<Dynamic>
CDS 715/1-9 9枚組 ¥5800
アッカルド大集成
CD 1
パガニーニ:
(1)「バルカバ」による60の変奏曲
(2)「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による変奏曲
(3)祈りのソナタ
(4)ロッシーニの「タンクレディ」による変奏曲
CD 2
(1)ショーソン:ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲
(2)サン=サーンス:ヴァイオリンソナタ第1番ニ短調Op.75
CD 3
ドヴォルザーク:
(1)弦楽五重奏曲第2番ト長調Op.77
(2)弦楽三重奏曲ハ長調Op.74
CD 4
ドヴォルザーク:
(1)ピアノ五重奏曲イ長調Op.81
(2)4つのロマンティックな小品Op.75
CD 5
(1)ヴェルディ:弦楽四重奏曲ホ短調
(2)ボロディン:弦楽四重奏曲第2番ニ長調
CD 6
(1)ヒナステラ:ヴァイオリン協奏曲
(2)バルトーク:ヴァイオリンソナタ
CD 7
パガニーニの愛器1743年製グァルネリ・デル・ジュズを弾く
(1)タルティーニ(フランチェスカッティ編):コレッリの主題による変奏曲
(2)ミルシテイン:パガニーニアーナ/(3)スーク:愛の歌Op.7の1
(4)サラサーテ:序奏とタランテラ
(5)ショパン(サラサーテ編):ノクターンOp.9の2
(6)ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲第7番
(7)エルガー:気まぐれ女
(8)モシュコフスキ(サラサーテ編):ギターレOp.45の2
(9)ファリャ(コハンスキ編):パントマイム-恋は魔術師より
(10)クロール:バンジョーとフィドル
(11)ショスタコーヴィチ(ツィガーノフ編):前奏曲第10、15番
(12)ラヴェル:ハバネラ形式による小品
(13)ベンジャミン:ジャマイカ・ルンバ/(14)フバイ:そよ風Op.30の5
(15)ドビュッシー:月の光
(16)パガニーニ(シマノフスキ編):カプリス第20、21、24番
CD 8
(1)パガニーニ:ヴァイオリンとファゴットのための3つのデュエット
(2)ロッシーニ:パガニーニによせてひと言
(3)パガニーニ:カンタービレ
CD 9
ロッラ:ヴァイオリンとヴィオラのための3つのデュエットOp.15
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、
マルガレート・バチェル、イダ・レヴィン(Vn)、
トビー・ホフマン、ルイージ・アルベルト・ビアンキ(Va)、
ピーター・ウィレー(Vc)、フランコ・ペトラッキ(Db)、
クラウディオ・ゴネッラ(Fg)、ブルーノ・カニーノ、ノエル・リー(Pf)
今年70歳を迎えたイタリアの巨匠サルヴァトーレ・アッカルド。それを祝い、
彼がイタリアのDynamicレーベルに録音した秘宝が9枚組でセット発売となりま
した。アッカルドといえばパガニーニのスペシャリストで、技巧誇示型ヴィル
トゥオーゾと思われがちですが、室内楽を愛し、親しい仲間たちと見事なアン
サンブルを楽しみつつ披露する顔も持っています。
ショーソンとサン=サーンスのソナタと協奏曲は、ピアノのカニーノの名演も
あいまって絶品。ショーソン特有の退廃的な官能性は薄いものの、アッカルド
のはかなき美音が涙を誘います。ヒナステラとバルトークでの溢れるエネルギ
ーにも驚かされます。さらに絶品なのがパガニーニの愛器1743年製グァルネリ
・デル・ジュズで奏でた小品集。意外にマニアックな選曲で、大半の作品が往
