JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

会いたくないよねぇ

2010年08月21日 | a-c

昨日一昨日と少し過ごしやすい日が続き、いつあの恐ろしいまでの暑さが戻ってくるのかドキドキしておりますが、今日もいくぶん蒸し暑いもののそこそこの気温でホッとしています。

今日の朝日新聞土曜版beの『beランキング』は「いちばん会いたくないお化け」というものでした。

堂々の第一位は『口裂け女』。「私、きれい?」「・・・・これでもぉぉぉぉぉ」ってあれですね。
あの噂が全国で大騒ぎを起こしたのは何年前(何十年ですよね。笑)だったでしょう?たしか警察が出動する騒ぎまであったように記憶しています。
今回の『beランキング』では、当時、小学生や幼児だった方がリアルタイムで恐怖を感じた事が原因だろうと、この一位を分析しております。

いずれ、「現実にはどれにも会わないだろう」と言ってしまえばこの話も終わりになってしまうのですが、
私が最も身近に感じる恐ろしい話と言えば・・・・・
えっ?どうせ女かかみさんの話だろうって?
たしかにそれも・・・・・じゃなくて、ぞくに『○○憑き』ってヤツでありまして

あれももう何十年も前のこと、といっても私はすでに勤め人で、当時週に4日は顔を出すだろうという行きつけの喫茶店がありました。
マスターは70年代安保の戦士、穏和で優しい一方で、主義を貫く頑固者でもありました。
私とはへんに気が合ったのでしょうか、酒も無しに数時間話すのもいつものことで、その日も仕事帰りに立ち寄り、二時間ほどいつもと変わらぬたわいもない会話を楽しんで帰宅しました。

すると翌早朝のことです。そのマスターからの電話でたたき起こされたのです。(自宅に電話をよこすことなどまず無かったのですよ。)
「バブ君、銀行まで行って欲しいんだけど」
「銀行?????」
早朝に銀行って・・・・しかも、私にお使いを頼むなんて事をする人じゃないんでありまして・・・・・それでも、変な緊張感というか、切迫感というか、そんなものを感じた私は、急ぎ車でマスターの自宅に向かいました。

玄関のチャイムを鳴らすと、出てきたのは年老いたマスターのお母様
「あのう、朝早くにすみません。マスターから急いで来て欲しいと電話をもらったもので・・・・・」
ところが、マスターは不在、じつは大きな事件を起こしておりました。
「どうしちゃったのか、踏切で電車を止めそうになって・・・・・今お父さんと帰ってくるとは思うんだけど・・・・」

自殺でもしようと思ったのか、それとも他に理由があったのか、マスターは踏切に侵入して電車を止めようとしたらしいのです。
お父さんが警察に向かい、大きな事故にならなかったこともあって、とりあえずは一度自宅に戻ってくるというところでした。
(「マスターはいったいどこから私に電話したんだろ?」)

私は帰ろうと思いましたが、動揺するお母様をそのままにすることも出来ず、けっきょく二人が戻るまで、その場で呆然としていました。

「マスター、どうしたのぉ?」
と、帰ってきたマスターに声をかけたその時です。
違うんです、マスターの顔が、全く違うんです、いつもの顔と・・・・前日会ったばかりのマスターが、たかだか一晩過ぎただけで、目はつり上がり、瞳は異様な光を放ち、頬はこけ・・・・ともかく、同じ人とは思えないほど変わっていました。

すると、私の問いにはなにも答えようとせず、ポケットから一枚のメモと千円札一枚を取り出して、
「銀行で振り込んで」
「???????」
たかだか千円の振り込みを頼むために、早朝、それもおそらくは警察署から私に電話をかけてきたのです。

その後、喫茶店は廃業し、マスターは入院ということになりましたが、大きな借金があったわけでもなく、私生活でも問題を抱えていた形跡も無し、ただ、後でわかったことですけど、前日、私が帰った後にお店に行った常連さんの話によれば、なにやら見たことのない中年の女性とみょうに真剣に話をしていたらしく、彼はまったく相手にしてもらえなかったという事があったそうです。
マスターのお兄さんや常連客がその女性の正体を突き止めようとしたものの、その時何を話していたのか、何処の誰だったのかはついに分からずじまいでした。

それまで私は『○○憑き』なんてぇものは、全く信じておりませんでした。しかし、一夜にして変貌したマスターの顔を見たとき、「これこそ『○○憑き』だ」と確信しました。そして、その原因がもしその謎の女性だとすれば、たかだか数時間で人一人の人生を崩壊させてしまう、まさに彼女こそ恐ろしい妖怪であったのではないかと・・・・・・・・・

「いちばん会いたくないお化け」、私があげるとすれば、彼女以外にありません。

さて、今日の一枚は、オーネット・コールマンです。
私はどこか彼の音を、それほど得意としないと言う話は、以前もしたかと思います。
それでも、「THE SHAPE OF JAZZ TO COME」「CHANGE OF THE CENTURY」そして今日のこのアルバム、「FREE JAZZ」直前までのアトランタ盤は、嫌いじゃありません。いや、むしろ好きなんでしょうねぇ、けっこう聴くんですよ。(笑)

考えてみれば、ファイブ・スポットで観客をアッと言わせていた自信とエネルギーに満ちた、その勢いが伝わってくるからかもしれません。
ひょっとしてこの時期の彼には、何かが憑いてたのかぁ?????

ちなみに
「「POISE」のドン・チェリーのソロも好き!」
いちおう言わせていただきました。(笑)

THIS IS OUR MUSIC / ORNETTE COLEMAN
1960年7月19,26日, 8月2日録音
ORNETTE COLEMAN(as) DON CHERRY(tp) CHARLIE HADEN(b) ED BLACKWELL(ds)

1.BLUES CONNOTATION
2.BEEAUTY IS A RARE THING
3.KALEIDOSCOPE
4.EMBRACEABLE YOU
5.POISE
6.HUMPTY DUMPTY
7.FOLK TALE



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