マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

現存最古のラーメン

2011-02-11 14:38:56 | 

自称ウェスタンスイングの専門家として、歌のことを書き散らかそうと作ったブログなのですが、
書きたいことはあるにはあるのだが、資料として洋書なども手元にあったりするのですが、
いかんせん、英語力がついていかないのです。
英語力の低下は著しく、歌詞を調べるだけでもへとへとになってしまったりする。情けない。

ってなことで、方々に教えてくれる方いないか、と聞きまわっているのですが。
TVでCM打つような英会話学校ってのは入会金だなんだと意外にするんですな。

え?ナニ?金を惜しんでるようでは、どこまで本気で英会話する気があるのか、わかりゃしねぇって?
しぇーかい。 でも、地元で値ごろな英会話教えてくれる人を、なんとなく探している。

てなことで、今回もウェスタンスイングは置いといて、食の世界を漫歩するのであったぁ~。

場所は阪神尼崎。大阪に一番近い兵庫県。ほとんどノリは大阪下町。市外局番は06。
ここに老舗のラーメン屋さんがある。 現在も営業する店では最古といわれる店が。



創業大正元年(1912年)といふ、老舗。
神戸の居留地には外国人が大勢住んでいたが、中でも中国人がぬきんでていた。
現在は4代目。初代は中国人に教わったとかで、居留地で屋台を引いていらしたという。



スープが変わっている。和歌山ラーメンや徳島ラーメンとも似た、カフェオレ的な色合い。
とんこつ、鶏ガラのしょうゆベース。自家製足踏みのストレート玉子麺。

屋台を引く際に、火にかけた鍋がゴトゴト揺られて、白湯スープになった。
チャーシューの煮汁を注ぎたし続ける、「百年熟成しょうゆダレ」を使う。
中華そばなのに、どこか、ポタージュスープのごとき味わいがした。



こちらは、尼崎ちゃんぽん。
尼崎新名物、尼チャンとして知られるようになる。
尼崎は街ぐるみで盛り上げていこうとする機運がある。
逆に言うと、それだけ危機感を感じている。三和市場などかなりシャッター化も進んでいる。
でも、まだまだ元気のある商店街であり、見てて楽しい。



¥1000は安くないが、麺の量もしっかりある。


もうひとつの名物が・・・炒飯



かなりの色黒である。醤油でしっかりと焼きつけてある。

巨大中華鍋で50人前を、下ごしらえのために、スコップで一気に焼きつける。



現役を離れたかつて使っていたスコップ。
調味料の塩分によって鉄が浸食され、穴があいている。
残念ながら他に古い時代のものはないが、このスコップは歴史の証人である。



                 大貫本店     兵庫県尼崎市神田中通3    



雪景色 鏡湖

2011-02-09 15:45:38 | Weblog



静まり返った湖上を、ピョーヒョロロロ~ 鳶の鳴き声だけがします。
湖面はシャーベット状になっていました。



昨夜、とてもじゃないけど復旧は無理だと思いましたが、
朝、列車の通過音が耳に届きました。
やるなぁ、JRの鉄道マン!



露天風呂に入り、雪見なんて芸当もできます。



さぁて、朝食  

ニシンの粕漬け、 菊芋の粕漬け、 鯛塩焼き、 実山椒・葉山椒、 
焼海苔(富津)、梅干、氷魚佃煮

こいつはビールを頂くしかありません。



子持ち鮎   煮浸し



ふろふき大根   猪味噌

おかみさんは熊味噌と言ってましたが、いのししの間違いでした。
菊芋を海老芋と言い間違えたり、この辺りがチャーミングなところです。



味噌汁は昨夜の鯛のアラで



鮒鮓はシメにお茶漬けでいただきました。



氷魚(鮎の稚魚)とアオサの釜あげ  これを自家製・無敵のポン酢で。

余呉のお生命、頂戴つかまつります。

発酵のなせる業なのでしょう、めちゃくちゃお腹の具合が調子よくなります。



徳山鮓はすっぽりと雪の中。

元気な時は湖一周歩くのですが、とてもこれでは八甲田山、死の行軍のようになるでしょう。
この後、天気になり溶け出したと聞いたので、この日がピークだった様子。



駅まで送っていただき、朝の列車に乗ります。

まるで雪国。何年振りかの記録的豪雪に立ち会うことができました。

さぁて、午後イチの会議に間に合うように。


               徳山鮓      滋賀県長浜市余呉町川並




雪まみれ、余呉の別世界

2011-02-09 14:15:14 | Weblog



大阪から新快速で2時間、そこは一面の銀世界となる。

この日、北陸本線は途中不通になっており、長浜まで迎えに来ていただく。
「なんだ、大したことないぢゃん」などと思っていたが、
そこから車で約1時間。みるみる積雪の様相が変わって行く。



こんな姿の余呉は初体験。 いや、どえらいことになっている。



いつもの日当たりのいいサンデッキが、このありさま。 いくらでもかまくらが掘れる。
サラサラのパウダースノーだが、これが屋根に積もり、落ちずに巻きつき、
ひさしが折れた家は後を絶たないという。 自然、舐めたもんではない。