年の大ヴァイオリニストの手の入っているのも特徴。パガニーニゆかりの作品
も、ミルシテインの超難曲「パガニーニアーナ」や、ポーランドの大作曲家シ
マノフスキがパガニーニの無伴奏カプリスに凝ったピアノ伴奏を付けたものな
ど興味津々。また、パガニーニの珍品「ファゴットとヴァイオリンのデュオ」
や、晩年のロッシーニがパガニーニを思い出して作ったヴァイオリンとピアノ
のための「パガニーニによせてひと言」など、単に珍しいだけでなく、さすが
イタリア人作曲家ならではの美しい歌に満ちていて、聴き惚れていまいます。
<Audite>
AU 97536 ¥2250
(1)シューマン:幻想小曲集 Op.73
(2)ドビュッシー:クラリネットのための第1狂詩曲
(3)サン=サーンス:クラリネット・ソナタ変ホ長調 Op.167
(4)プーランク:クラリネット・ソナタ
(5)アーノルド:クラリネットとピアノのためのソナチネ Op.29
アーサー・キャンベル(Cl)、ヘレン・マルレー(Pf)
録音:2005年6月12~15日、2011年14~15日、ロルストン・リサイタルホール
(カナダ)
クラリネット界注目の名手アーサー・キャンベルが、シューマンやドビュッシ
ーをはじめとする珠玉のクラリネット・ソナタ集を収録。数多のクラリネット
・ソナタの中でも名曲と謳われる曲の数々を一度に堪能できる、聴き応えたっ
ぷりな1枚です。どの曲も難易度が高く、自他ともにヴィルトゥオーゾと認め
られるキャンベルの卓越した演奏技術を堪能できるプログラムといえましょう。
共演者のマルレーはキャンベルと共に世界各地で演奏活動を行ってきたパート
ナー。シューマンやドビュッシーのロマンあふれる響きから、ジャズに影響を
受けたアーノルドらしい軽快な響きまで、クラリネットの多彩な魅力が存分に
詰まった1枚です。
<naive>
V 5252 ¥2280
(1)チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 Op.64
(2)ショスタコーヴィチ:祝典序曲Op.96
トゥガン・ソヒエフ(指)
トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団
録音:2010年7月/ラ・アル・オ・グレン(トゥールーズ)
2009年の来日公演でも披露されて、聴いた人々を熱狂させたソヒエフとトゥー
ルーズ・キャピトル管のチャイコフスキーの5番が登場します。その翌年のセッ
ション録音ではありますが、これは確かに凄い! ムーシンとテミルカーノフ
の弟子のソヒエフは、いわゆるペテルブルグ派指揮者ながら、5番の解釈はむし
ろスヴェトラーノフにソックリで、ことに1990年の伝説的な東京ライヴを強く
思い出させます。
特徴的なのは、第1楽章と第4楽章の主部に入ってからのテンポの速さで、いき
おい聴く者をぐいぐい引っ張っていきます。分厚い音、抜群のリズム感とメリ
ハリのきいたフレージング、巨大な盛り上がりは、フランスのオーケストラな
がら久々にソ連時代のモスクワ派チャイ5を聴く感があり、感涙にむせぶひと
ときを与えてくれます。カップリングのショスタコーヴィチは屈折のない爆演
で、オケを盛大に鳴らしているのが流石。フランスのオーケストラならではの
金管の美しさも際立ち、ショスタコーヴィチのオーケストレーションの見事さ
を最大限に発揮させています。ソヒエフ恐るべし。
<Orfeo>
ORFEO 828112 2枚組 ¥2450
J.S.バッハ:ピアノ協奏曲集
(1)第1番ニ短調 BWV1052
(2)第2番ホ短調BWV1052
