A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

グンジョーガクレヨン/園田游/ゴイゾンetc.@東高円寺 UFO CLUB 2012.7.3 (tue)

2012年07月05日 00時34分03秒 | 素晴らしき変態音楽


「FLASHBACK」というイベント。
このイベントを知ったのは、園田游さんにペンギンカメオーケストラの件で問い合わせのメールを送ったことがきっかけだった。ペンギンカメに園田さんが参加していた気がしたのだが間違いだと判明。ご無沙汰を詫びたメールに対して、園田さんから7/3にUFO CLUBに出演することをご連絡いただいたのである。UFO CLUBのスケジュールを確認すると、何とグンジョーガクレヨンの名前がある。先日組原正さんのCD紹介記事で”グンジョーガクレヨン再結成”と書いたら、組原さんにインタビューした評論家の松山晋也氏から「本人は再結成はしていないと断言していた」旨の情報が寄せられ????という感じだったのだが、オフィシャルHPにあるように間違いなくグンジョーガクレヨンとしての出演である。園田さんもグンジョーに参加するのかと尋ねたらそうではないとの返事。ますます疑問符が膨らむ一方だが、とにかくグンジョーと園田さんを観たくて小雨の中UFO CLUBへ向かった。

雨の平日ということを差し引いても動員は寂しい。イベントが終わる頃に分かったが正規のチケット代を払ったのは恐らく私ひとりだけである。最初のグンジョーの時10人位観客がいたのだが、それは他の出演者とゲスト入場した出演者の知り合いだったようだ。

ホールの入り口で異形人のニラ氏に会う。そうかゴイゾンも出るんだったね。異形人と園田さんの共演を望むと伝えておいた。

1番目がグンジョーガクレヨン。閉じた幕の後ろから轟音のギターが鳴り響く。幕が開くと「うわ~組原さんだ」と感動に浸る。30年前に観た通り、間違った場所に現れてしまったような不思議な存在感は変わっていない。オリジナル・メンバーのベースの前田隆さん、ドラムの宮川篤志さんとのトリオ。重量感のあるベースと非連続的なドラムのパルス・ビートに乗せて組原さんがギターを弾き奇声を上げる。その音はまるでメタル・パーカッションのようだ。トレードマークのディレイを効かせた硬質な音の塊がアンプから迸る。この音を生で聴くのは本当に30年ぶり。当時のオルガンの大森フミオさんとヴォイス/パフォーマンスの園田さんがいないのは寂しいが、逆に骨格だけのグンジョー・サウンドに打ちのめされる。27分の演奏が終わると組原さんは「新生グンジョーガクレヨンはこのトリオで活動していきます」とMC。松山氏に語った「再結成はしていない」発言の意図は何だったのだろうか。



ドリンク・バーの前に園田さんが座っていたので挨拶。新生グンジョーの感想を聞くと「何度か立ってノッてみようとしたけどダメだった。何にも変化していない」と手厳しい。組原さんと確執があるのかと思ったら、仲良さそうにドリンクを汲み交わしている。

2番目はアコースティック・トリオの殺生に絶望。アコギふたりにカホン、アコーディオン、笛、アコギのメンバーがひとり。3人とも若そうだがなかなかいい歌を聴かせる。ちょうどこの日が誕生日だった石川浩司さんの「たま」を思わせる。もちろんたまほどキャラは立っていないが、好感の持てる3人組だった。



3番目のもぬけものはギターとドラムのデュオ。アグレッシヴなギター・プレイは悪くないが、敢えてベースレスでやる意図は分からない。もう少し経験を積むか編成を再検討した方が良かろう。将来性はあると思うのだが。



4番目がキセル楽団。サックス、女性ドラマー、ジャンベのトリオだ。彼らの演奏に園田さんが舞踏でゲスト参加。両者は何度か共演経験があるそうだ。セッティング中に既に園田さんが白塗りに妖しい布を巻いた姿で客席の後ろからゆっくりとした動きで登場、パフォーマンスを始める。園田さんの舞踏は何度も観ているが、いつ観ても独自の妖しい感性に貫かれていて目を離すことが出来ない。演奏はトライバルなパーカッションにサックスが絡みつく祝祭的なものだった。鋭いサックスのプレイに心が躍るが、激しいインプロを期待すると単調なプレイに戻ってしまい少し欲求不満が溜まる。一番良かったのはジャンベだけの激しい打撃音が痙攣するような園田さんの動きを誘発した瞬間だった。25分のステージだったが園田さんの踊りがたっぷり観れて大満足。グンジョーの組原さんと前田さんもじっと観ていた。



トリはニラ氏率いる即興垂れ流しバンド、ゴイゾン。舞踏のレンカ嬢とのデュオ異形人では空間に絵を描くようなアンビエント感のあるプレイを見せるニラ氏が思い切り轟音ギターを聴かせる彼らはそこらのノイズ・バンドより1000倍ノイジーでサイケデリックである。前屈みになり床に届くほどの長髪を揺らしプレイに没入するニラ氏こそ本物のシューゲイザーといえるのでは?



帰りは園田さんに自動車で送ってもらう。”グンジョーガクレヨン”はオリジナルの5人が揃ってこその名前であり、組原さんが勝手に解散したり再結成したりし、グンジョーを名乗って活動しているのはおかしいとご不満の様子。きゃりーぱみゅぱみゅやペンギン・カフェや園田さんが気に入っているバンバンバンズというバンドの話、80年代のPHEWとの共演やフレッド・フリスとのセッションのことなど興味深い話が聞けて面白かった。またゆっくり飲みましょうと約束して別れた。

グンジョーに
特別な思い
持つ人たち

7/21の組原さんのレコ発ライヴも楽しみだ。
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