大阪駅を挟んで東の天満、西の福島が大阪では元気な街である。だがその福島とてそろそろ飽和状態。天満の方がまだ少し小さな店を出す余裕があると見える。
だが、この不景気では何かと出店するのも大変だろうと察する。
天六で元気な韓国料理がここ「ほうば」。いつもよく繁盛している。久々に行くと、客を集める理由が分かった気がした。
定番の圧巻!ナムル15種類。この日は12種類にキムチが3種。まずこれで客をつかむ作戦だ。
奥左から、金針菜・ジャガイモ・クレソン・豆モヤシ・青梗菜キムチ、中段はミョウガ、ホウバ(これが屋号の由来)・モロッコ豆・メロン・カクテキ、下は切れてるがピーマン・根ミツバ・ナス・マコモダケ・白菜キムチ…と並べただけで大層くたびれた。
マッコリ 上澄みも一緒に出してくれる。
にごりはどうも口当たりが優しいかして、私、酔うきらいがある。
注意…注意。
ボタンエビの醤油漬け
大ぶりのボタンエビを、韓国の醤油・焼酎などに漬けてある。
中国ならさしあたり老酒漬けというところだろう。
身がブリッブリでセクシャル。卵の色がすばらしくメタリック。
ミスジのステーキ
レアなミスジの上に、おろしたナスと酢醤油ベースの味付け。
上にクレソンが覆っていた。非常に軽い味わい。
これを見て、誰が韓国料理と思うだろう。
私的には冷たいのが難といえば難。ここいらは熱々を行きたいもの。
かき、たら白子のジョン
ピカタのように少ない油で揚げ焼きにするのだろう。
ジューシーな牡蠣、鱈白子の濃密さ、
冬の二大美味にカウンターパンチを食った。
すっぽんスープ
油ものの次は優しい味わい。アツアツのスープ。トロリとすっぽんのコラーゲン、おいしさはすべてスープの中に染み出ている。
ああ、これはたまらない。このままおとなしく帰れるものか・・・
ふぐのから揚げ
優しさの後に、スパイシーなふぐのから揚げ。
ガブッと行っては小骨出しつつ、しゃぶり尽す。
そして・・・
このアワビをお粥にします・・・ときたもんだ。
元気にウネウネ動いてらっしゃる。お命頂戴!
ウッヒェ~、これがアワビのお粥。
ってか、これはアワビのリゾットではないか!
元イタリアンにいた新井さんの面目躍如!
歯ごたえを残したアワビと米。肝の旨みが一粒ずつに染み渡る。
特注する丹波産胚芽米を使用。
いい値段なのも、これで納得。
一粒たりとも残せません。さっきのアワビに悪くて。
なんなら皿持って舐め回したいぐらい。
これでもう、完全にノックアウトでした。
シメに、梨のスープ ほうずきのようなストロベリートマト
優しく消化を促してくれるような、穏やかなエンディング。
店は母と息子夫婦の3人で切りまわす。明るいオモニは厨房で一生懸命働き、バンビのような奥さんも軽やかにサービスにあたる。
序破急がよく計られていた、食事もストーリー性のある一遍の交響曲であると、あらためて感じ入った夜だった。
いつまでも韓国料理を、キムチに焼肉にチゲばかりだと思っているとアナタ、えらい目に合いますで。
韓菜酒家 ほうば 大阪市北区天神橋5
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