ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

世界のトヨタの減産。

2008年07月16日 | テレビマスコミ
 日本最大、世界でも屈指の自動車メーカー、トヨタ自動車が今年度下半期の売り上げ台数目標を下方修正するというニュースが伝わっている。

 ここ数年、アメリカの大手自動車メーカーの不振を尻目に、アメリカ市場だけでなく世界的な市場での売り上げ台数を年毎に更新し、総売上高も20兆円を超え、経常利益もわが国の企業としてはダントツのトップである1兆円をはるかに超す「大優良企業」であるトヨタ自動車でさえ、売り上げ目標を下方修正せざるを得ない頂点がやってきたことになる。

 それでも全世界での売り上げ台数わ、985万台から35万台減産しつつも、アメリカ市場での売り上げ減を20万台と見込んで、今後はブラジルに新工場を建設し、南アメリカ、アジア、アフリカなどでの販売攻勢で盛り返すとの戦略だと言う。

 世界的な原油価格の高騰と共に、地球温暖化抑制問題の課題から、どうしても自動車業界は、低燃費の小型車と電気自動車などを併用したハイブリットカーの需要が増すことは間違いなく、トヨタもプリウスなどの生産強化と小型車の増産へとシフト替えを迫られるようである。

 それにしても世界のトヨタ自動車が軌道修正せざるを得ないほど、アメリカ経済は冷え込んでいるようで、プライムローンの焦げ付きに端を発した経済の挫折は、投機筋の原油への投資という形で、とんでもない原油価格の高騰を招き、ここ2年で原油価格が一バレル50ドル強からなんと150ドルを越える勢いとなっていて、日本での一リットルあたりのガソリン価格も、すでに180円前後になっているが、220円もありうると言われている。

 こんなガソリン高騰を誰が予想したであろうか。

 今春のガソリン価格問題は、道路特定財源を含んだガソリン代を一リットル当たり、約25円安くするか否かで大論争となっていて、確かに4月一ヶ月だけは、なんとガソリン代が1リットル125円になったと喜んだのもつかの間、5月、6月、7月と高騰の一途をたどった現実を政治家も経済評論家も予測できなかった。

 そんな世界的状況の中でも、企業は常に右肩上がりの増産や増収を見込んだ経済戦略を続けなければならないのか。

 日本の人口も頭打ちし、少子高齢化が進む現代において、いくら世界的成長を遂げたトヨタ自動車だとはいえ、永遠に肥大化することなどあり得ないのである。

 もういい加減に、日本の企業も適切な企業規模をわきまえて、世界経済の一躍を担うのは期待するが、環境問題も含めて適切な処方と共に、増産や増殖をストップさせる英知も必要ではないだろうか。

 それでなくても、トヨタの影や闇と言った感じの、トヨタの肥大化に伴う悲惨な労災や利益競争での戦いの敗北者などの裏話が絶えない昨今である。

 どうか、この危機を機会に、世界に君臨する良識ある日本の企業に立ち返ってもらいたいものである。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする