funcy numnum presents "La LIVE"。出演はfancy numnum/川口雅巳ニューロックシンジケイト/dhidalah/Hair Stylistics(中原昌也)。数日前に中原氏がツイッターで「もうライヴはやらないことにする」と宣言したため、この日も出演キャンセルか、と主催者を慌てさせたという。
開演前に中原氏に話を聞くと、最近ギャラが以上に安いライヴが続き、自宅では機材置き場がパンクし玄関からはみ出し隣人との間にトラブルが絶えないという状況に神経症気味で、つくづく嫌気がさしたとのこと。「これからはライヴの仕事も選ぶ。ある程度のギャラの仕事しか受けない」ということらしく、ライヴ中止宣言ではないのでファンの方はご心配なく。でも文筆業にも戻る気がないようだしどうやって暮らして行くのだろう。心配ではある。
さて肝心のライヴだがお客が少なくステージ脇のソファに座ってゆっくり観れた。最初はdhidalah。インストのギター・トリオで蝉を思わせる轟音サイケ演奏。しかしお酒が効いたのか(実は昼間別件でウイスキーを飲んだ)ソファの心地よさに負けたのか後半ウトウトしてしまい余り覚えていない。動画を撮るのも忘れてしまった。
2番目は川口雅巳ニューロックシンジケイト。メンバーは川口氏vo.g、菊地明氏b、キヤス氏ds。観るたびにカッコ良くなっていくトリオ。特に川口氏の蛇行するようにうねるサイケなギターとキヤス氏のパワー・ドラムが凄い。川口氏の個性的なヴォーカルを受け入れられるかどうかで好みが分かれる所だが、私はみみのこと以来の川口ヴォーカルのファンなのでこのトリオには大きな期待をしている。それにしても川口氏はlos doroncos、小杉淳氏とのバンド、それ以外にも様々なユニット/セッションに参加していて超多忙である。海外ツアーも積極的に行っている。今後のますますの活躍に期待したい。
3番目がヘアスタ=中原昌也氏。彼のライヴを観るのは2ヶ月ぶりくらいになる。心持ちいつもより少なめの機材で轟音ノイズを放出する。本人があとで言うにはもう少し低音を出したかったとのことだが聴いている分には問題ないサウンドだった。こういう電子音の爆音演奏を聴くとそのライヴハウスの音響設備の善し悪しが分かる。その点UFO Clubは素晴らしい音だ。30分足らずの短い演奏だったが駆け抜けるようなスピード感が爽快だった。
最後が主催者のfancy num num。リズムマシーンを使った女性トリオ。ライヴを観るのは2回目。前回観た時次第にトランスしていく演奏に心奪われた覚えがある。Roland MC-303による四つ打ビートにグヤトーン製ビザール・ギターとベース、キーボード、テレミンによるチープなサウンド、そして昭和歌謡の香り漂うヴォーカルが相まって独自の酩酊感を醸し出す。"スーサイドmeets浅川マキ"とでも形容したいサウンドである。しかし此処でも私は異常な睡魔に襲われ後半は全く覚えていない。面目ない。
動員は厳しかったが個性的なバンド揃いのいいイベントだった。外へ出たら月食で月が半分になっていた。
ライヴする
それも厳しい
音楽界
中原氏を励ますいい方法はないだろうか。