A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

フェスティバルFUKUSHIMA@福島市四季の里/あづま球場 2011.8.15(mon)

2011年08月17日 00時20分49秒 | 灰野敬二さんのこと

福島市の高校の同窓だという遠藤ミチロウ氏と大友良英氏、福島在住の詩人和合亮一氏が発起人として震災~福島第一原発事故以降に発足したプロジェクトFUKUSHIMAの最大のイベント、フェスティバルFUKUSHIMAが終戦記念日に開催された。入場料無料、出演アーティストはノーギャラ&交通費自前というチャリティ・イベントである。灰野さんから静寂が出ると聞いて行きたかったのだが足がないので諦めかけていた時、東京から格安のバス・ツアーがあることを知り即申し込んだ。新宿から福島までおよそ5時間。早朝出発で眠かったが何とか辿り着いた。会場となる四季の里は山間の公園。着いたとたんに大雨で、工芸館で雨宿り。

フェスティバルは昼過ぎに大友氏指揮のオーケストラFUKUSHIMAでスタート。総勢100名、幼児から還暦までのミュージシャン/非ミュージシャンからなる大オーケストラだ。短い練習期間に良くここまで統制が取れたな、という感じの迫力ある演奏。希望すれば誰でもメンバーになれるそうだ。

オーケストラFUKUSHIMA! - LIVE @ 世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!


続いて和合氏率いる福島群読団という詩の朗読をするグループ。こちらも小学生から老人まで含む20人くらいで、「福島」をテーマに演劇的なパフォーマンス。

それ以降、ウォーターステージ、フラワーステージ、あづま球場の3箇所で演奏が同時多発的に始まる。

ウォーターステージで遠藤賢司氏。ソロ・ギターの弾き語りだがさすが"不滅の男"、熱い演奏は迫力たっぷり。茨城県出身のエンケン氏は、遠藤ミチロウ氏と共に「二人合わせて100歳オーバー、ダブル遠藤」と銘打ってツアーをしたこともあるそうだ。演奏途中で再び激しい雨。観客はびしょ濡れになりながらも魂の歌声に身を委ねる。

遠藤賢司 - 夢よ叫べ @ 世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!


次にメインステージの前に作られたサブステージで二階堂和美嬢の演奏。3曲だけだったが観客を巻き込んで歌う姿が印象的だった。

二階堂和美 - お別れの時 @ 世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!


続いて和合氏+坂本龍一氏(p)+大友氏(g)による「詩の礫」。和合氏の震災や津波、原発をテーマに「福島」を力強く表現した詩の朗読のバックで坂本氏と大友氏がアブストラクトな即興を繰り広げる。坂本氏はピアノの内部の弦を弾く奏法で指を切ってしまったという。1時間に亘る硬派なステージだった。

詩の礫 - 決意 @ 世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!


和合氏退場後、勝井裕二氏(vn)とU-Zhaan氏(Horn)が加わり、坂本氏がピアニカでYMOの曲を演奏したのは大いに受けた。

坂本龍一 × 大友良英 × 勝井祐二 × U-zhaan - テクノポリス


この後静寂に備えてフラワーステージに移動。このステージの作りを見て唖然。ステージ前に大きな花壇があり、観客は花壇を囲む形で観るしかないのだ。最前列で灰野さんを観る、と意気込んでいた私も拍子抜け。あのステージはないよな~。灰野さんもこの作りには驚いただろうが、それを全く感じさせない渾身の演奏。珍しく「最近の祭りには祈りが足りない」というMCから始まった。 「あんなものいらない!」と3人が叫ぶ曲が福島で演奏されると迫真性が違う。この空気を感じられただけでもここまで来た甲斐があるというものだ。45分の演奏後灰野さんは地元テレビの取材を受けていた。

静寂 (Keiji Haino / Mitsuru Nasuno / Yoshimitsu Ichiraku)- イ・ラ・ナ・イ @ 世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!


最後は歩いて20分くらいかかる野球場あづま球場へ、渋さ知らズを観に行く。この会場には頭脳警察やスターリンが出演し、四季の里に比べてロック・コンサートらしい雰囲気。渋さを野外で観るのは初めてだったが、彼らがフリージャズをやりつつ、なぜ幅広い人気を誇るのかが良く分かった。とにかくエンターテイメントに溢れた演奏と踊れるビート。ジャズとかロックとかジャンルを飛び越えた「祭り」としてのパフォーマンスは全てを忘れて楽しめた。ミチロウ氏やパンタ氏も参加して「天国への門」を演奏したのに感動した。

渋さ知らズ - 本多工務店のテーマ @ 世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!


このフェスティバルの入場者数は約2万人。DommuneでUstream中継されその10倍の人が観たとのこと。「FUKUSHIMA」という地名が特別の意味を持ってしまった今、この地に生きる人々の力強さが世界中に伝わったに違いない。

福島が
力を発揮
素晴らしき

このパワーを失ってはいけない。まだ闘いは始まったばかりだ。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする