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A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【闇夜のジャズ・カヴァー集】近藤等則『あなたは恋を知らない』/KYOTO JAZZ SEXTET『MISSION』

2015年04月29日 05時24分18秒 | こんな音楽も聴くんです

(2014年4月1日近藤等則『地球を吹く in Japan』上映会&ソロ・ライヴ@青山CAY)

過去の既存の楽曲を、現代のアーティストが演奏することをポップスやロックではカヴァーと呼ぶが、ジャズに関してはどうだろう。多くの人が知っている昔の映画やミュージカルの主題歌や挿入歌は「スタンダード(標準)」と呼ばれ、それを演奏することはジャズ・ミュージシャンなら一度は通る道であろう。筆者は30余年前にスタンダードをカヴァーすることを拒みジャズからドロップアウトした落ちこぼれなので「スタンダード」と聴いても「何それ」としか思わない捻くれ体質である。

人生52年間、頑にスタンダード(標準)外を歩んできたが、53年目の春に初めてジャズのスタンダード・カヴァー・アルバムを購入することとなった。方や世界を舞台に自由即興(ネーチャン)~地球を吹く(ネイチャー)へと独自の音楽極道を貫く喇叭武道家、方や80年代「ジャズで踊る」ムーヴメントを担った多面的ジャズDJ/プロデューサー。一見アコースティックとエレクトリックが逆転したかのような両極端のコンセプトの内には、同じジャズへの革新衝動が漲っている。ジャケット・コンセプトをはじめ、濃厚に漂うオトナのエロティシズムは、ジャズに本来備わった『危険な香り』の復権である。真夜中限定、十八禁、お触り/乱闘/エロ歓迎。本当はヤヴァいジャズの世界にようこそ。

●近藤等則『Toshinori Kondo plays Standards~あなたは恋を知らない』


――“激しく闘う男”という近藤さんのパブリック・イメージからすると、誰もが知っているスタンダード曲のカヴァ集というこのコンセプトは、意外な気もするんですが。
近藤等則「俺はこのアルバムでも闘ってるつもりだよ。世界中の誰もやってないスタンダード・カヴァーをやったと思っている。ジャズのスタンダード集は数えきれないほど出ている。そして、その99%がアコースティック・アンサンブル。で、俺はそれをエレクトリック/エレクトロニックでやった。同じスタンダード・カヴァーでも、まるっきり違う背景で作ったつもり。アコースティック楽器でそのままスタンダードをやっても面白くもなんともないしね。」


Toshinori Kondo plays Standards ~You don't Know What Love Is
リリカルでロマンティックな近未来ジャズ。
キャリア初の全曲スタンダード・アルバム。


1. Summertime / サマータイム
2. The Girl From Ipanema / イパネマの娘
3. Autumn Leaves / 枯葉
4. You don't Know What Love Is / あなたは恋を知らない
5. In A Sentimental Mood / イン・ア・センチメンタル・ムード
6. Misty / ミスティ
7. Blue Monk / ブルーモンク
8. My Funny Valentine / マイ・ファニー・ヴァレンタイン
9. Round About Midnight / ラウンド・アバウト・ミッドナイト
10. What A Wonderful World /この素晴らしき世界

【ミュージシャン】
Toshinori Kondo ( Electric Trumpet )
Eraldo Bernocchi ( Electric Guitar,Tracks except #8 )
Channel K ( Tracks #8 )


【インタビュー】近藤等則、アムスにいた18年間と新作を語る


●KYOTO JAZZ SEXTET『MISSION』


――最新型のジャズを提案するのに、60年代の楽曲カヴァーというのは不思議な感じがします。
沖野修也「最初は60年代ということにはこだわりはなかったんです。「最新のジャズとは?」ということを考えた時に『「打ち込み+生楽器」、それとも「最新のキーボードを使って、打ち込みをいれる」ことなのか?』とかいろいろ考えて。それこそデトロイトテクノのプロデューサー、カール・グレイグが、昔のジャズミュージシャンと作った音源とかはあったんだけど、僕たちは生演奏をすることでも、新しく提案ができるんじゃないかなって。」


KYOTO JAZZ MASSIVEの沖野修也がプロデュースするクラブ・ミュージックを通過した現代ジャズ・ユニット、KYOTO JAZZ SEXTETによるブルーノート・カヴァー・アルバム。平戸祐介(quasimode)、類家心平ら気鋭のミュージシャンが結集したほか、菊地成孔もゲスト参加。1960年代ブルーノートの新主流派モード・ジャズを核にしながらも、単なる懐古趣味にとどまらず、それをモチーフにしてジャズの現在を表現した作品。

1. サーチ・フォー・ザ・ニュー・ランド(リー・モーガン)
2. スピーク・ノー・イーヴル(ウェイン・ショーター)
3. ザ・メルティング・ポット(フレディ・ハバード)
4. サコタッシュ(ハービー・ハンコック)
5. ミスター・ジン(アート・ブレイキー)
6. ジンリキシャ(ジョー・ヘンダーソン)
7. アップ・ア・ステップ(ハンク・モブレー)
8. エクリプス(Kyoto Jazz Massive)

<参加ミュージシャン>
類家心平(tp)
栗原 健(ts)
平戸祐介(p)
小泉P克人(b)
天倉正敬(ds)
ゲスト:菊地成孔(ts)
Produced by Shuya Okino (Kyoto Jazz Massive)
Co-produced by Kenichi Ikeda (ROOT SOUL)


【インタビュー】沖野修也の新プロジェクトKYOTO JAZZ SEXTET。ジャズ日本代表こと沖野ジャパン発足!?

