クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

11-12 No.14-1

2011年12月15日 21時05分51秒 | Weblog
<Deutsche Grammophon>
479 50 ¥1850
734769(DVD-Video) ¥3350
ティーレマン/ドレスデンのジルベスター・コンサート2011
レハール:オペレッタ・ガラ
アンゲラ・デノケ(ソプラノ)
アナ・マリア・ラビン(ソプラノ)
ピョートル・ベチャワ(テノール)
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団・合唱団
指揮:クリスチャン・ティーレマン
録音:2011年12月31日ドレスデン、シュターツカペレ (ライヴ)
ニューイヤーを祝うのはウィーンのみならず、ここドレスデンでも同様。ベル
リンのジルベスター・コンサートとならびドイツの人々が毎年の恒例行事とし
て心待ちにする大晦日のコンサートは、ドイツの公共放送ZDFでライヴ放映さ
れ、昨年に引き続きCDとDVDの2形態でドイツ・グラモフォンからラッシュ・リ
リースされることになりました。ドイツ以外でもオーストリア、スイス、ブル
ガリア、チェコ、フランス、イタリア、ルクセンブルク、マルタ、スロバキア、
スペイン、韓国、台湾、南アフリカ、ポーランド、香港など世界各地で放映が
予定されています。指揮台に立つのは、昨年同様ドレスデン・シュターツカペ
レの首席指揮者、クリスティアン・ティーレマン。デノケ、ベチャワ、そして
新星ラビンなどの豪華歌陣を迎え、喜びにあふれたレハールの名旋律の数々を
披露する予定です。詳細曲目は発表され次第追ってご案内致します。




<東武レコーディングズ>
TBRCD 0015 ¥2200
「管弦楽名曲集」-朝比奈隆・大阪フィル
(1)チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調
(2)リムスキー=コルサコフ:序曲「ロシアの復活祭」
(3)リャードフ:八つのロシア民謡より「愁いの歌」
(4)ウェーバー:「オイリアンテ」序曲
(5)シュトラウス二世:春の声/トリッチ・トラッチ・ポルカ/皇帝円舞曲
朝比奈隆(指揮)
大阪フィルハーモニー交響楽団
録音:
(1)1981年2月16日第172回定期演奏会
(2)1981年2月16日第172回定期演奏会 
(3)1976年11月26日第136回定期演奏会
(4)1974年9月11日第118回定期演奏会
(4)1980年3月14日ABC創立三十周年記念オープニング・コンサート
全曲ライヴ、ステレオ録音(ウェーバーのみモノラル)、
演奏会場:フェスティバルホール、
音源提供: 朝日放送
膨大な数の録音を遺した朝比奈隆ですが、極めて珍しい管弦楽名曲集です。全
て朝日放送秘蔵の蔵出し音源です。「春の声」とリャードフ作品以外はこれが
初の音盤化というのもびっくりです。
巨匠のルーツであるロシア音楽から、このCDは幕を開けます。チャイコフスキ
ーの弦楽セレナードは晩年も取上げた愛奏曲ですが、八十年代前半のエネル
ギッシュな指揮ぶりに感慨新たです。金管を思いっ切り派手に鳴らしたリムス
キー=コルサコフの「ロシアの復活祭」もお見事。そしてこのCDの白眉はヨハ
ン・シュトラウス二世の三曲です。「皇帝円舞曲」のスケールの大きさはク
ナッパーツブッシュにも匹敵し、ワルツの演奏でも巨大な世界を創造してしま
う度胸、自信、個性に感動を禁じ得ません。
日本語、英語による解説付。サウンド・マスタリング:WEITBLICK