(3)第3番ニ長調BWV1054
(4)第4番イ長調BWV1055
(5)第5番ヘ短調BWV1056
(6)第6番ヘ長調BWV1057
(7)第7番ト短調BWV1058
コンスタンチン・リフシッツ(Pf)、シュトゥットガルト室内管弦楽団
聴く人の度肝を抜いた「音楽の捧げもの」「フーガの技法」に続くオルフェオ
・レーベルのリフシッツのバッハは待望のピアノ協奏曲集。7篇あるピアノ
(チェンバロ)協奏曲は、すべて元来は他楽器用に書かれたものですが、4作は
オリジナルが何の楽器か判明していません。リフシッツも時にチェンバロ、時
にオーボエ・ダモーレ、またある時はヴァイオリンを感じることを認めていて、
それをリフシッツならではの種々のタッチとだ模倣テクニックを駆使して実現、
さらに作品全体に活気を与えています。リフシッツは古楽的な考証を研究した
うえで、最新の感性と奏法で再現していて説得力満点。カンタービレな歌い回
しはモーツァルトを先取りしているかのようにさえ聴こえ、非常に新鮮。ミュ
ンヒンガーの手兵だったシュトゥットガルト室内管が絶妙に支えています。
<naive>
V 5265 ¥2280
メンデルスゾーン:
(1)「我らに平和と恩恵をお与えください」(1831)
(2)オラトリオ「キリスト」(未完)全2部(1846-47)
(3)カンタータ「おお、血潮したたる主のみかしら
O haupt voll blut und wunden」(1830)
(4)カンタータ「高き天より、われは来たり Vom himmel hoch」(1830)
サンドリーヌ・ピオー(S)、マルクス・ブッター(B)、
ロベルト・ゲッチェル(T)、
ロランス・エキルベイ(指揮)、
アクサンチュス、アンサンブル・オルケストラル・ドゥ・パリ
録音:2011年、6月11日、ノートルダム・デュ・リバン教会(パリ)
アクサンチュス&エキルベイコンビ待望の最新盤。今回収録されたのは、晩年
のメンデルスゾーンが「エリヤ」の次に手掛け、彼の最後のオラトリオとなっ
た作品「キリスト」。全3部の予定でありましたが、激務の過労と姉の死によ
る心労で未完の作品となってしまいました。キリスト降誕と題された第1部は
ソプラノの美しいレシタティーヴォから始まり、東方三賢者との会話が繰り広
げられます。稀代のソプラノ歌手ピオーの透明感あふれる声はまさに天使のよ
う。荘厳なコラールの余韻をしっとりと残して終わる第1部から一変、第2部で
はピラトと民衆の場面がテノールと合唱による劇的な音楽に冒頭から圧倒され
ます。未完でも十分なほどの魅力があるオラトリオ、第3部では一体どのよう
な音楽が展開される予定であったのか…存在しない最終部へと想いを馳せる余
韻に満ちた作品です。今回は残された2部を全て収録しただけでなく、第3部
「キリスト復活」への展開を想起させるような他のカンタータ作品も合わせて
収録。
エキルベイ率いるアクサンチュス合唱団の表現力は本CDでも健在。ピオーとの
共演として好評発売中のフォーレのレクイエム(V 5137)にも劣らぬ名演といえ
るのではないでしょうか。ピオーらをはじめとする名歌手達によるソロはもち
ろん、メンデルスゾーンならではの表現豊かな器楽伴奏も聴きどころのおすす
め盤です。
<日本伝統文化振興財団>
Audio Meister レーベル XRCD
―NHK交響楽団85周年―
年末第9の真打ち企画
前代未聞!豪華装丁!高音質!
NHK交響楽団第9大集成!
第1弾は70年代クロニクル
音質も万全!新たにオリジナルアナログテープをNHK職員立ち合いでビクター
中央林間スタジオにてトランスファーののちXRCD化!