ミッションを
果たせお前は
ジャズを知らない

▼大学のジャズ研では新入生はコレしか吹かせてもらえなかった。
Charlie Parker/Now's The Time
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進水・浸水・心酔の水圧ポップ~ブライアン・ウィルソン『ノー・ピア・プレッシャー』

2015年04月09日 00時15分15秒 | こんな音楽も聴くんです


中学1年で初めて洋楽ポップスと出会ったとき夢中になったのはジョン・デンバーとビーチ・ボーイズだった。初めて買ったLPレコードは『ジョン・デンバー・ライブ』、2枚目が『ビーチ・ボーイズ・コンサート』、さらに『ビーチ・ボーイズ'69(ライブ・イン・ロンドン)』。何故かライヴ盤が続いた。その後キッスやエアロスミス、ジョニー・ウィンターやジェネシス、さらにパンクロックへと興味は広がったが、中学時代を通してビーチ・ボーイズが大好きで、転校した東京の中学校でついた渾名は「Bach Boy バチボーイ」。ばちへび(つちのこ)が由来だが、Beach Boys好きも揶揄された。

 

「サーフィンU.S.A.」や「ファン・ファン・ファン」のような海だ!太陽だ!女の子だ!と歌うリア充ソング(ジャン&ディーン「サーフ・シティ」は”男子ひとりあたり女子ふたり”と歌われる)ではなく、「アイ・ゲット・アラウンド」や「グッド・バイブレーション」などマイナー調の曲が好きだった。実際にサーフィンが出来るのは末っ子のデニスだけで、長男のブライアンは引きこもりの変わり者、スタジオに砂を敷き詰め椰子の木を植えて、何時間も孤独にダビングを重ねた、という非リア充・コミ障エピソードに惹かれた。愛聴盤は『ペットサウンズ』や『オランダ』。特に金沢に一軒だけの輸入盤店で買った『サーフズ・アップ』は、習いたての英語で哲学的な歌詞を翻訳しながら、幻想的なコーラスの森の中で迷子になる気がした。

   

しかし中学卒業祝いでエレキギターを手に入れると、ギター中心のパンクやブルースに取り憑かれ、楽器よりも歌メインのビーチ・ボーイズを聴くことは少なくなった。「海岸少年達」は80年代以降も来日したり、新作をリリースしたり、『スマイル』の海賊盤がCDリリースされたりした。精神を病んでいたブライアン・ウィルソンも完全復活し、ソロ・アルバムを定期的にリリースし、サイケデリックな世界観を持つ『スマイル』の再現ライヴも開催された。しかし敢てそれを追うことはなかった。リアリティを感じることも無かった、避けていた訳ではないが。



だから通算11作目のソロ・アルバムをふと耳にして、40年前の自分に戻るというより、初めて出会う夢の世界の出来事のような気がしたのである。どっぷりノスタルジアに浸ることも可能だろうが、それよりもっと普遍的なエンターテインメントの形、例えば開園33周年の浦安のテーマパークのように、いつ訪れても楽しめる安心印の快適さを堪能する方が面白い。マイナスからのNo.1を成し遂げた72歳のエンターテイナーに心からの感謝と敬意を表したい。



ジャケットを
見るとこいつを
思い出す
⇩⇩⇩



ピア・プレッシャー
【peer pressure】職場などでの、同僚からの圧力。
【pier】 埠頭。
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【魅惑のワールド歌謡】ムスクーリ/スサーナ/ムスタキ/フェリシアーノ/アダモ/ミーナetc.

2015年03月19日 00時15分15秒 | こんな音楽も聴くんです


中学入学祝いで買ってもらったラジカセでFMをエアチェックしてポップスに目覚めた頃は、洋楽と言えば英米中心で、他のヨーロッパや南米の音楽は興味の範疇になかった。プログレにハマってユーロロックを知った時の印象は、英米以外にもロックバンドが存在するんだ!という初心(うぶ)で素朴な驚きだった。しかし遡って小学生の頃に戻ると、記憶に残る洋楽は実は英米以外が多いことに気がつく。欧羅巴や南米のエキゾチックなメロディーは、小学生にとってはテレビやラジオで聴くよりも、お昼の校内放送でお馴染みだった。今となっては中古レコード店の100円コーナーでも誰にも見向きをされない、懐かしのWWP(ワールドワイドポップ)を集めてみた。

●【元祖メガネ美人】ナナ・ムスクーリ


ナナ・ムスクーリ(Nάνα Μούσχουρη 、ラテン文字表記: Nana Mouskouri、1934年10月13日 - )は、世界的に有名なギリシャ人の歌手。政治家としても多少活動している。本名はヨアンナ・ムスクーリ。




●【元祖チチカカ美人】グラシェラ・スサーナ


グラシェラ・スサーナ(GRACIELA SUSANA、1953年1月22日-)はアルゼンチン出身の歌手、ギタリスト。菅原洋一により見出され、1971年11月に初来日し、1970年代にヒットした。




●【元祖カタカナ三文字タレント】アダモ


サルヴァトール・アダモ(Salvatore Adamo、1943年11月1日 - )はイタリアのコーミゾ(シチリア)で生まれたベルギーの作曲家、歌手。レジオンドヌール5等受勲者。イタリア語読みでサルヴァトーレ・アダモ。単に「アダモ」と呼ばれることもある。1967年に初来日以来、30回以上の来日公演を行っており、海外アーティストの中でも特に親日家として知られている。直近の来日は2010年。1978年には森進一「甘ったれ」を作曲する。当然、日本にも数多くのファンが存在し、特にタレント・演出家のテリー伊藤は来日公演は欠かさず行っていると公言している。




●【元祖ひげもじゃ歌手】ジョルジュ・ムスタキ


ジョルジュ・ムスタキ(Georges Moustaki、1934年5月3日 - 2013年5月23日)は、フランスのシンガーソングライター。エジプト・アレクサンドリア出身のギリシャ系セファルディムユダヤ人。本名、Yussef Mustacchi。




●【元祖グラサン歌手】ホセ・フェリシアーノ


ホセ・フェリシアーノ(José Feliciano 1945年9月10日 - )はプエルトリコ出身の歌手、ギタリスト。 1966年デビュー。緑内障のため生後まもなく失明したが、盲目のハンディキャップを乗り越え『Rain』をはじめとした世界的なヒット曲を多く手がけた。スパニッシュ・ギターの名手でもある。1968年度のグラミー賞で、最優秀新人賞を受賞した。




●【元祖美奈(ミナ)ちゃん】ミーナ(・マッツィーニ)


ミーナ(Mina, 1940年3月25日 - )は、イタリアの歌手。本名はアンナ・マリーア・マッツィーニ(Anna Maria Mazzini) 。1959年に「ネッスーノ」をヒットさせ、抜群のスタイルと美貌もあって一躍トップスターとなる。1961年(昭和36年)5月に来日して以来日本語盤も出している。私生活は恋人や配偶者との離・死別を繰り返し、必ずしも恵まれたものではなかった。




●【元祖日本国籍外人タレント】クロード・チアリ


クロード・チアリ(Claude Ciari、本名・戸籍名:智有 蔵上人/ちあり くろうど、旧名・通名:同じ、1944年2月11日 -)は、フランス・ニース出身のタレント、ギタリスト、音楽家。日本国籍。フランス系日本人一世。タレントのクリステル・チアリは娘。ギタリストのクリスチャン・チアリは息子。日本語、英語、フランス語、スペイン語、ユダヤ語に堪能。




