ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

「サッちゃん」

2006年11月01日 | 季節の話題
 大阪市阿倍野区阪南町にある、日本キリスト教団・南大阪教会の一角に先日、作家兼作詞家であった、故阪田寛夫さん作詞による、有名な童謡「サッちゃん」の碑が出来たことを知った。

 この南大阪教会というのは、我が妻の卒園した幼稚園でもあり、若い頃同幼稚園で先生もしていた場所で、私も高校生二年生から大学時代に数年通った教会なので、とっても親しみ深く「阪田寛夫」さんの話を聞いたこともある。

 それにしても、あの「サッちゃん」という名曲を生んだ地でもあることを再び確認して、この「サッちゃん」の歌詞に纏わるエピソードも聞いた。

 「阪田寛夫さん」作詞による「サッちゃん」は、誰もが知る名曲であり、作曲された大中恩さんとの共同作品ではあるが、「さちこ」と言う名のかわいい女の子との初恋の様な作品でもある。

 歌詞で一番、二番は有名でよく歌われるのでご存知の方も多いと思われるが、下記の如くである。

 1、サッちゃんはね、サチコっていうんだ ほんとはね
   だけど ちっちゃいから じぶんのこと サッちゃんて よぶんだよ
   おかしいな サッちゃん
 2、サッちゃんはね、バナナがだいすき ほんとだよ 
   だけど ちっちゃいから バナナをはんぶんしか たべられないの  
   かわいそうね サッちゃん
 
 この二番までの歌詞は誰でも口づさめるのだけれど、何故か3番の歌詞をちゃんと歌える人は少ないのではないだろうか。

 3、サッちゃんはね、とおくへいっちゃうって ほんとかな  
   だけど ちっちゃいから ぼくのことわすれてしまうだろ  
   さびしいな サッちゃん

 こんな切ない幼い頃の「初恋」のような歌詞があったのである。

 たぶん阪田寛夫さんも幼い頃、この南大阪幼稚園の中で、かわいい女の子を見つけて淡い恋心が目覚めていたのではないだろうか。

 この歌のモデルになった女の子がいたことは確からしいのである。

 実は私が30年ほど前、みなみらんぼうさんのマネージメントをしていた頃、NHKのみんなの歌に提供する童謡の曲の依頼を受けて、「サッちゃん」の様な曲がいいのではとアドバイスしたことがあった。

 「山口さんちのツトム君」というヒット曲が生まれたのだが、よくよく考えてみると、この山口さんちのツトム君にも、ちょっとお姉さんの近くの「ゆみちゃん」という女の子がいたことになっている。

 どちらの作品も、遠くへ行っちゃう「サッちゃん」と、ママが田舎に帰っていたので寂しげなツトム君を気遣う「ゆみちゃん」、主人公の幼い少年の心にある寂しさを詩にしている共通項があったのである。

 童謡とは言え、人間の寂しさ、切ない恋心の芽生えが描かれていたのである。

 阪田寛夫さんの作品には他に、「あさいちばんはやいのは」、「大きな栗の木の下の2、3番」「おなかがへるうた」「ねこふんじゃった、1番」もあるが、私は中学生が卒業式で歌った「さよなら友よ」(黒沢吉徳作曲)がとっても感動した曲である。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする