A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【ライヴレポート】『Pagan Prog Fest 2024~千変万化~』まぼろしペイガンズ/沖縄電子少女彩プログレ・ユニット@吉祥寺シルバーエレファント 2024.5.19sun

2024年05月22日 00時49分31秒 | 素晴らしき変態音楽

~PROGRESSIVE LIVE 2024~
『Pagan Prog Fest 2024 ~千変万化~』

2024.5.19 sun 吉祥寺シルバーエレファント

出演
◆まぼろしペイガンズ
Chihiro S. (vo, saz, MEL9)
タロット続木 (vln, mellotron, vo)
寺島慎吾 (greek bouzouki, oud, tanbur, ac-g, vo)
金澤京子 (b)
こうへい¨̮*(林) (dr, perc)
https://maboroshipaganz.net/


◆沖縄電子少女彩プログレ・ユニット
沖縄電子少女彩 (vo, device)
Chihiro S. (saz, MEL9)
タロット続木 (vln)
ジュネ (g-syn: from AUTO-MOD)
https://saya.okinawa/


◆Pagan Prog Orchestra 2024

 

2023年10月に「プログレ盤魔殿」、2024年4月に「プログレ盤魔殿 vol.2」を開催するなど、最近プログレ熱が再炎上している筆者にとって見逃せないイベント。5年半前2018年11月の「盤魔殿 vol.19」に「One Third Of Paganz」としてゲスト出演してくれたChihiro S.とタロット続木が率いる「まぼろしペイガンズ」、アイドル時代から推し続け、今ではライヴでコラボもしている「沖縄電子少女彩」、プログレ盤魔殿にゲストDJで出演してくれたAUTO-MODの「ジュネ」。知己があると言うだけではなく、いずれも所謂「プログレ」の枠には収まらない個性派ミュージシャンだから、はぐれプログレものの筆者にとって絶好の布陣である。会場には盤魔殿関係者やLLE関係者、さらにはキスエクのTシャツ姿の人もいて、いるだけで心温まる現場だった。

 

沖縄電子少女彩プログレ・ユニット

昨年8月に高円寺HIGHでお披露目された異色の組み合わせのユニット。その時は、まさか彩ちゃんとChihiro S.に接点があるとは信じられなかったが、沖縄音楽と中近東音楽の親和性を考えれば、十分納得できる。両者を結び付けたジュネの慧眼に感謝するしかない。彩のレパートリーをジュネのギターシンセ、Chihiro S.のサズ、続木のバイオリンで演奏するスタイルは、彩のヴォーカリストとしての表現力を一層高い次元へ導く原動力となる。特にバックトラック(カラオケ)なしで演奏された「カスミソウ」の鮮やかさは、音楽ユニットとしての彼らの進むべき道を示しているように思えた。今後のさらなる進化に期待したい。

 

まぼろしペイガンズ

リズム隊がメンバーチェンジし新編成になったまぼろしペイガンズ。逆に考えれば、Chihiro S.と続木と並び、ブズーキやウードを演奏する寺島慎吾の個性が際立つ結果になったといえる。今回のフェスの裏テーマは「生き残った者の掟」。近年世を去ったミュージシャンや演劇人に因んだ選曲とエピソードを盛り込んだステージは、笑いあり感動ありの情報量たっぷりの面白さだった。そもそも80年代筆者が心酔していたRIO/レコメン系プログレ雑誌はシリアス一辺倒で笑いの要素がほとんどなかったように記憶している。その担い手だったChihiro S.(と相方の続木)のギャグ連発のMCを目の当たりにして、プログレであれアヴァンギャルドであれ、音楽表現の本質にはエンターテイメントが必要であることを実感する。毎回披露されるアモンデュールIIのカバーに加えて、時代劇の主題歌、頭脳警察・グランギニョル(70年代後半に地下音楽シーンで活躍したプログレバンド)のカバーもよかった。

 

Pagan Prog Orchestra 2024

まぼろしペイガンズに沖縄電子少女彩とジュネが加わったこの日だけのオーケストラ。マイクスタンドの前に屹立してハイトーンヴォイスで歌う彩の堂々とした存在感は、レナーテ・クナウプ(アモン・デュールII)、ジリ・スマイス(ゴング)、ミケット・ジローディ(システム7)に匹敵する個性派プログレ女子ヴォーカルと言える。シークレットゲストとしてグランギニョルのオリジナルメンバーのサックス奏者ベム長嶋が登場。70年代そのままの白衣姿でブロウする迫力に驚いた。世代を超えて奏でられる地下プログレ・サウンドに心が潤う一日だった。

ピナコテカレコードから1982年にリリースされたグランギニョルの唯一のLPに加えて、当時の未発表ライヴ音源のCD再発が決定したとのこと。知られざる地下音楽の秘宝が明らかになる。楽しみに待とう。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【剛田武&MOGRE MOGRUスケジ... | トップ | 【動画で振り返る5月のMOGRE ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

素晴らしき変態音楽」カテゴリの最新記事