ともあれ、予定通り着いた。 さぁ、ひと風呂浴びて、食事の始まりである。



魚は淡路の高級魚屋、M氏が持参して下すった、鯛に大ぶりな赤貝(山口産)。



見事な色の鹿肉



鍋には天然もののなめこ  小ぶりのシイタケぐらいある。
よくぞ、庶民にはスーパーで売るなめこを、なめこと信じこませてくれたもんだ。
本来はルックスも味もまったく違うものだ。



鹿と天然なめこ  秀逸な自家製ポン酢は柚子など数種類の柑橘を絞ったもの。
独特のとろみがあり、よく絡むソースとなる。 一緒に食べれば、相性抜群!



淡路・でん助穴子の白焼き  地元の実山椒を添えて。
カリッと香ばしく焼かれ、これも酒とよく合う。



小さめの穴子は湯引きに。  これは前記のポン酢が梅肉のようにからみ、美味!



熊の脂  多賀大社前の糸きり餅のような優美な姿。
昔から能面を磨くのに熊の脂を使ったというから、上質でクセのない脂。
室温で溶けだしてしまう。



鯖のなれずし おろしチーズ
備前、吉田牧場のカチョカバロがよく合う。発酵Meets発酵。
慌てて日本酒を口にする。



目の前の余呉湖で獲れるワカサギ。
カラリと揚がり、いくらでも食べられる。
この日は雪で閉鎖。前日は釣り客3人だったとか。

徳山鮓の看板料理、鮒鮓。 黄色いのはみごとな卵である。
飯(いい)に地物のハチミツを塗って食べると、酸味と甘さでオツな味になる。



こちらも真打ち、熊なべ。  何をかいわんや。
熊は脂が値打ちである。臭み?それは中国製か何かを食わされた人の物言いである。
まったくクセなく、逆に品格させ感じる。
しかし、一気にマタギ気分である。 しかも今夜のは特別編。



今夜のは・・・  熊だけではなく・・・ 



すっぽん・・・!! 両者を引き上げてみました。 
具はほとんど筒切りの葱だけ。

ライブ前で注意していたが、風邪っ気なんぞ吹っ飛んでしまうーー。




月とすっぽんは聞いたことあるが、月の輪熊とすっぽん。恐れ入りました。
邪魔するどころか、相乗効果な気がした。ほっかほかして、たまりません。
こんな精つけてどうすんだ、え?
まわりは雪だらけで動けねぇし、こりゃ夜っぴて相撲でも取るしかないかぁ。




ご飯と香のもの、氷魚(アユの稚魚)の佃煮



デザートには、小泉武夫先生命名、「味湧の鏡湖(みわくのきょうこ)」。
鏡湖とよばれる余呉湖にちなんで。
鮒鮓の飯をどうにかできないものかと工夫した結果、こんな上品なヨーグルトアイスの
ようなデザートが完成した。アイデアと研鑽のたまもの。

日本酒は「七本槍」。 厳寒期ならではの自然の恵みにむくむくとパワーを頂いただく。
大阪の喧騒からわずか2時間で、こんな世界がある。

つづく翌朝の冬景色が、もうひとつのご馳走・・・。



或る夜、うどんの変身

2011-02-08 01:48:38 | Weblog



今ごろアップかよ・・・ええ、ええ、今頃なんです。
ブログ道にももとるが、ここは日記ぢゃないんだってば、言い訳しとくと。
こいつは秋に行われたイベント。 うどんXイタリアンX和

浅井さんは苦楽園「イ・ヴェンティチェッリ」 イタリアンの肉体派シェフ。
木田さんは千日前「釜たけうどん」 関西讃岐うどん界の第一人者。
森田さんは淀屋橋「旬菜桜花」 大阪の地元産品、地野菜などに精通した和のホープ。



長居の農家・西野さんの田辺大根の白和え



犬鳴きポークのうどんシートの包み焼き  西野さんの菊菜ソース
梅ビーフのたるたるハンバーグ

シート状にしたうどんで包み焼きに、低温のオーブンで焼く2時間。
狙いは面白いが固い。火が十分入ったとはいえず、。



ワインのセレクトは、藤丸さん。
さりげないサービスは心地よい。

梅ビーフのすじと味噌のトマト煮込みうどん生地の、どてピッツァ。
上に乗るのは西野さんの菊菜。
犬鳴きポークの川上さん、梅ビーフの原野さん、河内鴨の津村さんそろい踏み。