XRCG 30011/8(XRCD) 8枚組 ¥29400
限定盤
NHK交響楽団によるベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」1970年代編
[Disc1]
1973年、ウォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
(NHKホール こけら落とし演奏会)、
A.トモワ・シントウ(S)、荒道子(A)、H.ウィンクラー(Tn)、
R.ヘルマン(Br)、東京芸大(コーラス)、録音:NHKホール
[Disc2]
1973年、ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮)、
中沢桂(S)、春日成子(A)、丹羽勝海(Tn)、岡村喬生、国立音大(コーラス)、
録音:NHKホール
[Disc3]
1974年、オトマール・スイトナー(指揮)、
河原洋子(S)、伊原直子(A)、田口興輔(Tn)、岡村喬生(Br)、
国立音大(コーラス)、録音:NHKホール
[Disc4]
1975年、ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮)、
松本美和子(S)、春日成子(A)、ウィリアム・ウー(呉文修)(Tn)、
木村俊光(Br)、国立音大(コーラス)、録音:NHKホール
[Disc5]
1976年、フェルディナント・ライトナー(指揮)、
エヴァ・ジェポルトヴァー(S)、ヴィエーラ・ソークポヴァー(A)、
ヴィレーム・プジビル(Tn)、カレル・ベルマン(Br)
国立音大(コーラス)、NHKホール
[Disc6]
1977年、ホルスト・シュタイン(指揮)
中沢桂(S)、伊原直子(A)、田口興輔(Tn)、木村俊光(Br)、
国立音大(コーラス)、録音:NHKホール
[Disc7]
1978年、オトマール・スイトナー(指揮)、
曽我榮子(S)、伊原直子(A)、小林一男(Tn)、木村俊光(Br)、
国立音大(コーラス)、録音:NHKホール
[Disc8]
1979年、イルジー・ビェロフラーヴェク(指揮)、
曽我榮子(S)、辻宥子(A)、小林一男(Tn)、木村俊光(Br)、
国立音大(コーラス)、録音:NHKホール
定期的に第9の録音がこれほどまでに残されているオーケストラは世界的にみ
てもNHK交響楽団くらいと思われます。しかも、その指揮者陣は今から思えば
大変な水準でありました。当企画によって第9の奥深さ演奏芸術の面白さに新
たに開眼させられることうけあいです。また、来年末には第2弾の80年代クロ
ニクルが発売予定で年1回づつのリリースとなります。
<LABORIE>
LC 11 2枚組 ¥2080
フェリシアン・ダヴィド(1810-1876):五重奏曲集「四季」より抜粋
CD1:(1)「春」より 第2の夕べ、第3の夕べ、第6の夕べ
(2)「夏」より 第3の夕べ、第5の夕べ、第1の夕べ
CD2:(1)「秋」より 第5の夕べ、第4の夕べ、第6の夕べ
(2)「冬」より 第3の夕べ、第5の夕べ、第6の夕べ
アンサンブル・バロック・ド・リモージュ
録音:(1)2010年4月、ショパン音楽院(パリ)、
(2)2010年6月、ラ・ボリ・アン・リムーザン(フランス)、
(3)2010年9月、ポール・ロワイヤル・デ・シャン修道院(パリ)
(4)2010年12月、ラ・ボリ・アン・リムーザン(フランス)
ダヴィドはパリ音楽院に学び、中東旅行の経験から東洋的エキゾティシズムの
作品を多く残したことで知られる作曲家。ベルリオーズとほぼ同時期を生き、
生前は標題音楽作曲家として名を馳せました。「四季 les Quatre saisons」
は24曲からなる五重奏曲集で、1季節ごとに6つの五重奏曲が入っています。
本CDでは各季節から3曲ずつ抜粋し、全12曲を収録しました。19世紀パリのサ
ロン向けに書かれたというこれらの作品は、軽やかなリズムの中にも気品あふ
れる優雅さに満ちたもの。清々しい高音域の伸びやかなメロディと、深みのあ
るシックな低音域の響きの美しさが絶妙です。
アンサンブル・バロック・ド・リモージュは世界的バロック音楽演奏団体のひ
とつ。バロック音楽を中心としつつも、17世紀から19世紀まで幅広いレパート
リーを持っています。今回も卓越した演奏技術とアンサンブルでダヴィドの
「四季」の世界を多彩な音色で魅せてくれます。今回の収録はガッド弦使用、
a=435hzで行われました。また、録音時期を見ればお分かりのように、抜粋し
た各曲は各表題の季節に収録されており、演奏者達のこだわりが感じられます。
弦楽器の甘美な音色と、どこか異国情緒を感じさせる民族的なリズムが生み出
す独特のハーモニーを是非ご堪能ください!
