ガリバー通信

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「くも膜下出血」高い死亡率。

2010年04月07日 | プロスポーツ
 プロ野球界の「きむたく」こと、巨人の木村拓也コーチが37歳の若さで帰らぬ人となってしまったニュースは、スポーツ界のみならず、びっくりした人が多いだろう。

 今までもよく有名人の死亡ニュースなどでも「くも膜下出血」による死亡といった記事やニュースを見たり、聴いたりしたことはあるのだが、こんなに若くして「くも膜下出血」で突然の如く亡くなった例は、あまり記憶に無い。

 木村拓也氏は、昨年で現役を引退し、今年から巨人軍の内野守備走塁コーチとしてデビューしたばかりで、今月2日の広島球場での試合前の練習中に、突然ノックバットを持ったまま、ホームベース付近で倒れ、選手や関係者が異常に気づいて、応急処置をした後、広島市内の病院に搬送され、「くも膜下出血」と診断され、意識不明の状態が続いていたのだが、7日朝に死亡した。

 木村拓也選手は、1991年にドラフト外で日本ハムに捕手として入団し、翌年から外野手に転向、94年オフに広島カープに移籍して頭角をあらわし、投手以外のポジションを全てこなすというユーティリティプレーヤーとして名を馳せ、昨年も巨人軍で捕手が足らなくなった時には、10年ぶりにマスクを被って、巨人軍の危機を凌いだことでも有名であった。

 2004年にはアテネ五輪の野球ニッポン代表チームにも選考され活躍したり、ともかく器用で技巧的なバッティングと守備の華麗さはずば抜けた「いぶし銀」の選手だったのである。

 私は、阪神ファンの一人として、広島カープ時代も巨人に移籍してからも、敵ながらあっぱれと思える選手の一人であり、「キム拓」と言われても恥ずかしくない「かっこいい男」であると思っていた。

 そんな努力と練習の成果としての野球技術とカン、そしてチームプレイとしての守備、走塁、打撃などを、これから若い選手たちに指導、伝達していくためのコーチに就任したばかりの数ヶ月経った、シーズン開幕直後の悲劇は、全く想像も出来ない筋書きとなってしまったのである。

 そもそも、「クモ膜下出血」とは、日本では年間14000人もの人が命を落としている病気で、脳の表面を走る動脈に出来たこぶ、「動脈瘤」が血管の内側からの圧力で少しつづ膨らんだ末に破裂し、脳とクモ膜の間に出血するという症状なのだそうだ。

 脳血管に小さな血の塊がつまる「脳梗塞」や、脳内で血管が破れる脳出血に比べ、発症者は少ないが、死亡する割合は3~5割と非常に多く、高血圧や持病のある人、喫煙者などに発症の確率が高く、スポーツも一時的に血圧が高まるために、動脈瘤破裂の引き金を引く心配があるとされている。

 埼玉医大国際医療センター脳神経外科の石原正一郎教授は、「脳動脈瘤があれば、30代でも破裂してもおかしくない」と話しておられた。

 クモ膜とは、頭骸骨の下にある硬膜の下にあり、その下の軟膜とを隔てている膜で、脳の栄養血管が走り、保護液でもある脳脊髄液も循環しているところで、大変重要な命の源流が流れる大切な場所なんですね。
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