<haenssler>
=SWR MUSIC=
93 294 ¥2250
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
ヴェーベルン:夏風のなかで
バーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)
録音:2011年10月29日、11月2 & 3日
フライブルク、コンツェルトハウス(ライヴ・デジタル)
2011/12年のシーズンよりバーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団の首
席指揮者に就任したフランソワ=グザヴィエ・ロト。ロトがあらたな手兵を
指揮してマーラーの第1交響曲を演奏したアルバムは、首席指揮者就任から間
もない時期の2011年秋にライヴ収録されたものです。
1971年パリに生まれたロトは、クラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ
・オ・ジャポン」への度重なる出演を通じて、日本のファンにもその名前が浸
透しつつあるフランスの指揮者。過去の「ラ・フォル・ジュルネ」では、2003
年に自身が創設したピリオド楽器の室内オーケストラ「レ・シエクル」を率い
ての登場でしたが、ロンドン交響楽団やトゥールーズ・キャピトル管弦楽団、
マリインスキー劇場管弦楽団、パリ管弦楽団へも定期的に客演していることか
ら、ロトの人気と実力のほどが窺えます。
マーラーの第1交響曲は、ロト率いるバーデン=バーデン&フライブルクSWR交
響楽団がドナウエッシンゲン音楽祭期間中の2011年9月に本拠フライブルク・
コンツェルトハウスで行われた首席指揮者就任演奏会でも取り上げたプログラ
ム。その意味では、当アルバムは熱狂に包まれた記念すべきデビューの再現と
もいうべきもので、今後の展開におおいに期待をつなぐ内容となっています。
いっぽう、1946年に設立されたバーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団
は、当初のハンス・ロスバウト以来、ミヒャエル・ギーレン、シルヴァン・カ
ンブルランといった顔ぶれが歴代首席指揮者を務め、なかでも後期ロマン派
ら近現代にかけてのレパートリーにすぐれた実績を示してきたオーケストラ。
マーラーのレコーディングでは、ギーレンがクック版による第10番全曲も含め
た交響曲全集を完成させたことからも、マーラー演奏に対する適性とたしかな
実力はすでによく知られるところです。ちなみに、ギーレンとの全集録音中、
第1交響曲は2002年のライヴ収録だったので、このたびのロトとの新盤は、当
楽団にとって9年ぶりのライヴ録音ということになります。
カップリングは、ヴェーベルンの「夏風のなかで」。2012年2月に予定され
当コンビの来日公演曲目である、この作品でも十分な仕上がりを確かめるこ
とができます。
【フランソワ=グザヴィエ・ロト】
1971年パリに生まれたフランスの指揮者。父はオルガニストで作曲家、教育者
としても高名なダニエル・ロト。指揮者に転向する以前はフルートも学んでい
たため、パリ音楽院でアラン・マリオンとヤーノシュ・フュルストのもとで研
鑽を積み、ロンドンのドナテッラ・フリック指揮コンクールで第1位を獲得。
この受賞により、ロンドン交響楽団のアシスタント・コンダクターに任命され、
ジョン・エリオット・ガーディナーのアシスタント・コンダクターも務める
とになる。
これに並行して、ロトはアンサンブル・アンテルコンタンポラン、カーン劇
と密接な関係を築き、さらにトゥールーズ・キャピトル管弦楽団、マリインス
キー劇場管弦楽団、パリ管弦楽団とも関わりを深め、2003年9月にパリ音楽
の指揮科教授となる。2011年9月にはドナウエッシンゲン音楽祭/フライブル
ク・コンツェルトハウスにて、ヴェーベルン、ブーレーズ、マーラーの交響
曲第1番を指揮して、バーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団の首席
指揮者としてデビューを果たす。
ロトのレパートリーは幅広く、17世紀から現代作品に至るまで、また交響曲、
オペラ、室内楽など、精通するジャンルも多岐に亘る。2003年に、ピリオド
楽器の室内オーケストラ「レ・シエクル」を創設、ときにはモダン楽器も柔
軟に使用して多様なプログラムを取り上げている。「レ・シエクル」とは、
日本のラ・フォル・ジュルネのほか、フランス、イタリア、ドイツ、イギリ
スで公演を行っている。
今後、ロトはバーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団との来日公演の
ほかに、ロンドン響、ロッテルダム・フィル、ベルゲン・フィル、アンサ
ブル・アンテルコンタンポラン、フィンランド放送響、グルベンキアン管、
ミュンヘン室内管との共演に加えて、「レ・シエクル」とはケルンのフィル
ハーモニー、ブリュッセルのクララ・フェスティヴァル、ラインガウ・フェ
スティヴァル、ローマの聖チェチーリア音楽院ホールでの公演が予定されて
いる。



