A Challenge To Fate

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Hair Stylistics/空間現代/2 MUCH CREW/TADZIO@六本木 Super Deluxe 2012.6.4 (mon)

2012年06月06日 01時31分04秒 | 素晴らしき変態音楽


中原昌也 お誕生会@Super Deluxe。
2月21日坂田さん、5月3日灰野さんと並ぶアングラ3大誕生日(?)の6月4日中原氏の誕生日イベントが今年も六本木SDLXで開催された。昨年はキノコホテルの実演会と被って観られなかったが、毎年中原氏お気に入りのアーティストを迎えて開催されるパーティである。今年は何度か対バン経験のある若手オルタナティヴ・ロック・バンド空間現代との共演を目玉に、ヒップホップの2 MUCH CREW、そしてデビュー前から中原氏が可愛がっているキューティー・ハードコア・デュオTADZIOが出演。

この日のSDLXの客席のセッティングはステージ前はスタンディングで左右にテーブルと椅子が置いてある。中原氏に「今日は椅子がないんだね~」とぼやくと「勝手に動かしちゃっていいですよ」と言うので、一脚ステージ前のテーブルの横に運んで座って観戦を決め込む。最初はガラガラだったが徐々に観客が増えてくる。30代中心で男女比は7:3。ミュージシャン仲間も多いようで気の置けない和やかな雰囲気。しかし!連中やけにタバコを吸いやがる。灰野さんや坂田さんの禁煙ライヴに慣れ切った身体にはちとキツい。テーブル横に座っているとモロにタバコの煙の攻撃を受けるので、結局立ってタバコを避けて流浪する羽目になった。

最初はHair Stylisticsのソロ。故障してたのが修理出来て今年から再び使い始めたEMSシンセ、膨大なエフェクター群、さらにエレキ・ギターがテーブルの上に寝かして置いてある。左右のアンプのスイッチを入れるといきなり大音量のハーシュ・ノイズが迸る。今年に入ってから4回目のヘアスタだが前3回はギャラリーでの演奏だったので、ちゃんとしたライヴハウスで中原氏の轟音ノイズを聴くのは半年ぶり。ゴーッという通奏ノイズの上に踊るような電子音やE-Bowを使ったギターのロングトーンが舞うユーモア感覚溢れるエレクトロ・ワールドはいつもながら楽しい。



30分程経ったところで空間現代のメンバー3人が登場。ダッ、ダダン、ダン、という断続的なリズムで名前通り空間を切り刻むような演奏を始める。彼らは何度か観たことがあるが、他のバンドにはないユニークな個性を感じたものの、いわゆる音響派特有の無機質な感触に今ひとつ入り込めなかった。しかしこの日の演奏はとても良かった。それはヘアスタとの共演のせいもあるだろうが、彼ら自身がより柔軟に変化してきた故である。メイヨ・トンプソンがギャング・オブ・フォーをバックに図形譜面を演奏しているような畸形のオルタナ感覚。実際、ギターの野口氏の裏声の歌はメイヨそっくりの脱力感が溢れており、演奏のシャープネスと好対照を成す。その立体的な音塊の中を縦横に泳ぎ回るヘアスタの電子音。スプーキー・トゥースとピエール・アンリの共演を極端に鋭角的にした世界だった。



セットチェンジの間はDJプレイ。いい感じのインダストリアル・ミュージックがかかっていたと思ったら突然ロキシー・ミュージックのダンス・リミックス、そして80年代ニューウェイヴの12インチ・ヴァージョンに雪崩れ込む。DJブースを見ると中原氏が回してした。なかなかナイスな選曲で観客も大ノリ。

続いて2 MUCH CREW。ラッパーふたり+3人のプレイヤーの5人組で2009年のお誕生会にも参加していた中原氏お気に入りのハードコア・ヒップホップ・ユニットである。毎回演奏形態を変えているようで、この日もバックの3人全員で電子楽器を弄ったり、生楽器を演奏したり、不定形なスタイルを見せる。ラップは中原氏の誕生日のことや自虐ネタで面白い。音楽的に論じることが阿呆臭くなる弾けたパーティ・バンドだ。



最後がTADZIO。彼女たちを観るのは1月末のギターウルフ、Bo Ningen等とのイベント以来だから4ヶ月ぶり。久々に会うリーダーと部長は相変わらず可愛くて、リーダーの衣装は背中が大きく開いていてセクシー。いつもながらドキドキしてしまう。2010年9月に中原氏の絵本「IQ84以下」出版記念イベントで初めて人前で演奏、しかもトリ、という衝撃的なデビューをした(当時の表記はTAZIO)彼女たちもCDデビューして早2年。精力的にライヴをこなし、今年5月にはイタリアのロック・フェスで海外デビューを果たした彼女たちはステージングには貫禄がついたが初々しい佇まいは2年半前と全く変わらない。キュートなワンピース姿でヘッドバンギングしながら「FUCK」を連発する歌とドスの利いたハードコア・サウンドを鳴り響く。



4曲演奏したところで中原氏をステージに呼び込みリーダーから誕生日プレゼント。包装を開けるとドキンちゃんのぬいぐるみだった。そこから共演が始まる筈だったが、中原氏の機材の電源が入っておらず、電子機器の代わりに角笛状のリード楽器をプープー吹いて共演。電源が入ってもプープーやりながら奇声を上げる中原氏。42歳のはしゃぎっぷりに観客も大喜び。全員で踊りまくり誕生日をお祝いした。

よんじゅうに
まだまだわかい
ノイズマン

来年もまた楽しくやれることを祈って乾杯!







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