ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

いつまでもあると思うな。

2006年11月20日 | 日本の課題
 「早や今年も残りわずか」とテレビや新聞の報道やコマーシャルを通じて、何とも忙しない年の暮れを感じさせられることが、年々早まっている様に感じるのは私だけではあるまい。
 
 今週の23日は「勤労感謝の日」であることなど、殆どの人たちは知らぬ存ぜずで「休日」をどう楽しむかの計画や夢で、頭の中はいっぱいなのかも知れない。

 早や初冬を感じる気候にはなりつつあるが、秋の収穫の喜びや感謝も、この祝日に思いを巡らせたりする機会ではないだろうか。

 つい一ヶ月ほど前までは、タワワに実って頭を垂れる稲穂が風に揺れる様を見ながら、子どもや孫にも「お百姓さんの苦労や努力」があって「お米」が収穫されることを語ったり、見ながら教えられた方も少なからずおられただろう。

 しかし日本の食の現状は、ほんとうは大変な状況に陥っていることもご存知ではないだろうか。

 日本人の人口は、昨年をピークに減少傾向に入ったとは言え、1億2600万人であり、毎日の三度の食を満たすための食料は、何と6割が諸外国からの輸入に頼らざるを得ない状況になっているのである。

 いわゆる食料の自給率が先進国と呼ばれる国々の中では、最低の40パーセントであり、ここ数年何とかキープしているものの、それを支える農業者が360万人と漁業者が24万人で、その他の酪農関係者を加えても約400万人、人口の約3%に過ぎず、しかもその内の2分の3は60歳以上の高齢者である。

 政府をはじめ各都道府県並びに地方自治体行政が、思い切った施策で支援策を打ち出さない限り、年々益々食の生産に直接関わる労働者が減少していくことは必至で、日本の農と食は危機的状況に陥っていく。

 若い労働者も中高年の働き手も、もはや土や水と気候に左右されやすい農業や漁業に従事することは不人気で、アジアや欧米を中心とする農業、食生産国の輸出する「商品」としての「食」を買い続ける状態では、いずれ国際貿易としてのバランスが崩れてストップすることもあり得るし、国内の生産者は価格競争で仕事にならなくなることもある。

 また、外国からの輸入品の農薬やポストハーベスト問題や加工品の防腐剤などの添加物など、「食品の体裁」をなしていても「動物の餌」に近い「商品」としての食品が増加する傾向が強くなり、決して健康で長生きする日本人の食としては好ましいものばかりではなくなるのだ。

 やはり、毎日の食事に供される「食品」は、出来る限り国内で生産されたり、獲られた物を主に、一部外国産でしか得られない食品は止む得ないが、食の中心である、米、小麦、大豆、野菜、魚、肉、卵、牛乳などの生産計画とと消費の国内的供受給のバランスを想定した、農業生産支援と経済性を、政府、農林水産、経済産業、厚生労働各省が協力して、真剣に研究する必要がある。

 お正月の「お節料理」に並ぶ食品が、輸入品ばっかりにならない様に、ここ数年が施策の肝心な年になる。
コメント (1)
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