<ALTUS>
ALT 220/21 2枚組 ¥3100
ベートーヴェン:
交響曲第4番変ロ長調Op.60
交響曲第3番変ホ長調Op.55『英雄』
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
ライヴ録音:1994年5月17日、ウィーン・ムジークフェラインザール
4ジュリーニ晩年のクレンペラーもかくやのテンポでくりひろげられる重量級
の大ベートーヴェン。このテンポだからこそ、生きてくるウィーン・フィルの
魅力。ティンパニーのあの音、ぶ厚い低音部、味わいの木管など、この濃厚な
る美音!まさにジュリーニとウィーン・フィルならではの充実度でございます。
ちなみにNHK FM放送時大変話題になっておりましたので、ご記憶の方も多いと
思われます。今回のCD化、音質も大変良くムジークフェラインザールの美しい
響きを堪能できます。ORFオリジナルテープよりアルトゥスが直接マスタリング。

ALT 222/23 2枚組 ¥3100
モーツァルト:交響曲第39番
ブルックナー:交響曲第9番
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
ライヴ録音:1983年8月10日、ザルツブルク祝祭大劇場
ウィーン・フィルからたびたび出演依頼を受けながらスケジュールの都合で登
場回数の少なかった貴重コンビのザルツでの大熱演。ここまで火の玉的な熱演
を展開したウィーン・フィルも珍しいのでは!1楽章の緊張感も驚きですが、
2楽章の手に汗握る強烈なリズム感がものすごい。3楽章も椅子に縛り付けられ
んばかりの大演奏。驚きました。サヴァリッシュ自らも推薦する1代の大名演。
音質も良く、ORFのオリジナルテープからアルトゥス直接マスタリング。一味
違う音質に仕上がっています。

ALT 219 ¥2500
ライヴ
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調
朝比奈隆(指揮)、大阪フィルハーモニー交響楽団
ライヴ録音:1975年10月26日、オースターポート大ホール(オランダ)、フ
ローニンゲン
初発売となる本録音はエンジニア平澤佳男が同行録音したもので、大変秀れた
音質で残されておりました。朝比奈らしい不動のインテンポの堂々たる大演奏!
そのうえ特別なヨーロッパでの公演のためかある種ただならぬ緊張感漂う見事
な出来栄え。1楽章コーダなどでのレンジの広さも特筆でアルプスの山々のご
とき雄大さです。
朝比奈/大フィルの1975年ヨーロッパ公演音源
-オランダ・フローニンゲン公演発売にあたって
既に同曲異演盤が多数ある朝比奈隆のブルックナー:交響曲第7番において、フ
ローニンゲン公演をリリースする意味は二つある。一つは、この公演が大阪
フィル1975年ヨーロッパ公演における朝比奈指揮の最終公演であった。ツアー
はこの後秋山和慶の西ドイツ公演にて、無事終了した。朝比奈の代表的名盤と
言われる、ザンクト・フローリアンの名演奏から丁度二週間が経過。当初、長
距離移動や不慣れなヨーロッパ滞在で疲れも見られた楽団員も、すっかり欧州
の空気に馴染み、より完成度の高い演奏となった。もう一つは、この演奏が当
時の大阪フィルのフルメンバーによる、ブルックナー演奏であるということで
ある。ザンクト・フローリアンでは会場の都合で、木管の倍管を止めたが、朝
比奈はこの曲では常に木管の倍管を行っており、本公演の演奏はより朝比奈の
目指したブルックナーの音響と言えるだろう。1975年ヨーロッパ公演は、現地
放送局が収録したモントルー公演、ベルリンSFB公演を除き、全て同行した平
澤佳男により収録された。マスターテープに添付されたデータシートによると、
録音機材はマイクがNeumann SM-69、U-87、レコーダーはREVOX A700で、3M社
製テープが使用された。ライヴ録音としては最高水準のものであり、当然クオ
リティの高い録音が実現した。本CDの制作に当たっては、この録音のクオリ
ティをそのままCD化するべくマスタリングを行った。再生にはStuder A-80を
使用。Summit Audio真空管ラインアンプを経由し、DB Technologies AD122-96
にてデジタル化した。既に幾つかのヨーロッパ公演の音源は発表してきたが、
残念ながら音源の多くが所在不明となっており、その中には当時ラジオ放送
され名演との誉れ高いハイデルベルクのチャイコフスキーも含まれる。しか
し、存在が確認されたものも幾つか有り、ザンクト・フローリアンはオリジナ
ルテープが残っている。また、協奏曲も幾つかあり、これらも何れ発表の機会
を伺いたい。なお、ザンクト・フローリアンはORFリンツにより録音が行われ
ており、このテープの所在についても、調査したいと考えている。
(下田智彦 文中敬称略)