●【元祖陶酔ラッパ吹き】ニニ・ロッソ


ニニ・ロッソ(Raffaele Celeste 'Nini' Rosso, 1926年9月19日 - 1994年10月5日)は、イタリア・トリノ出身のトランペット奏者、作曲家である。ジャズ及びイージーリスニングのジャンルで活動した。「トランペットの詩人」の愛称でよばれる。




●【元祖和訳バンド名】カラベリときらめくストリングス


カラベリ(Caravelli、本名はクロード・ヴァゾーリ(Claude Vasori)、1930年9月12日 - )は、フランス・パリ生まれの指揮者。1977年に「カラベリときらめくストリングス(Caravelli And His Enchanted Strings)」から「カラベリ・グランド・オーケストラ」へ改称している。




ジュンとロペ
明日着るには
恥ずかしい

●JUN ROPE' 70年代CMは欧羅巴ボヘミアン


JUN ROPE' CM PLAYLIST
写真をクリック⇩



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【ビビッと☆演歌ジャックなう!】JOJO広重/白石民夫/À Qui Avec Gabriel/工藤冬里/灰野敬二

2015年03月04日 00時15分15秒 | こんな音楽も聴くんです


昨日のJOJO広重新作レビューに関連して、フランスのAn'archivesレコードからリリースされたレコードを紹介したい。『情趣演歌/Enka mood collection』と題された10インチLPが2作発売済み。それぞれポストカードや解説書が入ったシルクスクリーン厚紙二つ折りジャケット。温泉地の土産物屋に置いてありそうな手作り感覚がいい味を出している。アラン・カミングスによる詳細な楽曲解説(英文)付き。



JOJO広重
1 夢は夜ひらく(園まり、藤圭子他)
2 アカシアの雨がやむとき(西田左知子)
3 上を向いて歩こう(すき焼)(坂本九)

白石民夫
1 夜霧のブルス(ディック・ミネ)
2 網走番外地(高倉健)
3 東京ながれ者(渡哲也)
4 やくざ節(学生唱歌)



À Qui Avec Gabriel
1 女のブルース(藤圭子)
2 好きになった人(都はるみ)
3 港町ブルース(森進一)

工藤冬里
1 東京ブルース(西田左知子)
2 柳ヶ瀬ブルース(美川憲一)
3 骨まで愛して(城達也)
TORI KUDO SOUNDCLOUD

限定プレスだが、モダーンミュージック通販や各アーティストのライヴ物販で入手可能だと思われる。

<Live Schedule>
4月11日(土)大久保ひかりのうま
「Enka Mood Collection発売記念ライブ」
出演:工藤冬里/à qui avec Gabriel ゲスト:Reiko.A
open 19:00 start 20:00
2000円+D(当日のみ)


演歌ジャックするなら、このアルバムもリクエストしたい。


灰野敬二『哀秘謡』
1. いとしのマックス(荒木一郎)
2. 八月の濡れた砂(石川セリ)
3. 悲しき願い(尾藤イサオ)
4. 赤い靴(童謡)
5. 何故に二人はここに(ケイとブルネン)
6. 骨まで愛して(城達也)
7. 好きさ好きさ好きさ(カーナビーツ)
8. 世界は二人のために(佐良直美)
9. 夜と朝のあいだに(ピーター)




でんぱ組.incのGIRLS♥GIRLS♥GIRLS「ビビッと☆でんぱジャックなう!」


<付録>
演歌・歌謡曲イベントのメッカ【音曲堂】2/18付チャート

1位 追分みなと 杜このみ




1位 お岩木山 三山ひろし




3位 佐渡のわかれ唄 竹村こずえ




4位 噂の港 水田竜子




5位 星降る夜のサンバ 純 烈




演歌とは
炎天下の
歌唄い




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今こそ『フュージョン』が熱い!?~カシオペア/高中/ナベサダ/カールトン/リトナー/シャカタク

2014年11月06日 00時25分26秒 | こんな音楽も聴くんです


それ行け 鰺tation

茨の道を踏み越えて
私はここへやってきた

孤独を愛する ひとりの少年が
ビルの上から ひらりと身を投げる

あなたを救う 四人の戦士 それ行け 鰺tation

迫る嵐を切り裂いて
私はここへやってきた

世界制覇を企む 悪の音楽(フュージョン)は
街中にあふれて 人の心を惑わす

あなたを救う 四人の戦士 それ行け 鰺tation

沈む夕日を背に受けて
私はここに立っている

時間は息を切らして 全力で駆け抜ける
今しか出来ない 今しか歌えない

あなたを救う 四人の戦士 それ行け 鰺tation ×3
平和を願う 四人の戦士 それ行け 鰺tation




1年の浪人生活の結果、無事に大学に合格した筆者の胸は、夢に見た音楽生活への期待でWKTK(ワクテカ)していた。第1は大久保の中古楽器屋で手に入れた年願のアルト・サックスを思いきり自由に吹きまくること。第2は愛用のグレコのファイアーバード・ギターでカッコいいパンクバンドをやること。

第1の夢は、大学の軽音研に入り、好きなアーティストはオーネット・コールマンと言ったら鼻で笑われたことをきっかけに瓦解。大学とは関係なく吉祥寺の地下のライヴハウスにて追求することととなる。

第2の夢は、大学内で叶えようとする。いくつかある音楽サークルの中で、3番目の規模のサークルに入る。女子ボーカルのフォーピース・バンドを結成、レジロスやギャング・オブ・フォーのようなシャープなパンク&ロケンローを目指す。ところが、サークルの主流は圧倒的にインスト/ギターメイン/POPEYEファッションの所謂フュージョン。歌ものだとオフ・コースや山下達郎。間違いなくアウェーな立場に身を置くことと成った。もっとロック寄りのサークル、例えばフォーク研と名乗るヘヴィメタ倶楽部や、G-シュミットを産んだブリ研ことブリティッシュロック研究会に入れば居心地よかったかもしれない。しかし筆者は敢て異質音楽群に留まった。決して一人粋がって反抗した訳ではないが、何一つ不自由のない大学生活には仮想敵が必要で、軟派野郎のフュージョンこそ格好の標的だった。ヤマハSGを腹の上でセコく弾く連中に心の中で中指立てながら、アルチュール・ランボーに憧れて、大き過ぎる古着スーツや真っ黒な烏コートを着て、石鹸の泡で髪を立てて(整髪料は高いし匂いが嫌いだった)、ギターの位置は腰の下、マス掻きの要領で右手を大きく上下させて、パワーコードをエイトビートで刻んだ。オリジナル曲では「悪の音楽」に「フュージョン」とルビを振った。