犬鳴きポークと天王寺蕪のラグーソースのスパゲッティ
うっすらクグレモラータの香り。

グレモラータとはイタリアンパセリ、レモンの皮、ニンニクを刻み合わせた調味料。



これには、思わず笑った。
焼きうどんパン。



はさんだうどんは釜たけ製。バーナーで炙ってある。

さらに、釜たけうどんをお好みのソースで。ソースは浅井シェフ。



4種類ソースがあって、お好みで。ジェノベーゼ・アーリオオーリオ・4種チーズ・チリコンカン
チリコンカンはそのまんま、酒の肴になる。 右の濃厚チーズがよく合った。



関西チーズのカルツォーネ  でっかい餃子型ピッツァですな。
これは舞台となったピッツェリア」ドムスオルソ」の田宮店長作。



河内鴨の赤ワイン煮込み・白葱薄揚げのうどん ラザーニア見立て

こいつも面白い。砂肝・レバー・モモ・心臓などが赤ワイン煮になる。
木田さんはうどんを茹でた時点で、シェフにパスを送る。
「見た目はババチイが・・・」と浅井さん。たしかに・・・。



大阪マチェドニア

厨房の大勢のスタッフを動かすのに手間取った感あり、料理の出が遅くなり、
終わったら終電近かった。
うどんの七変化は面白かったが、時間がかかった点と、うどんだけにどんどん腹が
突っ張ってくるのはかなんかった。
でも、こういう異種格闘技的な新しい試みは、どんどんやって、料理界に波風立てて
もらいたいと思った。


淡路 僕たちの失敗と成功

2011-02-05 03:27:50 | Weblog



淡路へ渡り、その晩、何某という寿司屋へ。

友人の会社の社長の推薦です。 私が関係する番組でもかつて取材。某有名タレントが熱烈に推してました。

ネットの評判はまちまちでした。友人を通じて地元の漁師関係に聞いてみました。評判はさんざんでした。有名タレントとは喧嘩別れしたとの話も。

やめようかという話にもなりましたが、有名ホテルの外食ツアーリストにも加わり、第一、社長がそんなに悪い店を勧めるはずがない。その通り、部下として信頼なくして仕事はできません。こちらも信じましょう。しかもこっちは人数が小回りのきく2,3人ではなかった。観念して行ってみよう。はずすのもまた小旅の味ではないか。はずすのもまた一興と。

結論は・・・見事にはずしました。
寿司までの前菜に特徴があるのですが(そこを書くと即バレなので書きません、武士の情け)、寿司そのものの勝負を逃げているとしか思えません。造りは大皿にほんの一切れずつ。季節外れの解凍由良のアカウニなんかうれしいですか。盛付ももう少しやりようがありそうなもの。所望した地魚もメバルの煮付けは凡庸。淡路の海ってこんなに貧しかったか。一事が万事、大根のつまも粗く、口に入れる気になりません。もちろん意地でも魚は全部平らげましたが、膝を打つようなネタには巡り合えませんでした。酒も地元のプライベートラベル一種。これで安ければ諦めも付きますが。

旧態依然とした職人体質でもない。江戸前の技法を自分なりに消化し、次のレベルへ向かおうと勉強ししのぎを削る関西の寿司職人が多い中、天然の生簀の傍でこの店はどこへ向かおうとしているのか不明。

食後の感想を一切述べず、「よく流行ってますね」とだけ口をききましたが、混雑していたように見えたのは、一見の観光客ばかりだったか。観光客よ、環境に惑わされず、しっかり自分の五感で味わい、失敗は最小限に抑えるべし。行かないことで気付かせるより他方法はないのですから。後日、くだんの社長は「昔はよかったのだが…」と恐縮していたそうで。おそらく、事実昔はよかったのだろう。

寿司への情熱を失ってるのに、ガイドブック信じて客だけはひっきりなしに来るので、おかしくなってしまったのではなかろうか。寿司ではない別のもので客の目線をミスリードさせてる気がしてなりません。もう一度、両手の中だけで完成させる寿司一本に絞って、勝負をかけてはいかがだろうか。まだ遅くないと申しておこう。

さすがに冒険は懲りて、翌日のランチは地元衆にも評判の良かったフレンチへ。





成ヶ島という細長い島が見える。

 

前菜はサーモン・タチウオ・タコ・シマアジ・茹で卵カラスミ・生ハム・ブロッコリー・
煮アワビ・キュウリ&レンコン&ポテトサラダ
ランチの陽光の中に、とりどりの色が鮮やか。 淡路に望んだのは、こういうことだったよな。



地物のカボチャのスープ・カプチーノ仕立 
うむ、うむ、実に快適・・・



過日のことゆえ、魚の旬は今現在にあらず。
ボウゼ・ホウボウのポワレ  アオリイカ  バジルソース&トマトソース  ニョッキ添え 
魚の皮目が香ばしい。



パンもたぶん自家製だったような・・・
成瀬シェフは元・エキシブ淡路島の料理長。
屋号のシャルティエとは、底曳き網漁船のこと。



メインは牛肉 ヒレ&ロース  マスタードソース
小さなピンチョスはリゾットとモッツァレラのコロッケ
つま楊枝ではなく、パスタが刺さる。



デザート  北海道ユリ根とニホンミツバチのハチミツによるジェラート、クレームブリュレ、
イチゴソルベ、フルーツ




かくして、淡路の印象はこの丘の上のフレンチ店によって救われた・・・。


            レストラン・シャルティエ    兵庫県淡路市由良4