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11-12 No.14-2

2011年12月15日 21時04分43秒 | Weblog
<BIS>
BIS SA 1941(SACD-Hybrid) ¥2500
J.S.バッハ:カンタータ全集Vol.50
(1)第149番「喜びと勝利の歌声で」BWV149
(2)第145番「われは生く、わが心よ、汝の憂いは喜びと化さん」BWV145
(3)第174番「われいと高き者を心尽くして愛をまつる」BWV174
(4)第49番「われは行きて汝をこがれ求む」BWV49
ハナ・ブラシコヴァ(Sop)、ロビン・ブレイズ(A)、
ゲルト・テュルク(Ten)、ペーター・コーイ(Bs)
[録音:2011年2月/神戸松蔭女子学院大学チャペル]
BCJのバッハ・カンタータ全曲シリーズの記念すべき50巻目には1729年頃のい
わゆるピカンダー年巻といわれる、ピカンダーことクリスティアン・ヘンリチ
のテクストによるカンタータのうちの3篇と、1726年作の第49番が収められて
います。興味深いのが第174番冒頭のシンフォニア。何とブランデンブルク協
奏曲第3番第1楽章の流用で、新たに3本のホルンのパートを加筆し、全合奏部
も2つのヴァイオリン、ヴィオラと3本のオーボエで構成されます。また第
番のソプラノ・アリアも当時オシャレの最先端だったポロネーズのリズムを
用いていたりと聴き所満載。チェコの名花ブラシコヴァの美声が光ります。

BIS SA 1784(SACD-Hybrid) ¥2500
シューマン:ヴァイオリンソナタ全集
(1)ヴァイオリンソナタ第1番イ短調Op.105
(2)同第2番ニ短調Op.121
(3)同第3番イ短調WoO2
ウルフ・ヴァリーン(Vn)、ローランド・ペンティネン(Pf)
[録音:2009年7月/旧ストックホルム音楽アカデミー]
先頃リリースしたシューマンのヴァイオリン協奏曲のディスクが好評のヴァ
リーン、今度は3篇のヴァイオリンソナタに挑戦しました。1851年から53年、
シューマンがすでに心を病んで以降の作品だけに、快活さは後退して独特の
くどさに満ちていますが、シューマン好きにはたまらない魅力と申せましょ
う。「F.A.E.ソナタ」のために書いた2つの楽章に、さらに2つの楽章を追加
した第3番も入っているのも嬉しく、曲の良さを実感できます。ヴァリーンは
協奏曲以上に屈折したシューマンの心の闇を巧みに表現、危うい美しさを醸
しています。

BIS 1453 ¥2380
たかの舞俐:作品集2
(1)リガリアンI(2003)-ソプラノサックス、テナーサックスとピアノ
(2)リガリアンII(2003)-オーボエ、十七絃、ヴァイオリン
(3)リガリアンIII(2007)-ヴァイオリンとハープ
(4)リガリアンIV(2007/8)-ソプラノサックス、テナーサックスとピアノ
(5)ジャンゲビリティー(2005/6)-ピアノ
(6)フルムーン(2008/9)-ヴァイオリンとエレクトロニクス
(7)フルート協奏曲「ジェルジ・リゲティの思い出」(2004/6)
ネイサン・ナブ(Sop-sax)、杉原真人(Ten-sax)、ウィンストン・チョイ(Pf)、
安田紀生子(Vn)、南原和子(Hp)、
池田昭子(Ob)、丸田美紀(十七絃)、木村まり(Vn)、シャロン・ベザリー(Fl)
アンネ・マンソン(指)スウェーデン室内管
[録音:2010年2月/彩の国さいたま芸術劇場(1)‐(5)、
2009年10月/ハーヴェストワークス・デジタルメディアアーツ・センター
(ニューヨーク)(6)、2007年5月/エレブロ・コンサート・ホール
(スウェーデン)(7)]
リゲティの愛弟子にして、BISのバール社長が惚れこむ作曲家たかの舞俐。強
烈な印象を残した作品集(BIS.1238)の第2弾が登場。収録曲中、シャロン・ベ
ザリーが独奏を務める協奏曲だけはBIS.1649で出ていたものですが、大半は
昨年彩の国さいたま芸術劇場にてセッション録音されました。彼女の作風はワ
ールドミュージックやポップスの要素も採り入れたオシャレなもので、いわゆ
るゲンダイオンガクではありません。師のリゲティから「女性ホルモンの塊」
と称された不思議な色気もたっぷりで、美術、ファッション、映像等、総合
芸術にピッタリな世界が広がります。演奏陣も豪華。