CDS 715/1-9 9枚組 ¥5800
アッカルド大集成
CD 1
パガニーニ:
(1)「バルカバ」による60の変奏曲
(2)「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による変奏曲
(3)祈りのソナタ
(4)ロッシーニの「タンクレディ」による変奏曲
CD 2
(1)ショーソン:ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲
(2)サン=サーンス:ヴァイオリンソナタ第1番ニ短調Op.75
CD 3
ドヴォルザーク:
(1)弦楽五重奏曲第2番ト長調Op.77
(2)弦楽三重奏曲ハ長調Op.74
CD 4
ドヴォルザーク:
(1)ピアノ五重奏曲イ長調Op.81
(2)4つのロマンティックな小品Op.75
CD 5
(1)ヴェルディ:弦楽四重奏曲ホ短調
(2)ボロディン:弦楽四重奏曲第2番ニ長調
CD 6
(1)ヒナステラ:ヴァイオリン協奏曲
(2)バルトーク:ヴァイオリンソナタ
CD 7
パガニーニの愛器1743年製グァルネリ・デル・ジュズを弾く
(1)タルティーニ(フランチェスカッティ編):コレッリの主題による変奏曲
(2)ミルシテイン:パガニーニアーナ/(3)スーク:愛の歌Op.7の1
(4)サラサーテ:序奏とタランテラ
(5)ショパン(サラサーテ編):ノクターンOp.9の2
(6)ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲第7番
(7)エルガー:気まぐれ女
(8)モシュコフスキ(サラサーテ編):ギターレOp.45の2
(9)ファリャ(コハンスキ編):パントマイム-恋は魔術師より
(10)クロール:バンジョーとフィドル
(11)ショスタコーヴィチ(ツィガーノフ編):前奏曲第10、15番
(12)ラヴェル:ハバネラ形式による小品
(13)ベンジャミン:ジャマイカ・ルンバ/(14)フバイ:そよ風Op.30の5
(15)ドビュッシー:月の光
(16)パガニーニ(シマノフスキ編):カプリス第20、21、24番
CD 8
(1)パガニーニ:ヴァイオリンとファゴットのための3つのデュエット
(2)ロッシーニ:パガニーニによせてひと言
(3)パガニーニ:カンタービレ
CD 9
ロッラ:ヴァイオリンとヴィオラのための3つのデュエットOp.15
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)、
マルガレート・バチェル、イダ・レヴィン(Vn)、
トビー・ホフマン、ルイージ・アルベルト・ビアンキ(Va)、
ピーター・ウィレー(Vc)、フランコ・ペトラッキ(Db)、
クラウディオ・ゴネッラ(Fg)、ブルーノ・カニーノ、ノエル・リー(Pf)
今年70歳を迎えたイタリアの巨匠サルヴァトーレ・アッカルド。それを祝い、
彼がイタリアのDynamicレーベルに録音した秘宝が9枚組でセット発売となりま
した。アッカルドといえばパガニーニのスペシャリストで、技巧誇示型ヴィル
トゥオーゾと思われがちですが、室内楽を愛し、親しい仲間たちと見事なアン
サンブルを楽しみつつ披露する顔も持っています。
ショーソンとサン=サーンスのソナタと協奏曲は、ピアノのカニーノの名演も
あいまって絶品。ショーソン特有の退廃的な官能性は薄いものの、アッカルド
のはかなき美音が涙を誘います。ヒナステラとバルトークでの溢れるエネルギ
ーにも驚かされます。さらに絶品なのがパガニーニの愛器1743年製グァルネリ
・デル・ジュズで奏でた小品集。意外にマニアックな選曲で、大半の作品が往
