A Challenge To Fate

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【イベントレポート】決定!第2回 盤魔王(バンマーキング)は「長谷川時夫」と「Zaliva-D」!!!!~第2回 輝く、盤魔殿レコード大賞!!!@阿佐ヶ谷TABASA 2022.1.8(sat)

2022年01月11日 01時00分45秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿 presents
第2回 輝く、盤魔殿レコード大賞!!!リベンジ・マッチ


2021年1月8日(土) 阿佐ヶ谷TABASA
開場・開演18時

【出演順】
1. DJ Athmodeus a.k.a.持田保
2. DJ Bothis a.k.a.山田遼
3. DJ Vaby a.k.a.大場弘規
4. DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元
5. DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
6. DJ Paimon a.k.a. Moppy
7. DJ Necronomicon a.k.a.剛田武
8. DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫

プレゼンの順番は当日くじ引きにて決定。各DJ15分間のプレゼンは、時事問題を絡めて社会論として語る者、作品の背景を事細かに語る者、自分の経験や逸話を交えて語る者、純粋な音楽愛を語る者、と語り口はそれぞれ異なっていたが、音楽性もスタイルもバラバラなエントリー作品を聴くにつれ、世の中ではマイナーとか異端とか呼ばれがちな地下音楽・先鋭音楽の豊饒な世界を熟知する者ならではの説得力に溢れていた。年初の多忙な時期、しかもオミクロン株による感染者増加傾向のある不穏な時期に、多数の観客に来場いただいたことは、知られざる音楽の魅力に惹かれる人が徐々に増えている証拠である。<盤魔殿'22>のナイスなスタートダッシュとなった。

【DJプレゼンとノミネート作品】
*ノミネート作品コメント⇒【ノミネート作品発表!!!!!】1月8日(土)阿佐ヶ谷TABASAにて開催『盤魔殿 presents 第2回 輝く、盤魔殿レコード大賞!!!リベンジ・マッチ』 

●DJ Athmodeus a.k.a.持田保

PHEW / New Decade   
脳BRAIN / 等身大XXX
ヘンリー川原 / 電脳的反抗と絶頂:エッセンシャル・ヘンリー川原

●DJ Bothis a.k.a.山田遼

Joakim Skogsberg / Jola Rota 
Zaliva-D / Immorality 
Linekraft / 阿修羅 = Asura 

●DJ Vaby a.k.a.大場弘規

Non Band / Non Band II
Grim ‎/ Maha
触媒夜 / Unreleased Cassette

●DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元

Arushi Jain / Under the Lilac Sky
まついいっぺいあきつゆこ/なつのぜんぶ 
Hans Uran / Prinzipielle Sicherheit

●DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda

白石民生 / そら 
でらくし / 同
たたらの目 / 同 

●DJ Paimon a.k.a. Moppy

MLD. / 1983-1986 
Masahiko Sato. / Belladonna of Sadness 
Portray Heads / Portray Heads

●DJ Necronomicon a.k.a.剛田武

分水嶺 / 夢のよう        
渡邉浩一郎 / マルコはかなしい 
松本清治 / 松本清治 作品集 第3集 

●DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫

長谷川時夫 / ストーンミュージック 
Jack or Jive / Sincerely
Information overloaded unit / Same


【第2回 盤魔王(バンマーキング)結果発表】
プレゼン終了後、観客・出演者・TABASAスタッフ全員による挙手により、第2回 盤魔王(バンマーキング)が決定した。しかしながら、盤魔殿の主旨に照らせば、いい音楽とは多数決で決まるものではない。だからこの投票結果はあくまで“お祭り”であり、いわば“生贄の儀式”に過ぎないことを肝に銘じていただきたい。

【国内部門】長谷川時夫 / ストーンミュージック 


【海外部門】Zaliva-D / Immorality
 

第2位(同率)
PHEW / New Decade  


Masahiko Sato. / Belladonna of Sadness


第3位(同率)
触媒夜 / Unreleased Cassette


白石民生 / そら


渡邉浩一郎 / マルコはかなしい ー 渡邉浩一郎のアンチ・クライマックス音群  



【総評】
第2回 輝く、盤魔殿レコード大賞!!!リベンジ・マッチのプレゼンを通して明らかになったことは以下の3点。

➀ 海外レーベルを含む日本の地下音楽の再発活性化
MLD(仏CAMISOLE RECORDS)、佐藤允彦(英Finders Keepers Records)、Portray Heads(米Minimal Wave / Bitter Lake Recordings)、まついいっぺいあきつゆこ(英All Night Flight)など日本でもほとんど知られていない地下音楽のレア音源が海外のレーベルからリリースされることがとみに増えた。日本の環境音楽やシティ・ミュージックが、ネットの力で海外で再評価され、日本へ逆輸入される現象と同じ流れだろう。それは大いに歓迎したいが、一方でヘンリー川原(EM Records)、渡邉浩一郎(Super Fuji Disc)、長谷川時夫(Experimental Rooms)など葬り去られていた地下音楽を積極的に発掘する心あるレーベルが日本に存在することが心強い。

② レジェンドから若手へ継承される地下音楽の遺伝子
PHEW、白石民夫、Grim、Jack Or Jiveといった日本のパンク、地下音楽、ノイズ・インダストリアルのオリジネーターが意欲的に新作をリリース。特にNON BANDが40年ぶりのセカンド・アルバムをリリースしたことは2021年を象徴する事件といえるであろう。勿論、伝説的な地下音楽の遺伝子は、Linekraft、脳Brain、たたらの目、分水嶺、Information overloaded unitといった現代のアーティストに受け継がれている。

③ 国や地域の垣根のない異端音楽の輪
海外アーティストのノミネートは多くはなかったが、少数精鋭のなかで、Joakim Skogsberg(スウェーデン)、Zaliva-D(中国)、Arushi Jain(インド/アメリカ)、Hans Uran(ドイツ)と国も地域も文化圏もバラバラなアーティストが選ばれたことは、異端音楽のネットワークが世界中に張り巡らされていることの証であろう。➀で述べた日本の音楽の逆輸入の反対で、海外の知られざる異端音楽を日本発信で世界へ逆輸出する現象が起こっても不思議はない。我らが盤魔殿がその最先鋒になりたいものだ。

▼イベント全編完全レコーディング公開!


盤魔殿
本年もよろしく
お願いします!


【受賞者の歓びの表情】

海外部門受賞作Zaliva-D(ザリヴァ・D)のジャケットを持って微笑むDJ Bothisこと山田遼氏(左)と、来年の奪回を目論むDJ Athmodeusこと持田保氏(右)。


レコード・ジャケットを持参せず、代わりに川崎弘二著『ストーン・ミュージック-長谷川時夫の音楽』を持ってはにかむDJ Qliphothこと宇田川岳夫氏。
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