マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

淡路 僕たちの失敗と成功

2011-02-05 03:27:50 | Weblog



淡路へ渡り、その晩、何某という寿司屋へ。

友人の会社の社長の推薦です。 私が関係する番組でもかつて取材。某有名タレントが熱烈に推してました。

ネットの評判はまちまちでした。友人を通じて地元の漁師関係に聞いてみました。評判はさんざんでした。有名タレントとは喧嘩別れしたとの話も。

やめようかという話にもなりましたが、有名ホテルの外食ツアーリストにも加わり、第一、社長がそんなに悪い店を勧めるはずがない。その通り、部下として信頼なくして仕事はできません。こちらも信じましょう。しかもこっちは人数が小回りのきく2,3人ではなかった。観念して行ってみよう。はずすのもまた小旅の味ではないか。はずすのもまた一興と。

結論は・・・見事にはずしました。
寿司までの前菜に特徴があるのですが(そこを書くと即バレなので書きません、武士の情け)、寿司そのものの勝負を逃げているとしか思えません。造りは大皿にほんの一切れずつ。季節外れの解凍由良のアカウニなんかうれしいですか。盛付ももう少しやりようがありそうなもの。所望した地魚もメバルの煮付けは凡庸。淡路の海ってこんなに貧しかったか。一事が万事、大根のつまも粗く、口に入れる気になりません。もちろん意地でも魚は全部平らげましたが、膝を打つようなネタには巡り合えませんでした。酒も地元のプライベートラベル一種。これで安ければ諦めも付きますが。

旧態依然とした職人体質でもない。江戸前の技法を自分なりに消化し、次のレベルへ向かおうと勉強ししのぎを削る関西の寿司職人が多い中、天然の生簀の傍でこの店はどこへ向かおうとしているのか不明。

食後の感想を一切述べず、「よく流行ってますね」とだけ口をききましたが、混雑していたように見えたのは、一見の観光客ばかりだったか。観光客よ、環境に惑わされず、しっかり自分の五感で味わい、失敗は最小限に抑えるべし。行かないことで気付かせるより他方法はないのですから。後日、くだんの社長は「昔はよかったのだが…」と恐縮していたそうで。おそらく、事実昔はよかったのだろう。

寿司への情熱を失ってるのに、ガイドブック信じて客だけはひっきりなしに来るので、おかしくなってしまったのではなかろうか。寿司ではない別のもので客の目線をミスリードさせてる気がしてなりません。もう一度、両手の中だけで完成させる寿司一本に絞って、勝負をかけてはいかがだろうか。まだ遅くないと申しておこう。

さすがに冒険は懲りて、翌日のランチは地元衆にも評判の良かったフレンチへ。





成ヶ島という細長い島が見える。

 

前菜はサーモン・タチウオ・タコ・シマアジ・茹で卵カラスミ・生ハム・ブロッコリー・
煮アワビ・キュウリ&レンコン&ポテトサラダ
ランチの陽光の中に、とりどりの色が鮮やか。 淡路に望んだのは、こういうことだったよな。



地物のカボチャのスープ・カプチーノ仕立 
うむ、うむ、実に快適・・・



過日のことゆえ、魚の旬は今現在にあらず。
ボウゼ・ホウボウのポワレ  アオリイカ  バジルソース&トマトソース  ニョッキ添え 
魚の皮目が香ばしい。



パンもたぶん自家製だったような・・・
成瀬シェフは元・エキシブ淡路島の料理長。
屋号のシャルティエとは、底曳き網漁船のこと。



メインは牛肉 ヒレ&ロース  マスタードソース
小さなピンチョスはリゾットとモッツァレラのコロッケ
つま楊枝ではなく、パスタが刺さる。



デザート  北海道ユリ根とニホンミツバチのハチミツによるジェラート、クレームブリュレ、
イチゴソルベ、フルーツ




かくして、淡路の印象はこの丘の上のフレンチ店によって救われた・・・。


            レストラン・シャルティエ    兵庫県淡路市由良4



  
  

コメント (2)
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