年の大ヴァイオリニストの手の入っているのも特徴。パガニーニゆかりの作品
も、ミルシテインの超難曲「パガニーニアーナ」や、ポーランドの大作曲家シ
マノフスキがパガニーニの無伴奏カプリスに凝ったピアノ伴奏を付けたものな
ど興味津々。また、パガニーニの珍品「ファゴットとヴァイオリンのデュオ」
や、晩年のロッシーニがパガニーニを思い出して作ったヴァイオリンとピアノ
のための「パガニーニによせてひと言」など、単に珍しいだけでなく、さすが
イタリア人作曲家ならではの美しい歌に満ちていて、聴き惚れていまいます。
<Audite>
AU 97536 ¥2250
(1)シューマン:幻想小曲集 Op.73
(2)ドビュッシー:クラリネットのための第1狂詩曲
(3)サン=サーンス:クラリネット・ソナタ変ホ長調 Op.167
(4)プーランク:クラリネット・ソナタ
(5)アーノルド:クラリネットとピアノのためのソナチネ Op.29
アーサー・キャンベル(Cl)、ヘレン・マルレー(Pf)
録音:2005年6月12~15日、2011年14~15日、ロルストン・リサイタルホール
(カナダ)
クラリネット界注目の名手アーサー・キャンベルが、シューマンやドビュッシ
ーをはじめとする珠玉のクラリネット・ソナタ集を収録。数多のクラリネット
・ソナタの中でも名曲と謳われる曲の数々を一度に堪能できる、聴き応えたっ
ぷりな1枚です。どの曲も難易度が高く、自他ともにヴィルトゥオーゾと認め
られるキャンベルの卓越した演奏技術を堪能できるプログラムといえましょう。
共演者のマルレーはキャンベルと共に世界各地で演奏活動を行ってきたパート
ナー。シューマンやドビュッシーのロマンあふれる響きから、ジャズに影響を
受けたアーノルドらしい軽快な響きまで、クラリネットの多彩な魅力が存分に
詰まった1枚です。
<naive>
V 5252 ¥2280
(1)チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 Op.64
(2)ショスタコーヴィチ:祝典序曲Op.96
トゥガン・ソヒエフ(指)
トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団
録音:2010年7月/ラ・アル・オ・グレン(トゥールーズ)
2009年の来日公演でも披露されて、聴いた人々を熱狂させたソヒエフとトゥー
ルーズ・キャピトル管のチャイコフスキーの5番が登場します。その翌年のセッ
ション録音ではありますが、これは確かに凄い! ムーシンとテミルカーノフ
の弟子のソヒエフは、いわゆるペテルブルグ派指揮者ながら、5番の解釈はむし
ろスヴェトラーノフにソックリで、ことに1990年の伝説的な東京ライヴを強く
思い出させます。
特徴的なのは、第1楽章と第4楽章の主部に入ってからのテンポの速さで、いき
おい聴く者をぐいぐい引っ張っていきます。分厚い音、抜群のリズム感とメリ
ハリのきいたフレージング、巨大な盛り上がりは、フランスのオーケストラな
がら久々にソ連時代のモスクワ派チャイ5を聴く感があり、感涙にむせぶひと
ときを与えてくれます。カップリングのショスタコーヴィチは屈折のない爆演
で、オケを盛大に鳴らしているのが流石。フランスのオーケストラならではの
金管の美しさも際立ち、ショスタコーヴィチのオーケストレーションの見事さ
を最大限に発揮させています。ソヒエフ恐るべし。
<Orfeo>
ORFEO 828112 2枚組 ¥2450
J.S.バッハ:ピアノ協奏曲集
(1)第1番ニ短調 BWV1052
(2)第2番ホ短調BWV1052
