クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

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10-01 No.12-2

2010年01月16日 18時11分37秒 | Weblog
<ジェイズミュージック・レーベル(日本)>
JMCC-20216 \2800
「赤いはりねずみ」-ウィーンのブラームスと仲間たち
ロベルト・フックス(1847-1927):チェロ・ソナタ第1番ニ短調op. 29
ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899):
ロマンス第1番 ニ短調 op. 243/ロマンス第2番 ト短調 op. 255/ロマンス「甘
美な涙」ト長調op. posth.
アントニン・ドヴォルジャーク(1841-1904):ロンドト短調 op. 94
ヨハネス・ブラームス(1833-1897):
チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調op. 99/ハンガリー舞曲第13番(ピアッティ編)/
子守歌op. 49/4(サルター編)
平野玲音(チェロ)、スレブラ・ゲレヴァ(ピアノ)
<赤いはりねずみ――ウィーンのブラームスと仲間たち> に寄せて
フランクのチェロ・ソナタをメインにしたデビュー盤「レイネデビュー」
(JMCC20202)につづいて、平野玲音が2枚目のディスクをリリースする。それは
<赤いはりねずみ-ウィーンのブラームスと仲間たち>という表題のもと、ブラ
ームス作品と、ブラームスが交友を持った当時のウィーンの作曲家の作品で固
められた明確なコンセプトに基づくアルバムだ。
ブラームスのチェロ作品といえば、2つのソナタがあまりにも有名で、頻繁に演
奏会でも取り上げられている。けれども、ブラームスが高く評価したロベルト・
フックスのソナタとなると、その存在すらほとんど知られていない状態だ。ブラ
ームスは彼を評して「素晴らしい音楽家。すべてがとても繊細に、巧みに、魅力
的に描かれていて、いつも喜びを与えてくれる」と語ったという。試聴盤をきい
て、そうしたブラームスの判断が正しいことを実感した。
全く異なった個性を持ったヨハン・シュトラウス2世もブラームスが高く評価し
た作曲家の一人。そして、ドヴォルジャークは彼がその才能を「発見」し広く
世に送り出した関係にある。彼らの作品も珠玉の輝きを放つものである。そし
て、メインのブラームスのソナタ第2番は、改めて言うまでもなく、チェロとい
う楽器の持つ可能性を突き詰めた名作のひとつである。
平野の近年の活動に接していると、その進境の著しさに驚かされる。演奏家とし
ての経歴の積み方は、大きな回り道をした彼女だが、そこで得た経験が大きく
生かされてきた感がある。以前は知的な面がやや勝っていた印象もあったが、
知・情・意のバランスが高い次元で均衡し、着実に円熟への道を歩んでいる感
がある。そして、彼女の何よりの強みはウィーンを本拠として活動することに
よって音楽の都の伝統をごく自然な形で受け継いでいるところだ。このディス
クは、格好の素材といえる。
(岡本 稔/音楽評論家)




<ALBANY>
TROY1148 \1980
(1)バーバー:ヴァイオリン協奏曲(1939)
(2)デヴィッド・ストック:ヴァイオリン協奏曲(1995)
(3)コープランド:ヴァイオリン・ソナタ(1943)
(ジェラルド・エリアス編、室内管弦楽伴奏版)
アンドレス・カルデネス(Vn)、
イアン・ホブソン指揮
(1)(2)シンフォニア・ヴォルソヴィア、
(3)シンフォニア・ダ・カメラ
録音:2004-2007年
20世紀アメリカのヴァイオリン協奏曲集。アダージョで有名なバーバーのヴァイ
オリン協奏曲は予想に違わぬロマンティックな名品。問題意識がない!と言われ
れば、確かにその通りの保守的な作風だが、20世紀のメンデルスゾーンかグラズ
ノフ?とでも言いたくなるような美しい旋律にあふれている。ストックはピッツ
バーグ響とシアトル響のコンポーザー・イン・レジデンスでヴァイオリン協奏曲
はピッツバーグ響100周年記念としてマゼールとカルデネスによって初演された。
ハリウッドのSFスペクタクル映画のようなダイナミックな曲でジェームズ・ホー
ナーかアラン・シルヴェストリあたりを彷彿とさせる。おしまいはコープランド
のヴァイオリン・ソナタの珍しいオケ版。ヴァイオリンのカルデネスはピッツバ
ーグ響のコンサート・マスターを長年勤めたベテラン。

