久々のNHKホール。キャパ3000人のホールは国際フォーラムや武道館やドームに慣れた目から見るととてもコンパクトに感じる。矢野顕子×上原ひろみ「今年は2人でさとがえるツアー~Get Together~」。最近、昭和女子大学人見記念講堂でライヴ・レコーディングされたデュオCD「Get Together-LIVE IN TOKYO」をリリースしたばかりのふたりのデュオとして初の全国ツアーである。CDもリリカルなピアニズムと愛くるしい矢野さんのヴォーカルが素晴らしい作品だったが、こうして生で共演を観るとふたりの絶妙なコンビネーションと音楽を奏でる喜びがダイレクトに伝わって来てとても幸せな気持ちになる。ふたりともニューヨーク在住だから普段から親しく交流しているという。そんな飾らない雰囲気が音楽の魔法に満ちた時間を産み出す。MCではアメリカ産のケープコッド・ポテトチップスの話や青森に行って真っ先にラーメンを食べに行った話など食べ物の話に終始する。観ているこちらもお腹が空いてくる。ひろみちゃんの演奏を観るのは1年ぶりだったが、自分のリーダーバンドの時の緊張感とは違い、リラックスした演奏がとても新鮮だった。
Set List
1 そこのアイロンに告ぐ
2 Evacuation Plan
3 ずいずいThings (ずいずいずっころばし~My Favorite Things)
4 Cape Cod Chips - LIVE IN TOKYO -
5 Lean On Me
6 Deja vu
7 学べよ
(休憩)
8 (Akiko Solo)
9 (Akiko Solo)
10 (Hiromi Solo)
11 月と太陽
12 Children In the Summer
13 りんご祭り(リンゴの木陰で~リンゴの唄)
EC1 ラーメンたべたい
EC2 グリーン・ティー・ファーム
最後が主催者のfancy num num。リズムマシーンを使った女性トリオ。ライヴを観るのは2回目。前回観た時次第にトランスしていく演奏に心奪われた覚えがある。Roland MC-303による四つ打ビートにグヤトーン製ビザール・ギターとベース、キーボード、テレミンによるチープなサウンド、そして昭和歌謡の香り漂うヴォーカルが相まって独自の酩酊感を醸し出す。"スーサイドmeets浅川マキ"とでも形容したいサウンドである。しかし此処でも私は異常な睡魔に襲われ後半は全く覚えていない。面目ない。
NHK FM「LIVE BEAT」の公開録音の入場券が当たった。出演は女の子メインのバンド3組。ふれあいホールはキャパ280人の座席のあるちゃんとしたホール。NHKのイベントだからか観客の年齢層が高めなのが面白い。ロックなんか聴きそうにない初老のおじさんおばさんも多い。前説でラジオの収録だから、ということで拍手の練習があった。
最後が高知出身の4人組宇宙人。地元でのライヴ活動もなく音源も未発表だったにも拘わらずFUJI ROCK 2010に出演したという謎のバンドだ。もちろん観るのは初めて。女性ヴォーカルと男性g,b,dsの4人組。サウンド的には抒情的な相対性理論といった風情でバンド名に相応しいスペーシーな電子音を交えたギター・サウンドが心地よい。いや実際心地よすぎて後半はぐっすり眠ってしまった(汗)。