(3)第3番ニ長調BWV1054
(4)第4番イ長調BWV1055
(5)第5番ヘ短調BWV1056
(6)第6番ヘ長調BWV1057
(7)第7番ト短調BWV1058
コンスタンチン・リフシッツ(Pf)、シュトゥットガルト室内管弦楽団
聴く人の度肝を抜いた「音楽の捧げもの」「フーガの技法」に続くオルフェオ
・レーベルのリフシッツのバッハは待望のピアノ協奏曲集。7篇あるピアノ
(チェンバロ)協奏曲は、すべて元来は他楽器用に書かれたものですが、4作は
オリジナルが何の楽器か判明していません。リフシッツも時にチェンバロ、時
にオーボエ・ダモーレ、またある時はヴァイオリンを感じることを認めていて、
それをリフシッツならではの種々のタッチとだ模倣テクニックを駆使して実現、
さらに作品全体に活気を与えています。リフシッツは古楽的な考証を研究した
うえで、最新の感性と奏法で再現していて説得力満点。カンタービレな歌い回
しはモーツァルトを先取りしているかのようにさえ聴こえ、非常に新鮮。ミュ
ンヒンガーの手兵だったシュトゥットガルト室内管が絶妙に支えています。
<naive>
V 5265 ¥2280
メンデルスゾーン:
(1)「我らに平和と恩恵をお与えください」(1831)
(2)オラトリオ「キリスト」(未完)全2部(1846-47)
(3)カンタータ「おお、血潮したたる主のみかしら
O haupt voll blut und wunden」(1830)
(4)カンタータ「高き天より、われは来たり Vom himmel hoch」(1830)
サンドリーヌ・ピオー(S)、マルクス・ブッター(B)、
ロベルト・ゲッチェル(T)、
ロランス・エキルベイ(指揮)、
アクサンチュス、アンサンブル・オルケストラル・ドゥ・パリ
録音:2011年、6月11日、ノートルダム・デュ・リバン教会(パリ)
アクサンチュス&エキルベイコンビ待望の最新盤。今回収録されたのは、晩年
のメンデルスゾーンが「エリヤ」の次に手掛け、彼の最後のオラトリオとなっ
た作品「キリスト」。全3部の予定でありましたが、激務の過労と姉の死によ
る心労で未完の作品となってしまいました。キリスト降誕と題された第1部は
ソプラノの美しいレシタティーヴォから始まり、東方三賢者との会話が繰り広
げられます。稀代のソプラノ歌手ピオーの透明感あふれる声はまさに天使のよ
う。荘厳なコラールの余韻をしっとりと残して終わる第1部から一変、第2部で
はピラトと民衆の場面がテノールと合唱による劇的な音楽に冒頭から圧倒され
ます。未完でも十分なほどの魅力があるオラトリオ、第3部では一体どのよう
な音楽が展開される予定であったのか…存在しない最終部へと想いを馳せる余
韻に満ちた作品です。今回は残された2部を全て収録しただけでなく、第3部
「キリスト復活」への展開を想起させるような他のカンタータ作品も合わせて
収録。
エキルベイ率いるアクサンチュス合唱団の表現力は本CDでも健在。ピオーとの
共演として好評発売中のフォーレのレクイエム(V 5137)にも劣らぬ名演といえ
るのではないでしょうか。ピオーらをはじめとする名歌手達によるソロはもち
ろん、メンデルスゾーンならではの表現豊かな器楽伴奏も聴きどころのおすす
め盤です。
<日本伝統文化振興財団>
Audio Meister レーベル XRCD
―NHK交響楽団85周年―
年末第9の真打ち企画
前代未聞!豪華装丁!高音質!
NHK交響楽団第9大集成!
第1弾は70年代クロニクル
音質も万全!新たにオリジナルアナログテープをNHK職員立ち合いでビクター
中央林間スタジオにてトランスファーののちXRCD化!