TROY1142 \1980
「タッチ/ザ・トッカータ・プロジェクト」
-1900年以降のピアノ・トッカータ集Vol.1「アメリカの作曲家」
ローレム:トッカータ/ジョージ・アンタイル:トッカータ第1番、第2番
アーヴィン・ファイン:小さなトッカータ/ロイ・ハリス:トッカータ
メノッティ:リチェルカーレ、トッカータ/パーシケッティ:トッカータ第1-3番
ほかホイビー、サワビー、ロウェル・リーバーマン、ベンジャミン・リース、
マーク・ルイス・レーマン、ムチンスキー、レイモンド・レーウェンタール、
ウォリングフォード・リーガー、ジェイムズ・バスティアンの作品全20曲
フィリップ・アマロング(Pf)
20世紀に書かれたトッカータばかりを集めたユニークなアルバム。その第1巻は
アメリカの作曲家特集。ローレム、アンタイルらの薬味の効いたハーモニーと
メカニックな音楽は20世紀前半のアメリカの台頭と躍進そのものであり、その
楽観ぶり脳天気ぶりが楽しい。一聴してプロコフィエフ、ミヨー、サティらの
影響を受けた作曲家が多いようだ。後のアメリカのミニマリストたちは意外と
この時代のこういう音楽の影響(もしくは先祖帰り?)を受けているのかもしれ
ない。今だったらジョン・アダムスが書きそうな曲もある。

TROY1134 \1980
「ドナルド・サー(b.1936)の音楽」
(ユニコーンと淑女/ヴァイオリンとピアノのための子守唄/パークアヴェニュ
ーのサトリ(悟り)/カテーナI-III/反復しながら交差するネオ・プラトニック
な結句/打楽器アンサンブルのためのレッド・ダスト)
デヴィッド・フース(指揮)
フランク・エプスタイン(指揮)
カレッジ・ニュー・ミュージック
録音:1972-2008年
ドナルド・サーは韓国人を両親に1936年ホノルルで生まれた。プリンストン大学
でロジャー・セッションズに師事。現在はボストンを中心に活動している。ウェ
ーベルンの影響を感じさせる点描的な音楽に韓国の民族音楽の要素をブレンドし
たような作風。

TROY1137(DVD-Video) \1980
シャマイム(shamayim)-エリオット・キャプラン(映像)とデヴィッド・フェルダ
ー(音楽)による映像作品
(1)チャッシュマル(2)サ・アラー(3)黒い炎/白い炎
ニコラス・イッシャーウッド(バス・ヴォイス)、
制作:2009年
声とコンピューター合成による音響が水面の波紋や木々の映像とともにまったり
とした時間を作り出すアンビエント・ヴィデオ。

TROY1141(SACD-Hybrid) \1980
(SACDハイブリッド)
ケリー・ターナー:管弦楽作品集
(1)交響詩「カランカワ」
(2)序奏とメイン・イヴェント-ホルン四重奏と管弦楽のための
(3)チューバ協奏曲
(4)低音ホルンと室内オーケストラのための協奏曲
ダリウス・ヴィスニェフスキ指揮
シンフォニア・ユヴェントゥス(ポーランド青年交響楽団)、
(2)アメリカン・ホルン四重奏団、
(3)カイル・ターナー(Tba)、
(4)チャールズ・パットナム(F.h)
録音:2009年1月
ケリー・ターナーはケルン・ギュルツェニヒ管やアンサンブル・モデルンでホル
ン奏者として活躍し、アメリカ・ホルン四重奏団のメンバーも務めるプレイヤー
兼作曲家。オーケストラの機能とダイナミズムをフルに駆使した管弦楽作品を作
る。ジョン・ウィリアムズ、ショスタコーヴィチ、アイヴズ、クラム、その他、
ありとあらゆるハリウッドの映画音楽の影響を恥ずかしげもなく受けつつ自分の
ロマンをブルドーザーのごとく推し進めてゆくパワーには脱帽。《カランカワ》
はアメリカ先住民の神話に基づく交響詩で先住民の旋律やドンドコドンという
野性的なリズム、また時にベン・ハーのサントラみたいな崇高な響きがあふれ
ている傑作。オーケストラはセムコフが設立し、さきごろ発売になったシュー
ベルトの「グレート」交響曲(CD ACCORD,ACD146)が話題のポーランド青年交響
楽団、SACDハイブリッドでの発売です。

