マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

歌う、米式時代劇スター!

2009-12-02 13:25:11 | カントリー

たまには食い意地から離れて、もうひとつのテーマを書かねばいけません。拙者、ウェスタンスイングと並んで、カウボーイソングというのが好きざんす。

最も早く耳にしたカウボーイソングは、ラジオから流れてきたジーン・オートリーの歌声でした。彼のベストヒット、Back In The Saddle Again は今も我が愛唱歌のひとつです。


   

Gene Autry(1907~1998) テキサス州ティオガ生まれ。電信技士として働き、ダンスパーティーで歌ったりしていた頃、ウィル・ロジャースに見出された。ウィルはカウボーイスタイルで売ったボードヴィリアンで、のちにコラムニストとしても一世を風靡した人物。彼を題材にしたミュージカル「ウイル・ロジャース・フォーリーズ」はブロードウエイで観ている。

1930年代、ラジオの時代に注目を集め、ローカルからハリウッドへ。B級映画だが、銀幕へと躍り出たジーン。

     

Singing Cowboy!敵をやっつけては馬にまたがり、揚々と歌い上げた。日本でいうとまさに歌う時代劇スター、高田幸吉!大江戸出世小唄というところだ。♪えぇ~しょんがいな…


     


Home On The Range (峠の我が家)
Mexcali Rose
South Of Bordar
Deep In The Heart Of Texas   and many more !!


僕の好きな Someday You'll Want Me To Want Youも
彼の持ち歌。

同じ歌う西部劇スターでも、テックス・リッターやロイ・ロジャースと異なり、男性的な包容力ある声で朗々と歌い上げるタイプ。そのオールドファッションなスタイルが心地よい。


     

他には一連のクリスマスソングのヒットがある。
赤鼻のトナカイ、サンタが街にやってくる、フロスティ・ザ・スノーマン。ぼちぼち、カフェや商店街で耳にする頃だ。

特に赤鼻…は1949年のビルボード1位で200万枚売り上げている。並の歌うカウボーイでないのはお分かりだろう。

野球ファンならジーン・オートリー球場の名前は耳にしたことがあるかもしれぬ。1961年からロサンジェルス・エンジェルスの初代オーナーとなり、彼の死まで続き、現在、アナハイム・エンジェルスと球団名が変わるも、26番はよき理解者ジーンを讃えて、永久欠番となっている。スケールのでかいスターだった。


        


すっかり西部劇も作られなくなったアメリカ映画だが、サルーンで喧嘩騒ぎが起きたり、美人で鉄火肌な姐さんがいたり、寅さんみたいなお約束が楽しかった。地平線を望む大平原を馬で疾走したりするさまは、胸のすく思いがしたもんだ。
今は先住民を悪者に仕立てることもできず、作りようが難しいのだろうけど。

ともあれ今宵は、古き良き時代の歌手、ジーンオートリーの歌でもいかがだろうか。押入れの奥からチューニングの狂ったギター引っ張り出してきて歌うのにも丁度いい。シンプルな彼の歌には、やはり、バーボンをストレートでクィッ…コホン…などとやるのがよろしかろう。