XRCG 30011/8(XRCD) 8枚組 ¥29400
限定盤
NHK交響楽団によるベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」1970年代編
[Disc1]
1973年、ウォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
(NHKホール こけら落とし演奏会)、
A.トモワ・シントウ(S)、荒道子(A)、H.ウィンクラー(Tn)、
R.ヘルマン(Br)、東京芸大(コーラス)、録音:NHKホール
[Disc2]
1973年、ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮)、
中沢桂(S)、春日成子(A)、丹羽勝海(Tn)、岡村喬生、国立音大(コーラス)、
録音:NHKホール
[Disc3]
1974年、オトマール・スイトナー(指揮)、
河原洋子(S)、伊原直子(A)、田口興輔(Tn)、岡村喬生(Br)、
国立音大(コーラス)、録音:NHKホール
[Disc4]
1975年、ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮)、
松本美和子(S)、春日成子(A)、ウィリアム・ウー(呉文修)(Tn)、
木村俊光(Br)、国立音大(コーラス)、録音:NHKホール
[Disc5]
1976年、フェルディナント・ライトナー(指揮)、
エヴァ・ジェポルトヴァー(S)、ヴィエーラ・ソークポヴァー(A)、
ヴィレーム・プジビル(Tn)、カレル・ベルマン(Br)
国立音大(コーラス)、NHKホール
[Disc6]
1977年、ホルスト・シュタイン(指揮)
中沢桂(S)、伊原直子(A)、田口興輔(Tn)、木村俊光(Br)、
国立音大(コーラス)、録音:NHKホール
[Disc7]
1978年、オトマール・スイトナー(指揮)、
曽我榮子(S)、伊原直子(A)、小林一男(Tn)、木村俊光(Br)、
国立音大(コーラス)、録音:NHKホール
[Disc8]
1979年、イルジー・ビェロフラーヴェク(指揮)、
曽我榮子(S)、辻宥子(A)、小林一男(Tn)、木村俊光(Br)、
国立音大(コーラス)、録音:NHKホール
定期的に第9の録音がこれほどまでに残されているオーケストラは世界的にみ
てもNHK交響楽団くらいと思われます。しかも、その指揮者陣は今から思えば
大変な水準でありました。当企画によって第9の奥深さ演奏芸術の面白さに新
たに開眼させられることうけあいです。また、来年末には第2弾の80年代クロ
ニクルが発売予定で年1回づつのリリースとなります。
<LABORIE>
LC 11 2枚組 ¥2080
フェリシアン・ダヴィド(1810-1876):五重奏曲集「四季」より抜粋
CD1:(1)「春」より 第2の夕べ、第3の夕べ、第6の夕べ
(2)「夏」より 第3の夕べ、第5の夕べ、第1の夕べ
CD2:(1)「秋」より 第5の夕べ、第4の夕べ、第6の夕べ
(2)「冬」より 第3の夕べ、第5の夕べ、第6の夕べ
アンサンブル・バロック・ド・リモージュ
録音:(1)2010年4月、ショパン音楽院(パリ)、
(2)2010年6月、ラ・ボリ・アン・リムーザン(フランス)、
(3)2010年9月、ポール・ロワイヤル・デ・シャン修道院(パリ)
(4)2010年12月、ラ・ボリ・アン・リムーザン(フランス)
ダヴィドはパリ音楽院に学び、中東旅行の経験から東洋的エキゾティシズムの
作品を多く残したことで知られる作曲家。ベルリオーズとほぼ同時期を生き、
生前は標題音楽作曲家として名を馳せました。「四季 les Quatre saisons」
は24曲からなる五重奏曲集で、1季節ごとに6つの五重奏曲が入っています。
本CDでは各季節から3曲ずつ抜粋し、全12曲を収録しました。19世紀パリのサ
ロン向けに書かれたというこれらの作品は、軽やかなリズムの中にも気品あふ
れる優雅さに満ちたもの。清々しい高音域の伸びやかなメロディと、深みのあ
るシックな低音域の響きの美しさが絶妙です。
アンサンブル・バロック・ド・リモージュは世界的バロック音楽演奏団体のひ
とつ。バロック音楽を中心としつつも、17世紀から19世紀まで幅広いレパート
リーを持っています。今回も卓越した演奏技術とアンサンブルでダヴィドの
「四季」の世界を多彩な音色で魅せてくれます。今回の収録はガッド弦使用、
a=435hzで行われました。また、録音時期を見ればお分かりのように、抜粋し
た各曲は各表題の季節に収録されており、演奏者達のこだわりが感じられます。
弦楽器の甘美な音色と、どこか異国情緒を感じさせる民族的なリズムが生み出
す独特のハーモニーを是非ご堪能ください!