A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

スワンズ@代官山 UNIT 2013.2.19 (tue)

2013年02月21日 00時53分11秒 | 素晴らしき変態音楽


SWANS

傑作『The Seer』を携え帝王SWANS、いよいよ日本上陸! サウンドシステムのリミット無し! 120分を超える緊縛のライブ・パフォーマンス!! 奇跡ともいえる、オルタネイティヴ・ロックの帝王の一夜限りの来日公演決定!!!
※ 今回のSWANSの来日公演はバンド側の要望により長時間、大音量でのパフォーマンスとなる為、お客様に余裕のある空間でライブを楽しんでいただくよう400人限定とさせていただいております。
代官山UNIT HPより)

スロッビング・グリッスルの「グレイテスト・ヒッツ」のサブタイトルは「Entertainment Through Pain(苦痛による娯楽)」である。このタイトルこそスワンズ日本公演に相応しい。

「圧巻」「爆音」「狂気」と大文字で記してレポ終わり。という訳にはいかないので雑感を記そう。

スワンズは1980年初めにソニック・ユースとともにニューヨーク・アンダーグラウンドの悪の華として登場したノイズ・ロック・バンドである。パンク的な激情と性急なビートとジャンクなアートワークで派手に紹介されたソニックスに比べスワンズのサウンドは陰鬱なダークネスに彩られておりサイキックTVに似たロゴの匿名ジャケはより秘教的・神秘的なイメージがあった。当時尖がったニューウェイヴァーだった私は即座にソニックスに惚れ込んだがスワンズはあまり聴かなかった。今回の来日もこれが最後のチャンスとチケットは速攻押さえたが、予習しようとレコード棚を探したらアナログは見つからず80年代後半のライヴCD1枚しか無かった。クリス&コージー:OK・サイキックTV:NG/ツェッペリン:OK・パープル:NG/ももクロ:OK・AKB:NGというのに似ているかもしれない。

マイブラほどではないが来日に際して「伝説」「最高峰」といった形容詞を冠した記事やツイートが飛び交った。記憶の中ではソニック・ユースとは人気に雲泥の差があるので「また再評価バブルかよ」と思いつつUNITのHPを見ると上記の注意書きが。”バンドからのリクエストは「2時間を超えるパフォー マンス」と「サウンド・システムのヴォリュームにリミット無し」”という一文も。こいつは未体験ゾーン間違いなしと期待と不安を胸に代官山に向かう。

会場の外の列は30代男性中心で思ったより若い。外国人や年季の入ったロック猛者の姿もちらほら。整理番号が早かったのですんなり最前列を確保。8台並ぶアンプの壁が圧迫するような存在感で屹立する。PAからアシッドフォークやブルースやクラウトロックが流れている。本人の選曲だったのかもしれない。→マイケル・ギラのお気に入りのアルバム

開演時間を15分過ぎてクラフトワーク「アウトバーン」が流れると客電が落ちる。不良外人を絵に描いたような風体のメンバーが登場。ここから先のライヴレポはコチラが詳しいので割愛。





L to R:クリストフ・ハーン、クリス・ブラウディカ、トール・ハリス、ノーマン・ウェストバーグ、フィリップ・ブレオ、マイケル・ギラ

<似ている人>
マイケル・ギラ(vo.g/オフィシャル・サイトによると正式な発音は「ジーラ」)

「ダイ・ハード」のテロリスト、カール(アレクサンダー・ゴドノフ)

クリストフ・ハーン(ラップ・スティール)

「ダイ・ハード」のテロリスト、ハンス・グルーバー(アラン・リックマン)

ノーマン・ウェストバーグ(g)

ザ・フーのジョン・エントウィッスル

フィリップ・プレオ(ds)

ザ・フーのロジャー・ダルトリー

トール・ハリス(perc)

メタリカのラーズ・ウルリッヒ

クリス・プラウディカ(b)

ウィッシュボーン・アッシュのアンディ・パウエル

最前列はスポットライトが直接当たるのでギラギラ熱くて肌が焼けそう。ギラの圧倒的な存在感はちょっと前に流行った漫画「DEATH NOTE(デスノート)」のキラを髣髴させる。電源ダウン後ギラ様はギターを置き両手を広げて「Liberty!!」と叫ぶ。三島由紀夫の自衛隊バルコニーでの演説のようであった。

2時間半最前列で轟音に晒された挙句の強烈な偏頭痛。耳鳴りというレベルではなく間違いなく身体的ダメージ。何人か知り合いに会い挨拶するが「凄かったね」以外ライヴ内容について語るのは憚られた。悪魔の名前を口にしてはいけない。「ハリー・ポッター」の「ヴォルデモート」のように例のあの人 、名前を言ってはいけないあの人と小声で囁くべし。物販コーナーでは最新アルバムのCDとLP、ロゴTシャツ、シルクスクリーンポスターが売っており男性サイズのTシャツは開演前に売り切れ。三半規管が麻痺してまっすぐ歩けないのでUNITの階段はバベルの塔に上る無限回廊のように終わりなく続く。代官山駅で他の乗客がスワンズ帰りじゃないことが信じられない気分がした。節々の痛む身体で力なく座りスマホをチェックするが画面が滲んで読めない。耳に入る音すべてが非現実的に頭の中でエコーする。容赦ない爆音の後には容赦ない冷気が待っていた。帽子やマフラーで完全防備しても凍える。帰宅するとヤフオクで落札したCDが届いていて聴こうとしたがスピーカーから音が出た途端に吐き気がしてストップ。風呂も入らず布団に入る。空中浮遊する夢を見て目覚めたらまだ30分しか経っていなかった。

翌朝少しは治るかと思ったが右耳に水が入ったように詰まっておりテレビが聞き取れない。会社では電話が聞こえず仕事にならず。普段ラジオを流しているがおしゃべりに耐え切れずストーンズ、コルトレーンをかけたがエモーショナルな音楽は受け付けない。中田ヤスタカ作品なら聴けることを発見し手元にあったMEGのベストとPerfumeのJPNを流しながら作業。アーバンギャルドとマニュエル・ゲッチングもOK。テレヴィジョンはトム・ヴァーラインの脱力ヴォーカルが耳に優しい。午後徐々に回復しりつつあるが偏頭痛は相変わらず。書いているとギラ様の鬼畜の笑顔がフラッシュバックして怖いのでこれにて完。

ギラ様と
ガガ様と
ギリギリガガンガン

果たして回復するのか?
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