それから30年が過ぎて、かつて倒し甲斐のある強敵だったフュージョンは、ジャンル自体すっかり廃れてしまった。ロックやパンクの方が圧倒的にメジャーになった今こそ、逆に16ビートの爽やかなドライヴィング・ミュージック(=フュージョン)を聴きながらサクサク仕事を片付けよう。作業用BGMとして大変重宝している、という心温まるお話。

●ラリー・カールトン「ルーム335」




●リー・リトナー「キャプテン・フィンガーズ」




●リターン・トゥ・フォーエヴァー「スペイン」




●カシオペア「朝焼け」




●高中正義「Blue Lagoon」




●渡辺貞夫「オレンジ・エキスプレス」




●シャカタク「ナイト・バーズ」




フュージョンと
コンフュージョンは
お友達

▼Confusion Will Be My Epitaph(我が墓碑銘に現れし言葉は混迷)



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【ブルーノート75周年】山中千尋/日野皓正/ロン・カーター他@ブルーノート東京 2014.1.22(wed)

2014年01月24日 00時27分03秒 | こんな音楽も聴くんです


ブルーノートレコード75周年記念
BLUE NOTE plays BLUE NOTE

■山中千尋 トリオ
 山中千尋(ピアノ)
 須川崇志(ベース)
 ジーン・ジャクソン(ドラムス)
■bohemianvoodoo
 bashiry(ギター)
 木村イオリ(ピアノ、キーボード)
 Nassy(ベース)
 山本拓矢(ドラムス)
松岡 "matzz" 高廣(パーカッション)
山本玲子(ヴィブラフォン)
西口明宏(テナー・サックス)
日野皓正(スペシャル・ゲスト、トランペット)
 
ロン・カーター(スペシャル・ゲスト、ベース)

創立75周年を迎える"ブルーノート"を代表する名曲を豪華メンバーがブルーノート東京で演奏するスペシャル・プログラム

1939年、ニューヨークで創立。マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ハービー・ハンコックら巨星による歴史的名盤をリリースすると共に、現在もノラ・ジョーンズ、ロバート・グラスパー、グレゴリー・ポーター等を傘下に収めながら音楽シーンを牽引し続ける“史上最強のジャズ・レーベル”、ブルーノート。その設立75周年を記念したアニヴァーサリー・ライヴが開催される。出演者は山中千尋トリオ、話題の4人組ユニット“bohemianvoodoo”、松岡 "matzz" 高廣(クオシモード)、山本玲子、西口明宏等の精鋭たち。さらにブルーノートにもアルバムを残すトランペッター、日野皓正がスペシャル・ゲストとして登場する。ブルーノート・レーベルゆかりの名曲が、どんなアレンジで蘇るのか。必見必聴の一夜が訪れる。



物心ついた頃からアンチメジャーのヒネクレ者だった。ウルトラシリーズではザザーン、仮面ライダーではキノコモルグ、変身忍者嵐ではゲジゲジ魔が好き。プロ野球では中日・木俣、大相撲では青葉城、プロレスでは稲妻戦士・木村健悟推し。ロックはサイケ/パンク/オルタネイティヴ、プログレはレコメン、クラシックは現代音楽。だからジャズが好きと言っても、持ってるレコードはESP、ECM、BLACK SAINT、Ogun、INCUS、ICP、Metalanguage等のマイナーレーベル中心、メジャーはせいぜいImpulseかAltantic位で、モダンジャズ三大レーベル=Blue Note (1939~)、Riverside (1948~)、Prestige(1949~)はほとんどない。大学時代にジャズ研で退屈な「ナウズ・ザ・タイム」ばかり吹かされてスタンダードにはすぐ飽きた。10年程前にやっぱり頑張ろうと教則本を買ってきて「サテンの夜」「A列車で行こう」「チュニジアの夜」などを練習したが、意外に難しくて断念。オレ的スタンダードは「ロンリー・ウーマン」「ゴースツ」「エピストロフィー」だと嘯いていた。

  

  

しかしブルーノートは悪くない。何といってもオーネット・コールマン『ゴールデン・サークル』、エリック・ドルフィー『アウト・トゥ・ランチ』、セシル・テイラー『ジャズ・アドヴァンス』、ドン・チェリー『即興演奏家のためのシンフォニー』と名盤が揃っている。ニューシング(発祥当時フリージャズはこう呼ばれた)に好意的なあっぱれなレーベルである。ジャケットのセンスは「ピンのブルーノート、キリのESP」と呼ばれるほど評価が高いし、録音技術にも定評がある。






サン・ラー生誕100年、スティーヴ・レイシー生誕80年&没後10年、頭脳警察結成45周年、非常階段結成35周年にあたる今年、ブルーノートは創立75周年を迎える。その記念イベントがブルーノート東京(他にどこがある?)にて開催された。出演者は特にブルーノートレコード所属というわけではないが、山中千尋はブルーノート・トリビュート『マイ・フェイヴァリット・ブルーノート』をリリース、松岡“MATZZ"高廣はブルーノート・パーカッション・コンピ『アフロ・キューバン・ブルー」を監修した。ジャズベースの巨人ロン・カーターは勿論ブルーノート作品にも多数参加しているレジェンドである。



ブルーノートの名演・名曲が並んだ正統派(非オレ派)スタンダード・ナンバー満載のセトリ。今風コンボBohemianvoodooは原曲に忠実なラウンジジャズで食事を美味しくする。元々ジャズは高級レストランで演奏される場合も多く、食事客の邪魔にならないことが何より大切だった。食事中に和音の無い薄気味悪い音楽を聴かされたら堪ったもんじゃない、という意見が多数派なのが現実。当時オーネットが忌み嫌われたのはその掟を破ったからに違いない。



しかし山中千尋トリオはひと味変わっていた。確かに聴き覚えのあるメロディだが、徐々に逸脱し、各楽器のソロは気合が籠った奔放プレイ。しかし過剰にならぬよう慎重にコントロールされており、聴き手の心には僅かなさざ波を残すのみ。小柄な体でピアノに覆いかぶさる山中の演奏スタイルはある種畸形的。この日来場していた中原昌也(顔を見たときスーデラと間違えたかと思った)の大ファンでもあるようだし、実はかなりの異能戦士なのかもしれない。同期の桜の上原ひろみの影に隠れて気づかなかったから、改めてCHIHIROチェックが必要だろう。