BIS 1888 ¥2380
リンドベルイ-トロンボーン・ファンタジー
(1)鐘耀光:蒙古幻想曲
(2)同:瞑想(トロンボーンと中華楽器オーケストラのための小協奏曲)
(3)伝承曲(鐘耀光編):呪われし曹操
(4)クリスチャン・リンドベルイ:
野薔薇-語りと中華楽器オーケストラのための
(5)同:クンドラーン
クリスチャン・リンドベルイ(Trb、語り)、邵恩(指)台北中国楽団
[録音:2009年11月/ジョンシャン・ホール(台北)]
最近のBISは中国系とのコラボに熱心ですが、トロンボーンの超人クリスチャ
ン・リンドベルイも中国伝統民族楽団と共演して、台湾の作曲家・鐘耀光の
作品に挑戦しています。彼は京劇の名作「呪われし曹操」も編曲、月琴や胡弓、
銅鑼などがいかにもという調子でトロンボーンをサポートします。「蒙古幻想
曲」はホーミー歌唱の技法をトロンボーンに応用しているのが斬新。「瞑想」
はボードレールの詩に基づく中国的印象主義作品で、滅多に聴けないトロン
ボーンの驚異的な音域と奇妙な効果を用いています。リンドベルイの名人芸
健在です。

BIS 1821 ¥2380
(1)サリー・ビーミッシュ:サクソフォン四重奏と弦楽のための室内協奏曲
(2)スティーヴン・スタッキー:音楽
(3)陳怡:八音
ラシェル・サクソフォン四重奏団、
ロビン・エンゲレン(指)シュトゥットガルト室内管
[録音:2008年11月/リーダークランツ・ホール(シュトゥットガルト)]
現代の三作曲家が違った方法で、サクソフォン四重奏と弦楽オーケストラにア
プローチ。イギリスのビーミッシュはバッハのブランデンブルク協奏曲に規範
とし、4本のサクソフォンが弦と協奏、バロック風ながらスコットランドの伝
統音楽の要素も採り入れています。アメリカのスタッキー作品はビーバップ・
スタイルを思わすノリの良い音楽。陳怡作品のタイトルは、8つの素材(金属、
石、絹、竹、瓢箪、土、革、木)から成る伝統楽器を意味し、作曲者がかつて
中国の村で聴いた民俗音楽の印象を再現しようとしました。すべてラシェル
・サクソフォン四重奏団のために書かれ、さすが効果満点です。

BIS 1872 ¥2380
ネアゴー:ヴァイオリン協奏曲集
(1)明るい夜(ヴァイオリン協奏曲第1番。ヴァイオリンと室内管弦楽
(1986/2002)
(2)時空(1991)
(3)ヴァイオリン協奏曲第2番「境界線」
ペーテル・ヘルスタール(Vn)、
ロルフ・グプタ(指)スタヴァンゲル交響楽団
[録音:2010年8月/スタヴァンゲル・コンサート・ホール(ノルウェー)]
ニールセン以後デンマーク最大の作曲家ペア・ネアゴー2012年の生誕80年を記
念して、作曲者立会いのもと3篇の協奏作品が新録音。「明るい夜」は当録音
のためにヴァイオリンと室内管弦楽用に特別作られた版により、この曲の持
つ不思議な音の薄い層の効果が増しています。ヴァイオリン協奏曲第2番「境
界線」は、ふたつの異なる調性形態によるオーケストラ伴奏と独奏の関係を
考慮したタイトルとなっています。一方は西洋平均律音階、もう一方は低弦の
ハーモニックスが引き起こす微分音で、作曲者によればリスナーの耳に「月の
暗部のような」未知な感覚を与えてくれるとのこと。