TROY1143 \1980
カーソン・クーマン(b.1982):
オラトリオ「神の愛の啓示」
レベッカ・ヘニング(S)、ジョナサン・マーク・ロバーツ(Br)
ルパート・グフ(指揮)バットリック・シンフォニア
ロンドン大学ロイヤル・ハロウェイ校合唱団
録音:2009年6月26日
クーマンは1982年生まれの米国の作曲家。オラトリオ「神の愛の啓示」は2009年
の新作。14世紀英国の女性キリスト教神秘主義者ノリッチのジュリアンによる
『神の愛の十六の啓示』によるオラトリオ。ロンドン大学ロイヤル・ハロウェイ
校合唱団の依頼によって作曲されたもの。題材通り、神秘的で美しい曲である。

TROY1144 \1980
アンソニー・ブラント:
(1)室内オペラ「何かの誕生」
(2)歌曲「ドラゴンと不死者」/眠りの歌
(3)クリーリー歌曲集
キャロル・ベネット(S)、
(1)マイケル・キオルディ(Br)、
ジョナサン・シェイムズ(指揮)、マイア弦楽四重奏団、
ブレイク・ウィルキンズ(打楽器)
(2)エンソ弦楽四重奏団、(3)ブライアン・コネリー(Pf)
アンソニー・ブラントは1961年生まれの米国の作曲家。「何かの誕生」は、30分
ほどの5幕の小オペラ。クリーリー歌曲集は、ロバート・クリーリー(1926-2008)
の詩に曲をつけたもの。

TROY1145 \1980
「形をもった風景」-トム・シプロの声楽作品
《ノッドの島・・・》/《エクアドルの船員》/《ゴーイング》/《雨》
《形をもった風景》
マリー・アン・ハート(MS)、モニカ・ハート(S)ポール・スペリー(T)、
デヴィッド・ストック指揮
ピッツバーグ・ニューミュージック・アンサンブルほか
トム・シプロはニューヨークを中心に活動する作曲家でこれまでにアメリカの詩
人の詩に多くの音楽を作曲している。調性に基づく、抒情的で温かな作風。歌曲
というよりモノ・オペラといった趣き。

TROY1146/47 2枚組 \3960
ヴィクター・ハーバート(1859-1924):「帽子店の娘」
サラ・アン・ミッチェル(フィフィ),トッド・ストレンジ(エティエンヌ),
ジュリー・ライト(セシリ嬢),ボイド・マッカス(サン・マール伯爵),
デニス・ジェシー(ハイラム・ベント),ジェイコブ・アレン(ガストン),ほか
マイケル・ボロウィッツ(指揮)オハイオ・ライト・オペラ
録音:2009年
ヴィクター・ハーバード(1859-1924)は、アイルランド出身で米国に移住した作
曲家。ライトオペラの分野で活躍した。「帽子店の娘」は、1905年に初演された
作品。パリの帽子店の人気モディスト(フランス語で洋服や帽子の仕立職人のこ
と。この場合は帽子店のカリスマ店員といった意味)であるフィフィを他店に引
き抜かれたくないセシリは、彼女を息子のガストンと結婚させようとする。フィ
フィは大尉エティエンヌを愛しているのだが、身分違いの恋だとエティエンヌの
親族から反対されている。ところがパトロンを得たフィフィは歌手として大成功
を収め、ついにエティエンヌと結ばれる、という話。ハーバートの作品復活に力
を入れているオハイオ・ライト・オペラの上演。