豪快なプレイの日野皓正は流石日本を代表するトランペッターだけあり、魅せ方をよく心得ている。ロン・カーターは派手なプレイはなかったが、40年以上世界のジャズを支えてきた縁の下の神髄を見せた。



Set List
1 ミッドナイト・ブルー
Bohemianvoodoo / MATZZ (per)
2 クレオパトラの夢
Bohemianvoodoo / MATZZ (per)
3 黒いオルフェ
Bohemianvoodoo / 山本玲子(vib)/ MATZZ(per)
4 ニカの夢
Bohemianvoodoo / MATZZ (per) / 山本玲子(vib)
5 ドント・ノー・ホワイ
山中千尋(p) / 須川崇志(b) / ジーン・ジャクソン(ds)
6 サマータイム 
山中千尋(p) / 須川崇志(b) / ジーン・ジャクソン(ds)
日野皓正(tp)
7 クール・ストラッティン
山中千尋/G.ジャクソン/西口明宏(ts)/日野皓正
MATZZ(per)/ロン・カーター(b)
8 チュニジアの夜
山中千尋/G.ジャクソン/西口明宏/日野皓正/MATZZ
ロン・カーター/山本玲子/BASSI(g)/他(per)

長いものに
巻かれてみたら
気持ちいいカモ

21世紀型ブルーノートにも要注目。

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山崎怠雅@四ツ谷 Doppo 2013.12.27(fri)

2013年12月29日 02時05分40秒 | こんな音楽も聴くんです



今年の夏まで山崎怠雅のことをヘヴィサイケバンド「鳥を見た」のベーシストだと思い込んでいたが、ブログを検索したところ、2010年3月に灰野敬二、川口雅巳、なかおちさと(鳥を見た)が出演した弾き語りイベントで山崎がアコギで歌うのを観ていたことに気がついた。灰野目当に行ったイベントなので、正直言って覚えていない。今年8月に改めて弾き語りソロを観た。約3年前に初めて鳥を見たで観て以来、常にロングヘアーにフレアパンツというヒッピーファッションを貫く山崎が、瑞々しいアコギのアルペジオに乗せて艶のある端正な声で歌うのは意外だが新鮮でもあった。90年代からシンガーソングライター活動をしてきただけあり、山崎だけのオリジナルなスタイルが確立されていて、多くの人にアピールするはずだと思った。



ディスク・ユニオンの制作担当者も同じ思いを抱いたのだろう、遠藤賢司、岡林信康、J.A.シーザー、タイムスリップ(佐野史郎)など往年のベテランから、ファンシーナムナムなど個性的な若手まで擁する富士レーベルから1stアルバム「フィクション」がリリースされた。山崎の多くのオリジナル作品から厳選された8曲からなる本作は、アコギ一本の弾き語りとバンド編成のダイナミックな演奏がバランスよく配された珠玉の作品集。初めて観たとき、さだまさしと長谷川きよしを連想したが、CDで聴き返して、全くベクトルの異なる卓越したギタープレイとシュールな歌詞の世界にすっかり魅了され、夢見心地のトリップに酔いしれた。演奏スタイルや歌のムードは異なるが、倉地久美夫と共通する強靭な意志と聴き手を別世界に導くオーラを感じる。


CDリリース記念 山崎怠雅レコ発ワンマンライブ


(写真・動画の撮影に関しては出演者の許可を得ています。以下同)

レコ発ワンマンは昨年オープンしたばかりの綺麗なライヴカフェで開催された。中折れ帽を被り、ロングヘアーから尖った耳が突き出た風貌は、童話に出てくる歌の妖精のような雰囲気。前半はアコギ弾き語り。一曲毎にチューニングを変える奏法は倉地と共通する。ワイン片手に入念にチューニングする姿は映画のワンシーンのようでもある。ハッキリした優しい歌声と、複雑なフレーズを奏でる長い指で聴き手に魔法をかける。芳醇なワインの香りが匂い立つような優雅なステージだった。



後半は山崎怠雅クインテットによるバンド演奏。メンバーは、山崎(vo.el-g)伊藤昭彦(cho.ac-g)、浅野廣太郎(b-sax)、小池実(b)、井上順之介(ds)。陰影に富んだフォークロックに鳥を見たや自己のジャズバンドvajuwajuで活動する浅野のフリーキーなバリトンサックスの咆哮を加えたエモーショナルなサウンドが炸裂する。伊藤のコーラスがはっぴいえんどみたいで味わい深い。比較的スムーズで聴き易い演奏が続く中、「白夜」で持ち前のサイケパワーを発揮、CDヴァージョンより数倍強烈な轟音インプロヴィゼーションを展開。過半数フレアパンツバンドの本領発揮だった。



好きだというドノヴァンに通じるメルヘンの王子様チックな魅力ゆえ、女性客が多く、至って和やかなムードのライヴだった。本名かどうか定かではないが、怠惰と優雅が同居した名前通りの、のんびりしたMCと気品あるサウンドが醸し出すアシッド風味のリラックス感は、数多あるフォーキー系アーティストとは異次元の世界を創り出す。普通なら地下深くの秘密クラブでしか味わえない極上の陶酔感が、CDやライヴ会場で経験出来ることに感謝するべきであろう。

<Set List>
1st 弾き語りソロ
1. 夜の果て
2. 大硝子
3. ダンス
4. 夜明けは、来ない
5. モノリスと海
6. テトラポッド
7. 太陽

2nd 山崎怠雅クインテット
8. 北
9. そんな夜
10. 夢の島少女
11. 遠い空
12. 蒸発都市
13. 百夜
14. フィクション
Encore
15. サイレン



歌とギター
イメージの翼
広げましょう

<山崎怠雅ライヴ・スケジュール>
★2013.12.30(月) 高円寺ShowBoat
hardy soul(灰野敬二ニューバンド)にギターで参加
16:30start

★2013.12.30(月) 20:30 高円寺Mission's
ジンギス・パンチ
カウントダウン36時間ライヴに出演
20:30頃

★2013.12.31(火) 高円寺Mission's
山崎怠雅グループ
カウントダウン36時間ライヴに出演
21:30頃

★2014.1.4(土) 渋谷ラストワルツ
自主企画「AN INCIDENT AT A STREET CORNER」
坂口諒之介/山崎怠雅/中川一郎/vajuwaju