<Simax>
PSC 1306 ¥2280
フィン・モッテンセン:管弦楽作品集
(1)交響曲Op.5(1953) 
(2)ペッツォ・オルケストラーレ(管弦楽小品)Op.12(1957)
(3)エヴォリューション(展開)Op.23(1961)
(4)ペル・オルケストラ(管弦楽のために)Op.30(1967)
テリエ・ミケルセン(指)ミュンヘン放送管
録音 2011年3月21日-25日 バイエルン放送第1スタジオ(ミュンヘン)
「演奏してはならぬ」と作曲者がスコアに記し、長らくベルゲンの公立図書館
に封印されていたグリーグの交響曲の初録音(Simax PSC1091)を手がけ、一般
に知られていない作品の紹介に取り組むノルウェーの指揮者ミケルセンが、時
代の変化とともに影の薄くなってしまっていたひとり、ノルウェー音楽におけ
るモダニズムの先駆者に挙げられるフィン・モッテンセン(1922-1983)の管弦
楽作品を4曲録音しました。交響曲は、モッテンセンが留学先のコペンハーゲ
ンで 十二音音楽に触れる前1953年の作品。約37分の情感ゆたかな音楽は、ブ
ルックナーからインスピレーションを受けたといわれ、後期ロマン派様式で
モッテンセンの管弦楽曲中もっとも知られた作品。
テリエ・ミケルセン(1957-)は、ノルウェー音楽アカデミーとシベリウス・ア
カデミーを経てマリス・ヤンソンスに学んだ後、ウクライナ、リトアニア、ラ
トビアの交響楽団の首席指揮者と客演指揮者を務めました。音とバランスと
テクスチュアのコントロールに長け、作品を劇的にまとめる巧さが高い評価
を受けています。




<Ligia>
LIDI 0104237 ¥2250
アンリ・カロル(1910-1984):
(1)クリスマスの名曲に基づく小組曲(全4曲) 
(2)オーヴェルニュのクリスマス (3)ブザンソンのクリスマス 
(4)ニコラ・マルタンのクリスマスキャロルに基づく変奏とポストリュード
「新たな、新たな…」 
(5)ヴェラーヴのクリスマスキャロルに基づくオルガンのための8つの変奏曲
(6)ブルボネのクリスマス(オルガンのための8つの変奏曲)
(7)プロヴァンスのクリスマス (8)プロヴァンスのクリスマスに基づく
オリヴィエ・ヴェルネ
録音:2010年12月、サン=シャルル教会(モナコ)
マリー=クレール・アラン、ミシェル・シャピュイら大家のもとで学び、今や
フランス・オルガニストを代表するオルガニストに名を連ねる名手オリヴィエ
・ヴェルネが、南仏の現代作曲家アンリ・カロルを取り上げた注目の新盤をリ
リースしました!カロルは南仏の歴史ある町モンプリエ生まれの音楽家。オル
ガニスト兼ピアニストとして活躍し、モンプリエ、次いでモナコの教会付オル
ガン奏者および合唱指導にあたりました。今回は彼が作曲した作品の中からク
リスマスにまつわる作品が収録されています。クリスマスキャロルの名曲を集
めた小組曲は、4曲にわたって救い主イエスの生誕の物語を描いた作品。また、
本CDにはフランスの地方都市のクリスマスを描写した小曲集も収録。リブレッ
トには各地方でのクリスマスの風景を映した写真が載っているので、それぞれ
の情景を思い浮かべながら曲を堪能することも出来ます!