TROY1151 \1980
「ディーズ・アー・ディファレント・タイムズ」-メアリー・リー・テイラー・
キノシアン:ピアノ三重奏曲作品集
(ジ・アメリカン・ストーリー/喚起:2001年9月11日の追憶に/四大元素)
アップトン・トリオ:【メアリー・リー・テイラー・キノシアン(Vn)、
デュサン・ヴカイロヴィッチ(Vc)、ビリー・シェファード(Pf)】
録音:2009年
メリー・リー・テイラー・キノシアンはサン・ホセ響、ナッシュビル響、グリー
ンビル響のコンサート・マスターを歴任、近年は作曲と室内楽に力を注いでい
る。収められた作品はジャズ、ロックと現代音楽の要素を融合した作風で、弦
楽四重奏だったらクロノス・カルテットが喜んでレパートリーにしそうである。

TROY1154 \1980
「アメリカン・ハンドスタンズ」
(1)デヴィッド・デル・トレディチ(b.1937):3つのジムノペディ
(2)エリック・モー(b.1954):バラード「悲しい三人組の伝説」
(3)トム・シプロ(b.1957):2つの瞑想、睡蓮
(4)レオ・オーンスタイン(1892-2002):
2台ピアノのためのソナタ(ピアノ協奏曲からの作曲者自身による編曲)
ジーン・ゴラン(Pf)、
(4)クリストファー・オールドファーザー(Pf)
録音:2008/2009年
ピアノのゴランはフィリップ・グラス・アンサンブルのメンバーとして長く活動
する一方、ブルックリン・フィルハーモニック・チェンバー・プレーヤーなどで
ソリストとしても活動している。現代音楽のスペシャリストで、ここに収められ
た都会的でロマンティックな作品に彼女の特性が生かされている。

TROY1155 \1980
エズラ・ラダーマンの音楽Vol.9
弦楽四重奏曲第9番/第11番/第12番
アリアンツァ弦楽四重奏団
エズラ・ラダーマンは1924年ブルックリン生まれの作曲家で室内楽を中心に多く
の作品を発表、CDもALBANY以外からたくさん出ている。12音技法が彼のとる主要
な方法で表現主義的でドラマティックな展開を信条としている。アリエンツァ
弦楽四重奏団は2004年にイエール大学の学生で結成され、すでに数々の室内楽
コンクールで優勝している俊英グループ。

TROY1158 \1980
「ドナルド・ホイーロックの音楽」
(1)ピアノ変奏曲(Pf solo)
(2)7奏者のための音楽(Fl,Cl,Perc,Pf,vn,Va,Vc)
(3)10のバガテル(Ob,Vn,Va,Vc)
(4)独り言(Vc)
(1)(2)ジュディス・ゴードン(Pf)、(2)マシュー・ゴールド(Perc)、
(2)(3)ジョエル・ピチョン(Vn)、
(3)ローラ・アールベック(Ob)、
(4)マット・ハイモヴィッツ(Vc)、ほか
録音:1997/2000/2008年
ホイーロックは室内楽を中心に作品を多数発表、5つの弦楽四重奏曲、11の歌曲
集、管弦楽作品などがあり、ハートフォード交響楽団コンクールで優勝をしてい
る。作風は無調と調性を適宜折衷したもので現代的なロマンティシズムを持って
いる。(4)は5分弱の小品だが名チェリスト、ハイモヴィッツが弾いている。

TROY1159 \1980
「脱出速度」-TCUパーカッション・アンサンブル
デイヴ・ホール:脱出速度/E.エワゼン:打楽器のための交響曲
リカルド・スーザ:オフェレンダス第3番
レイモンド・ヘルベル:前奏曲と行進曲風ロンド/ティル・マイン:ZZZing!
ブレイク・タイソン:星降る天上/ドウェイン・ライス:易経
ブライアン・A.・ウェスト指揮
TCUパーカッション・アンサンブル
TCUパーカッション・アンサンブルはアメリカ打楽器アーツ・ソサエティの国際
打楽器アンサンブル・コンクールに入賞したメンバーから構成され新しい作品の
紹介のため活動している。ここに収められた作品は現代音楽といっても、どれも
ラテン要素ありロック的要素あり、ロマンティックなものばかりで気軽に打楽器
の面白さが楽しめる内容になっている。

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