★2014.1.9(木) 新高円寺STAX FRED
弾き語りソロ

★2014.1.10(金) 新宿ソウルキッチン
弾き語りソロ

★2014.1.20(月) 阿佐ヶ谷イエローヴィジョン
弾き語りソロ
グンジョーガクレヨンと競演

★2014.1.21(火) 高円寺Mission's
鳥を見た

★2014.1.28(火) ワイルドサイド東京
山崎怠雅グループ

★2014.2.14(金) 新高円寺STAX FRED
弾き語りソロ
ミヤザキナオコと競演
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大友良英&「あまちゃん」スペシャルビッグバンド@東京・渋谷NHKホール 2013.12.5(thu)

2013年12月07日 07時00分53秒 | こんな音楽も聴くんです


大友良英&「あまちゃん」スペシャルビッグバンドコンサート

出演 大友良英(G)江藤直子(P)近藤達郎(Or,Har)斉藤 寛(Fl)井上梨江(Cl)鈴木広志(Sax)江川良子(Sax)東 涼太(Sax)佐藤秀徳(Tp)今込 治(Tb)木村仁哉(Tuba)大口俊輔(Acc)かわいしのぶ(B)芳垣安洋(Ds)小林武文(Ds,Per)上原なな江(Per)相川 瞳(Per)Sachiko M(Sinewaves)

9月末にあまちゃんを卒業しそこなった落第生ことわたくし大友良英も、いよいよ来月12月をもって、あまちゃんを卒業します。
久慈に取材に行き、テーマ曲のデモを作ったのが昨年の夏、「潮騒のメモリー」のデモを録音をしたのが昨年の12月31日夜から1月1日早朝にかけて。まさに紅白の真っ最中。それからは、作曲に次ぐ作曲、録音に次ぐ録音、そして急遽決まったサントラや劇中歌CDの発売やコンサートと怒濤の1年でした。
そしていよいよファイナル、年内であまちゃんスペシャルビッグバンドの解散も含め、あまちゃん関連は全て終了予定です。もうひと仕事。ということで、あまちゃん祭り、最後の余韻を一緒に楽しみましょう。
大友良英のJAMJAM日記より)



NHK連続テレビ小説『あまちゃん』に興味を持ったのは、初夏のTLにあまネタが続出し気になっていた頃、家人に薦められて観たのがきっかけだった。お座敷列車の少し前だったと記憶する。アイドルを目指す地方女子のひたむきさに惹かれて朝の日課として観るうちに、時にストーリーとは無関係に挿入される音楽ネタに心奪われると同時に、NHKや関係者は勿論、プロアマ問わずフォロアーたちの普通じゃない入れ込みぶりや悪ノリが面白く、筆者の妄想力を大いに刺激してくれた。

<あまちゃん妄想記事>
その1 あまコンピ
その2 関西NO WAVE即興音楽



長年の愛好家にとっては、イマジネーション(空想・想像)、さらにデルージョン(妄想)を掻き立ててくれる音楽こそ最高に面白い。音楽そのものの感動は何物にも代えがたいが、それ以上に本質を離れた無意味な周辺情報の中に意味を見出す妄想力により脳内分泌されるドーパミンが、快楽中枢を刺激し120%自己陶酔の絶頂感をもたらす。そういう意味では、ブログ記事も真面目なライヴレポートよりも、フルーツ対決とか、陰謀論とか、数え歌(Part1Part2Part3Part4Part5)とかの妄想企画に気力と労力を費やしているのが現実である。



『あまちゃん』は妄想ネタの宝庫であり、本筋と離れれば離れるほど魅力を増す不思議なドラマだった。劇中音楽はいわば『妄想症のための伴奏曲(Acompanied Music for Paranoia)』であり、それをアヴァンギャルソンである大友良英が手掛けていたのは偶然ながら幸運だった。地下音楽愛好評議会に於いても、相手が大友ならば、某都知事のように代表質問で血祭りに挙げられる心配はない。



あまちゃんなりきりセットが設置された紅白の聖地NHKホールにて開催されたスペシャルビッグバンド(SBB)解散前夜祭(本番は年末新宿ピットイン2Days)では、オープニングからエンドロールまでパラノイア・フレンドリーな楽曲の連続で大いに溜飲を下げた。特に打倒ジュンコの使命を帯びたサチコ組の刺客Sachiko Mのサインウェーヴによる耳鳴りに似た感覚に、今年2月代官山で経験したスワンズ・ショックの記憶がフラッシュバックし、激動の2013年のプチ締め括りに相応しい一夜だった。





アーティストの公演では長蛇の列が出来る物販コーナーには、あまタオル、あま鉢巻、あま団扇、あまTシャツ、うに丼などのオリジナルグッズは皆無で、どこの書店やCDショップでも購入可能なガイドブックやCDが並ぶのみで拍子抜けしたが、誰も顧みることの無い出演者グッズコーナーの端に放置された数枚のアナログ盤を目ざとく発見し、救出に至った。2014年2月全日本カオス軍団「Multiple Tap」の受け入れ先であるロンドンCafe OTOが制作した限定500枚プレスLPのひとつであり、禁制品ではないものの、まさか芸能界の牙城NHKホールで取引されるとは、演奏者や制作者は勿論、レコード本人も予想だにしなかったに違いない。

▼Otomo Yoshihide / Sachiko M / Evan Parker / John Edwards / Tony Marsh / John Butcher - Quintet/Sextet(OTOROKU ROKU0009)


かくも数奇な運命を辿り、西東京方面にあるマンションの一室で、ターンテーブルに乗せられ、1分間に33.33333...回転する塩ビ盤は、即興演奏とはかくあるべし!、という確信に満ちた音響を再生し、愛好家/妄想家に至福の悦びを与えながら、レコードに生まれて良かったとばかり、嬉々として廻り続けるであろう。



セットリスト
<第1部>
01. オープニングテーマ
02. 行動のマーチ
03. あまちゃんクレッツマー
04. あまちゃんワルツ
05. 琥珀色のブルース
06. 地味で変で微妙
07. 銀幕のスター
08. 芸能界
09. ミズタク物語
10. アイドル狂想曲
<第2部>
11. トンネル~大地(※ゲスト:Sachiko M)
12. 友情と軋轢(※ゲスト:Sachiko M)
13. 奈落のデキシー(暦の上ではディセンバー)
14. 上野アメ横 1984
15. アキのテーマ
16. 地元に帰ろう
17. TIME
18. 希求
19. 海
20. 灯台
<アンコール>
21. 潮騒のメモリー
22. オープニングテーマ