LIDI 0103239 ¥2250
J.S.バッハ:
イタリア協奏曲 BWV 971/協奏曲ニ短調BWV 974より第2楽章アダージョ
無伴奏チェロ組曲第1番 BWV 1007
ヴァイオリン・ソナタ第5番BWV 1018より第3楽章アルマンド
カンタータ「まことの人にして神なる主イエス・キリスト」
BWV 127よりアリア(ハロルド・バウアー編)/シシリエンヌ(W.ケンプ編)
前奏曲 BWV 855a(W.フリーデマンのための音楽帳)
前奏曲BWV 855a(ジロティ編)
「来たれ、甘き死よ」BWV 478(シュメッリ讃美歌集より)
(ハロルド・バウアー編)
アダージョBWV964(無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番より-バッハ編)
平均律第1巻 第8番 変ホ短調 BWV853よりプレリュード
「主よ、人の望みよ喜びよ」(ロラン・マルタン編)
ロラン・マルタン(Pf)
録音:2011年9月22-23日、ミニモ会修道院(ミラボー、フランス)
ヨーロッパで幅広くリサイタルを行っているピアニスト、ロラン・マルタンに
よるバッハの編曲作品集。バッハの優れた音楽性について、「数多の作曲家か
ら編曲されている音楽家として、バッハが飛びぬけて一番であり続けているこ
とがそのことを証明している」と語るマルタン。本CDには、バウアー、ジロ
ティ、ケンプといった巨匠たちによる編曲作品や、バッハ自身が管弦楽の響き
を鍵盤上で再現した「イタリア協奏曲」などが収録されています。最後にはマ
ルタン自身の編曲による有名なカンタータ「主よ、人の望みよ喜びよ」も収録。
「編曲」をテーマとしたオリジナリティあふれるプログラムが魅力の1枚です。
ロラン・マルタンはバッハやハイドン、モーツァルトからシューマン、リス
ト、ムソルグスキーまで幅広いレパートリーを持つピアニスト。とりわけグノ
ーやカスティオン、ベルリオーズなど、フランスもののスペシャリストとして
知られており、近年ではフランス・ロマン派音楽家の再発見と復興演奏に積極
的に取り組んでいます。芯のあるくっきりとしたメロディラインと透明感のあ
る音色が魅力のピアニストです。




<THE MASTERCLASS MEDIA FOUNDATION>
MMF3 039(DVD-Video) ¥2980
ボリス・ベルマン/マスタークラス
ベートーヴェン:エロイカ変奏曲Op.35
生徒:徐
2010年ジェイムズ・モットラム国際ピアノ・コンクールより

MMF3 040(DVD-Video) ¥2980
ボリス・ベルマン/マスタークラス
ドビュッシー:ピアノのために
生徒:アンドルー・マース
2010年ジェイムズ・モットラム国際ピアノ・コンクールより

MMF3 041(DVD-Video) ¥2980
ボリス・ベルマン/マスタークラス
ショパン:スケルツォ第1番ロ短調Op.20
生徒:ソフィー・ディー
2010年ジェイムズ・モットラム国際ピアノ・コンクールより
イギリスの主要な音楽大学、音楽祭などと共同で大演奏家たちのマスタークラ
スを行う非営利団体マスタークラス・メディア・ファンデーション。その記録
映像を貴重な証言として残すことも行っていて、優秀な生徒たちの真剣なレッ
スンに立ち会うことができます。
今回はロシア出身でアメリカを本拠に活躍するピアニスト、ボリス・ベルマン
が講師。ベルマンは1948年モスクワ生まれ。モスクワ音楽院でオボーリンに師
事し、ピアニスト、チェンバロ奏者として活躍しますが、1973年に国外移住。
演奏・録音活動を繰り広げるかたわら、79年からエール大学をはじめとする
アメリカの名門で教鞭を執っています。氏のマスタークラスをまとめた名著
「ピアニストからのメッセージ」は、音楽之友社から日本語版が出ていて、ピ
アノ上級者の好個のアドヴァイス本として用いられています。
ベルマンの名教師ぶりは惚れ惚れするほど。フレンドリーに生徒へ接しながら、
各自の性格を見極め変幻自在に教授法に変えています。生徒に多くを伝えよう
とする真摯な態度と教え方のうまさで、生徒がみるみる上達していくのが実感
できます。また、常に手がカメラに捉えられているため、指遣いやタッチまで
間近で観察でき、学習者はもとより、あらゆるピアノ関係者に超有益。レッス
ンは英語。日本語字幕はありませんが、ピアノを学ぶ人々ならば問題なく理解
できる内容で、これを1本観終えた後には多くを吸収して豊かな気持ちになれ
るはず。家にいながらにして伝説のマスタークラスを受講し、ロシア・ピアニ
ズムの伝統を学べる夢の企画と申せましょう。

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