いんですよね。
願わくば「そこでCDまで買ってでも聴いてみたい曲に出会った」みたいなことがあればなおよろしいんですけど・・・・・
イカンイカン、すぐそういう事を言う。なにごとジャズを難しくしているのは『いらぬジャズ通ブリッコ』なんであります。

今日、エリック・ドルフィーの「LAST DATE」を頭フリフリ聴いた後に、冷たくなった珈琲を飲みながらそんなことを思った私でした、とさ。

ということで、今週も『料理当番、本日の一品』のお時間がやってまいりました。(笑)

今週のメインはこちら、鯖の味噌煮です。
「これで日本酒を一杯、たまりませんな。」
てなちょうしで作ってたんですが、
「さっきテレビでお好み焼き食べてるみたら、食べたくなっちゃった」
との突然のリクエスト、そこでもう一品。

材料がなかったので、キャベツと干しエビだけを入れた「お好み焼きもどき」になってしまいましたが、私の大好きなトマトベーコンとともにビールのつまみには最適でした。

さて、今日の一枚は、"ビッグ"ジョン・パットンです。
またしてもブルーノート、オルガン奏者のリーダー・アルバムであり、またまたブルー・ミッチェル登場という、昨日のまさに続きといった感じですが、もちろん中身はまた違った味わいがあります。

パットンが最も敬愛し影響を受けたと言っていたのは、ウイントン・ケリーでありましたが、パットンのオルガンにはたしかにその傾向が感じ取れるように思いますし、昨日のフレディ・ローチとの違いは、ブルーノートに残るアルバムを聴くと、「ALONG CAME JOHN」からその方向性を変えることが無かった事のように思います。
つまりそれは安定感であり、パットン、グリーン、ディクソンが、ブルーノートのハウス・オルガン・トリオ的存在になった要因ではなかったのでしょうか。
しかし逆にいえば、例えば「ALONG CAME JOHN」を聴くだけで、パットン自身の演奏はもう充分てな事も言えなくもないかも・・・・・

いや、そんなことはありません。
そんな安定感バツグンのオルガン・トリオであるからこそ、どんなフロントが立つのかが問題なんでして、ブルー・ミッチェル、ハロルド・ビック、よろしいんじゃないでしょうか。

OH BABY ! / JOHN PATTON
1965年3月8日録音
JOHN PATTON(org) BLUE MITCHELL(tp) HAROLD VICK(ts) GRANT GREEN (g) BEN DIXON(ds)

1.FAT JUDY
2.OH BABY
3.EACH TIME
4.ONE TO TWELVE
5.NIGHT FLIGHT
6.GOOD JUICE



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