★ライヴレポートはコチラ
★批評対談『あまちゃん』──13年最大のヒット作にしてクドカンの新代表作、その"凄み"と"食い足りなさ"はコチラ

売れる=大衆に媚びる、というステレオタイプな分類が如何に無意味なことか証明したのが「あまちゃん」であり「サチコ・エム」なのである。

あまロスに
なることはない
妄想家

BiS階段・初音階段と並び、2013年最大のカオスを演出してくれたあまちゃん&OTOMOに感謝したい。昨年末「潮騒のメモリー」の締め切りを放っぽって、大友とマル非がギャーッと騒いだノイズ電車 in PITINNは、両者の2013年の大躍進のきっかけとなった歴史的イベントだった。長い人生、ときには羽目を外してアホになりきることが成功の秘訣なのである。
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永久少年がめざす最果てへの旅路~スピッツ『小さな生き物』

2013年09月11日 00時28分24秒 | こんな音楽も聴くんです


●スマップとセックス・ピストルズとハイロウズとBJCとTMGEとスピッツの追想





朝のワイドショーでスマップがシングル50曲をメドレーで歌う映像をなにげ無く観ていた。決して交わりそうも無い筆者とスマップだが、実は馴染みの曲がある。「青いイナズマ」「SHAKE」「ダイナマイト」「セロリ」の4曲。何故か? 私のカラオケの十八番だったのである。

テレビで流れるようなJ-POPや歌謡ポップスには無縁の8/90年代を過ごしたので、カラオケには殆ど興味がなかった。付き合いやパーティ等でマイクが廻って来ると、GSかうろ覚えのフォークや演歌をガナッて、場をシラケさせるのが常だった。それが無類のカラオケ好きになったきっかけはセックス・ピストルズの来日公演だった。1996年11月武道館、10年ぶりに会った中学時代の悪友と一緒に観に行った。金儲けのためと明言した再結成ツアーは賛否両論だったが、やはり観ておいて良かったと思う。コンサートのあと、別れが名残惜しくて六本木のカラオケボックスに行った。初めて本格的な洋楽カラオケが導入され評判の店。それまでもオールディーズやビートルズや全米大ヒットのカラオケはあったが、その店ではハードロックやプログレやパンクのカラオケがあった。ふたりでピストルズやクラッシュやラモーンズ、クリムゾンやパープルやツェッペリンを歌いまくった。英語は怪しかったが、好きな曲を堂々と歌えるのがとにかく快感だった。

一度歓びを覚えて以来、カラオケに行くのが愉しみになった。丁度通信カラオケの全盛期で、楽曲数が一気に増え、それまで無かったマニアックな曲も歌えるようになった。しかし誰も知らないレア曲ばかりではシラケるので、ヒット曲を歌おうと覚えたのがスマップだった。他にはハイロウズやブランキー・ジェット・シティやミッシェルガン・エレファントが得意だったが、全曲アップテンポだと流石にキビシイ。そんな時にはスピッツが最適だった。草野マサムネのハイトーンは喉に負担がかかるが、酒を飲むと不思議に声が出た。連続で歌って声を潰し、さらに酔い潰れて沈没するのが常だった。



特別付録:筆者のカラオケ・ベスト5
・ハイロウズ「月光陽光」
・ブランキー・ジェット・シティ「赤いタンバリン」
・スピッツ「冷たい頬」
・スガシカオ「ぼくたちの日々」
・井上陽水「傘がない」(同時通訳付)


●スピッツ『小さな生き物』


スピッツの3年ぶりの14thアルバム『小さな生き物』がリリースされた。今までジャケットには女性を起用してきたが、珍しく男性モデルのアートワークである。『空の飛び方』よろしくハンググライダーで飛び立とうとする少年像は、長編映画引退を表明した宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』へのオマージュか? 筆者が大学入学当時、ハンググライダー部への入部を望んでいたという事実は知る由もなかろう。スピッツにとっての新たな旅立ちを示唆するのかもしれない。

しかし、先行シングルの「さらさら」でも明らかな通り、アルバム全体には特に新機軸への挑戦はない。昔ながらのマサムネ節が貫かれている。デビュー作『ヒバリのこころ』以来スピッツの歌には「空」「宇宙」「鳥」など「ハネモノ」に溢れている。夢占いでは「空を飛ぶ夢」のキーワードは、永遠の少年/自由な冒険心/性的欲求である。スピッツのシンボル・カラーは間違いなく「青」であり、それは「ブルース」に通じる。「ブルース=青春」であることは既に証明済み。そう考えるとスピッツとは青春を生きる少年の自由な空想力と欲求不満の苦悩を描き続けるバンドだと考えられる。草野マサムネのナイーヴな感性は永遠の少年そのものであり、それは45歳の中年になった今も変わることは無い。如何に変わっていないのかの証明に、1991年のデビュー曲「ヒバリのこころ」と22年後の最新シングル「さらさら」マッシュアップをご覧頂きたい。
→→コチラ(うるさかったら音声OFFにして下さい)



♪負けないよ 僕は生き物で 守りたい生き物に 出会えるって 思いもしなかった もう一度果てをめざす(小さな生き物)
♪あなたに会いたいから どれほど 遠くまででも 歩いていくよ 命が 灯ってる限り・・・ 人は皆もっと自由で いられるものだと(ランプ)
♪眠りにつくまで そばにいて欲しいだけさ 見てない時は自由でいい まだ続くと信じてる 朝が来るって信じてる 悲しみは忘れないまま(さらさら)
♪星空を 見るたびに思い出す さよならも 言えないままだった 少し苦く 少し甘く もらった言葉消さないもう二度と(スワン)
♪飛びたい 飛びたい 飛びたいな 飛びたい 飛びたい 飛びたいな(潮騒ちゃん)
♪僕はきっと旅に出る 今はまだ難しいけど 未知の歌や匂いや 不思議な景色探しに(僕はきっと旅に出る)

描かれた13篇のショート・ストーリーは旅立ちの予感に満ちている。刹那的な逃避行ではなく、自由で未知の世界でのあなたとの出会いを信じて最果てを目指す旅路。「けものたちは故郷をめざす」(1957/安部公房)、「青年は荒野をめざす」(1967/五木寛之)、「少年は荒野をめざす」(1987/吉野朔実)、「うたは自由をめざす!」(2003/SOUL FLOWER UNION)、「クローンは故郷をめざす」(2009/中嶋莞爾)。
さてスピッツの4人がめざす先はいずこ?(ねこ)



