ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

薬害肝炎和解へ。

2008年07月14日 | 感じたこと
 薬害C型肝炎訴訟の被告企業である、田辺三菱製薬、つまり元の「ミドリ十字」が、全国原告団が示していた、和解の基本合意案を全面的に受け入れる姿勢をはじめて示していることが判明し、やっと原告団の願いがほぼ叶うことになりそうになった。

 長い戦いであったが、国と企業の責任が問われた裁判としては、薬害エイズに次ぐ画期的な「和解」がやっと成立することになり、言い知れぬ闘病生活を強いられた患者の皆さんたちの、せめてもの救済と共に、責任と謝罪が明確に示されて、感染者418人のリスト問題も明記されて、今後の再発防止や被害者、遺族に対する誠意ある対応が期待される内容となっている。

 こうした「薬剤」による発病などあってはならないことなのだが、国と厚生労働省の怠慢や危険性の指摘などから、すばやく企業に使用禁止命令などを出すなどの行政の対応の遅れと共に、企業の利益優先の「薬事問題」など、背景には多くの問題が今後も山積している。

 エイズも肝炎もいずれも、今は無き「ミドリ十字」という薬品会社が販売、取り扱っていた薬、つまり肝炎に関しては、ファブリノゲンと称する薬品がもたらした、とんでもないC型肝炎への感染だったわけで、信用して薬を投与した患者たちが、不治の病や死に至る結果になったことは、犯罪的行為として断罪されるべきである。

 その背景に国のいい加減な「薬事行政」があることは間違いなく、今後もこのような類似した「薬事犯罪」が起こる可能性を否定できないのは、日本の現実であり、企業の利益追求を優先させた姿勢そのものに問題があるのだ。

 あのエイズ感染に関しての国と医者、帝京大学の学長までやった老医師の姿が記憶にまだ新しいが、裁判において裁かれる前に他界されてしまったのだが、その犯罪的行為を反省もせず、最後まで「正しさ」と共に自己主張を繰り返されていた醜い「人間性」を忘れることは出来ない。

 今回の薬害肝炎訴訟でも、被告として訴えられた国と製薬会社以外にも、断罪されるべき学者や関係者、官僚がたくさん存在すると思うのだが、こうした裁判による決着で、水に流されてしまうことなく、関係者たちの猛省を求めるものである。

 今後も多種多様な難病や感染症が、この地球には増えたり、増殖する可能性が高いのだが、薬品開発を含み、人体実験ではなく、臨床的プロパーが長年に渡って立証したものや、国際的評価と実績のあるものを率先して用いる患者優先の思考は必要だが、それに伴うリスクをも十分検討されるべき、重大な課題が山積している。

 人類とウイルス、感染症との戦いは、今後も地球上に続く戦いとして永遠に残るだろうが、人類の英知と科学的立証を繰り返して、二度と悲しい過ちをしないようにと、切に望むものである。

 薬害肝炎の患者の皆さんに少しの光がさしたことを喜びたいと思います。
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