A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

フローリアン・ヴァルター/橋本孝之/内田静男/川島誠/増渕顕史/SNH@高円寺Fourth Floor 2017.12.2(sat)

2017年12月04日 01時15分04秒 | 素晴らしき変態音楽


Florian Walter Japan Tour 2017 Presented by TVDinner
18:00 open start - 2500yen/1drink
Florian Walter
増渕顕史
UH(内田静男+橋本孝之)
SNH(Straytone+Nagata Kentaro+Horiguchi Ken)
川島誠&DSFAPLS



ドイツ・エッセンの即興サックス奏者フローリアン・ヴァルター(ドイツ語の発音を本人に確認したところ“フローリアン・ヴァイテァー”と聴こえる難しい音だった)は11/30大阪ギャラリー・ノマルでes.のピアニストsaraと共演した。公開された動画を観ると、いつもは理知的な二人が野性に還ったような激しいプレイを展開し深く交歓したことがわかる。

Florian Walter + sara (.es ドットエス)sax piano duo 2017/11/30 Gallery Nomart


その二日後のこの日ヴァルターは、もうひとりのes.橋本孝之と対バンライヴ。曾て吉祥寺にあったライヴハウスFourth Floorが高円寺に移転したことは知っていたが訪れるのは初めてだった。所用で遅れたために惜しくも一番手の川島誠&DSFAPLSを見逃してしまった。

●SNH(Straytone+Nagata Kentaro+Horiguchi Ken)


それぞれ音楽家/レーベルオーガナイザー/エンジニア/DJなどで活動をしている3人によるシンセ・トリオ。アナログ機材ならではの人間味のある電子音のレイヤーが、アナクロなブリズムライトの照明とシンクロして、古いSF映画の宇宙旅行か60年代カルトムーヴィーのトリップシーンを思わせる酩酊感たっぷりのステージ。

●UH(内田静男+橋本孝之)


滲有無のメンバーでもあった内田静男と.esの橋本孝之のデュオ。橋本が吹くハーモニカが、内田のアコスティックベースの深い音に浸されてノイズと唾液の飛沫を浴びせる。アルトサックスは最新ソロアルバム『ASIA』の螺旋状ではなく、放物線を描いて大地を潤す如雨露の水となり低音畑の湿地に亀裂を入れた。

●増渕顕史


2008年から即興演奏を始めたというギタリスト。音数の少ないミニマルな単音弾きが、次第に変則アルペジオに転じる流れは静謐を増幅する。メロディー感はあるが類型的なスタイルにはハマらない。平野剛のピアノ演奏に通じる穏やかな白昼夢を見せてくれる日だまりのインプロヴィゼーション。

●Florian Walter


管を通る息の音から細かいトリル、ベルに栓をしたパーカッシヴなタンギングとマイクロカセットテープレコーダーを使ったひとり二重奏。しかし何故か録音が機能せず、二日前のsaraのピアノの音が流れ出て、図らずも時空を超えたデュオとなった。サックスという楽器の演奏というより、サックスをオブジェとして使ったサウンドアートの趣き。

●Florian Walter+橋本孝之+川島誠


サプライズ的なアルトサックス・トリオ。余りに個性の異なる三者三様のコラボレーションは、同じ楽器の親和性から拡散し霧散する散文的なアッサンブラージュを創り上げた。川島が暗闇から発するノスタルジーが、橋本の植物性と、ヴァルターの即物主義の溶液となり蕩け合う音の重力で魂の湿度が上昇した。

東京の
高円寺の地下
フォーススロア

DSFAPLS(Dick Sucking Fool At Pussy Licking School)によるパーティTVDinnerはFourth Floorで定期的に開催されているとのこと。異端音楽交歓の場としてこれからも注目したい。

▼7/26江古田Flying TeapotでのFlorian Walterソロ演奏
171126 Florian Walter solo at EKODA Cafe FLYING TEAPOT
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