めざす先
小さな生き物(ねこ)
待っている

●参考
1991年デビューのアーティスト
2月10日 - ZARD/Good-bye My Loneliness
2月14日 - Mi-ke/想い出の九十九里浜
3月25日 - スピッツ/ヒバリのこころ
4月12日 - BLANKEY JET CITY/不良少年のうた(シングル)、Red Guitar And The Truth(アルバム)
4月21日 - フィッシュマンズ/ひこうき、LUNA SEA/LUNA SEA
5月21日 - the pillows/雨にうたえば
6月14日 - ORIGINAL LOVE/DEEP FRENCH KISS
7月10日 - T-BOLAN/悲しみが痛いよ
8月21日 - KIX-S/KIX-S
8月29日 - 黒夢/黒夢
9月9日 - SMAP/Can't Stop!! -LOVING-
9月21日 - CHARA/Heaven
10月9日 - 高橋洋子/おかえり
12月4日 - WANDS/寂しさは秋の色
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残酷な少年のテーゼ~牛田智大、ホールデン・コールフィールド、ジルベール・コクトー、そして谷口宗一

2013年09月01日 01時27分06秒 | こんな音楽も聴くんです


昨年3月12歳でCDデビューし、史上最年少ピアニストとして話題になった牛田智大君がNHK「朝イチ」に出演し、"美しすぎてヤヴァい"と驚愕とともに大きな話題になっている。今年6月にセカンド・アルバム『献呈~リスト&ショパン名曲集』、8月には初のDVD『献呈~牛田智大ピアノ名曲集』がリリースされたばかり。そのプロモーションの一環だが、『あまちゃん』効果で視聴率急上昇の『朝イチ』に出たことで、まったく無防備の一般視聴者に大きなショックを与える効果があった。

視聴者の声:
ーNHK朝イチで13歳のピアニスト、牛田智大くん。女の子のような可愛らしい容貌、まだ声変わりしてない黄色い声、アイドルばりの作り笑顔で、で、話すと、内容も話し方も大人びてて。世の中には、こんな無菌室で純粋培養されたような少年が存在するんだな、と驚愕。これからの成長、要チェックだな。
ー牛田智大くん、画像検索の時点で雰囲気がなんかこれヤバいな、昔の少女マンガに出てくる美少年みたいな感じで、二次元感すごいし、とはいっても単純にカワイイとか綺麗ーとか言えない感じあるな なんだこれ

単に美少年というだけでなく、日経新聞を愛読し、驚くほど丁寧なことばづかいで話し、そして漬け物とみそ汁が大好きだという、13歳とは思えないキャラクターに誰もが驚愕したわけだ。好きなアイドルとして、作家重松清の名前を挙げ、AKB48については「知らない」と言う世俗にまみれていないイノセントな魅力は、天野アキの天真爛漫さと同様、現代社会に於いて限りなく貴重な果実である。



勿論「ショパン国際ピアノコンクール in Asia」において、史上初となる5年間続けての1位受賞記録を持つピアノ演奏の素晴らしさは世界的に有名な音楽家からも絶賛を浴びる。

ー彼は才能豊かでピアノの技術は高度です。さらに美しいタッチで演奏します。(ラン・ラン)
ーあなたの演奏に多くの可能性と才能を感じることができました。素晴らしい点はそれぞれの音にしっかりとした意思と主張があること、そして多様な色彩感にも溢れていることです。技術面においても申し分なく、情感豊かに旋律を歌っていた点が優れていると感じました。(アンジェイ・ヤシンスキ/第14-16回ショパン国際コンクール審査委員長)

それにしてもデビュー時と現在のポートレイトを見比べると、少年の1年間の成長ぶりに恐ろしい程の戦慄を覚える。少年期とは一生で最も残酷な季節である、とはジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』を読んでの筆者の感想だが、牛田君はそれを体現する"アンファン・テリブル(Les Enfants Terribles)"に違いない。




●ホールデン・コールフィールド


"牛田"を英訳すれば「Cow Field(カウフィールド)」。連想すべきは「コールフィールド」、すなわち3年前に逝去したJ・D・サリンジャーの代表作『ライ麦畑でつかまえて(The Catcher in the Rye)』の主人公、ホールデン・コールフィールド(Holden Caulfield)である。1952年の初邦訳版は『危険な年齢』と題されたこの小説でコールフィールドは16歳の高校生として描かれる。高校をドロップアウトして放浪し、攻撃的な言動を繰り返し、アルコールやタバコを乱用する生き様は、一見牛田君の純粋さと対極にあるように思えるが、自身の落ちこぼれ意識や疎外感に苛まれる少年らしい潔癖さやデリケートな感性は、間違いなく残酷な季節を生きる恐るべき子供の肖像である。思春期特有の断罪意識ゆえ精神に支離滅裂な破綻を生じたコールフィールドがもし音楽を奏でたら、慈愛に満ちたフレーズが流れ出したかもしれない。






●ジルベール・コクトー


色白で長髪の自意識過剰な美(非)少年だった高校時代の筆者に同級の女子が付けたニックネームは「ジルベール」。当時人気を博した少女漫画『風と木の詩』(竹宮恵子作)の主人公のひとり、ジルベール・コクトーに由来する。フランスの上流階級の2人の主人公、華麗なジルベールと誠実なセルジュの切ない愛を描いたこの作品は、「少年愛」のテーマを本格的に扱った漫画作品であり、少年同士の性交渉、レイプ、父と息子の近親相姦といった過激な描写でセンセーショナルな衝撃を読者に与えた。現在のレディコミックならば保守的過ぎる描写だが、当時は「ベッドで男女の足が絡まっているのを描いただけで作者が警察に呼び出された」(竹宮恵子)という時代であり、如何にスキャンダラスな挑戦だったか想像して欲しい。中でも少女のように美しい妖艶な14歳の少年で、多くの男達と破滅的な関係を持つジルベールこそは、禁断の愛の象徴であり、時代の改革の急先鋒だった。現在でも数多くのオマージュ作品やコスプレの対象になっている。






牛田智大君とホールデン・コールフィールドとジルベール・コクトー。この三者はすなわち「最も残酷な季節」を形作るトライアングルの三つの辺に他ならない。そして季節は巡る。小説や漫画の登場人物とは違い、牛田君には成長という更なる残虐の掟が待ち受けている。彼が人生の荒波を如何に生き抜くか、芸術的感性の成長と共に温かくも守りたいと思う。

いつまでも
子供のままじゃ
いられない

●谷口宗一&BAKU


永遠の少年であることを追求したものの、成長と共に永遠い夢を食べ続けることを断念せざるを得なかった谷口宗一率いるBAKUも残酷な季節の徒花だった。




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