マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

元気ですかー!なトラットリア

2009-08-24 17:14:49 | 

待ち合わせ時間の少し前に行って、筋向いのバールに寄るのが楽しみ。
タコのアラビアータだったかな、と快適な温度の白ワイン。
窓際に座ってると、ツレがダッダッ…と向かいの店に入って行った。
アチャー、呼び止めて引き込もうと思っていたのに、ヘタこいた。



とっとと飲みほして、本体のパッパへ入る。
カウンターへ。この店は料理人のライブを目の当たりにできる
カウンターが特等席だと思う。


さぁて、始まった。 一皿目は冷たいスープがわりに・・・



トマトから抽出したジュースをソルベ状にしてある。味が濃い。

トマトは和歌山の山中さん家のトマト、京都石割さんの小さいトマト。
山中さんのトマトも今年はもう終わり。



あるじは毎朝、中央市場へと足を運ぶ。
天然鯛、カツオ、サザエ、赤貝  白ワインがスイッと消えて行かぁ。



店内はヒップホップ系のBGMがガンガン流れる。



金曜日はニョッキを・・・なんちって。 まぁ、すいとんですぁ。



原料はインカのめざめと何か(忘れた)。
もっちもちにからむ、ウニのクリームソース。たまらんねー!
茹でて崩れず、口ですっと融ける、こればかりはアルデンテは
馴染まないそう。固いニョッキはサイテー。

パスタは鮎のリングイネ。
鮎を骨ごと叩いてゴマ、冬苗と共に、自家製イカスミパスタ。
冬苗のシャキシャキ、鮎の野性味ある香り。



パスタ場はシェフ松本さんの定位置。
パスタを軽視する料理人も多い中、やっぱりイタリアンは麺がある強みを大事にしてもらいたいと思うわけで、松本さんしぇ~かい。



ホッケ、黄ピーマンソース、ホワイトアスパラ、背脂がふわり。
この背脂、網脂系のトロッは、もうひとつアタシ、得意ではない。
生のホッケは関西では非常に珍しい。




ドルチェはクレームブリュレ、エスプレッソジェラート。
もうニコニコですよ。



新生姜のソルベはスキッと気持ちよかです。

最後にもう一発!
トマトのコンポート  これも山中さん家のトマト。味が濃い、深い。
それでいて後にひかない。
大阪市内で20軒ほどがこのトマトを使う、人気ブランド。



ガンガン鳴っていた音楽も徐々に、ラテンになり、ボサノバになり、
落ち着いて消化できるようになっている。
初冬に出てくる白子のトマトソースのスパゲッティ!
これもたまりません。季節が待ち遠しい。


  (関連記事は、あまから手帖9月号にあり)



        大阪市西区新町2   バール・パッパ  トラットリア・パッパ


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上達の裏ワザ

2009-08-21 01:08:43 | 音楽

黄金のサックス本!



友人、藤ジュンこと、藤田絢三の書いた「サックス上達100の裏ワザ」(Rittor Music)。大勢の弟子抱えて、すっかり師匠になっている様子。
ご繁盛は喜ばしきことなり。


ギタリストを真似よ・・・は、なかなかの卓見。
ギターソロの音を取ってみると、案外新鮮で見映えのするソロになったりするのではないか。ジャズのフィーリングも飲み込みやすいだろう。
もっとも、ある程度サックスのソロを理解してからのことだが。


フィドル弾きにはサックスを取ってみることをお勧めしたい。
マーク・オコーナーは小学生ぐらいの頃からバイオリンで、コルトレーンの音などを取っていた。(TVで見た)ベッドの上で、何度もテープを聞いて、止めながらバイオリンで少しずつ音を拾って行く。その作業は我々なまくらなミュージシャンと同じであった。フィドルには不利なB♭やA♭、Fなどもコピーする作業の中で克服できたのだろう。


ルートだけでアドリブを・・・これもいいね。テンションやペンタトニックなど、難しく考えないで、とにかくシンプルなテーマのメロディを生かして、ソロを作ってみる。簡単な音でスイングさせることってなかなか大変なことである。もっと言うと、単音一発でもスイングするソロができるはずだ。メロディに走らず、単音だけでやってみるのも面白いし、なかなかの冒険だと思う。ちょっとした勇気で可能となるだろう。

 

もうひとつ、アドリブするなら、ソロそのものを歌えなきゃダメだ。サックスで吹くソロを、いつ何時でも、ちゃんと口に出してスキャットできなければいけない。歌えないようなアドリブは、どこかに無理が生じ、いざという時に使えない。歌ごころは最も大事なものと考える。


かつてピアニストのハンク・ジョーンズに、ジャズ上達の近道はありますか?と聞いたら、上達に近道なしって言われた。
ハンクジョーンズは長生きも芸のうちになりつつある。

 

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新梅田健脚行脚

2009-08-15 17:28:06 | 

昭和25年の開業以来、新梅田の顔としてドンと四斗樽をすえ、
日本酒を売りまくった「北京」。今は二代目が洋酒の店に替えて
盛業中。



ある日のお通し
糸こんを煮てあるだけだが、なんか旨かった。



ここはカウンターの皿に金をおいて、一品ごとに持っていく
キャッシュオンデリバリー。
ポテサラに角ハイボールがボクの定番。



焼き味噌、ここでは北京味噌という名前。
これを箸の先にほんの少し、舐めながら飲む。



立ち呑みの「毎日」もたまらなく安い。
ここは常連率の高い、おとなの店。



ニッカバー「北海」、ペーハイとよむ。
お通しの南京豆の殻は足元へがルール。
畑のうねほど積もっている。タバコの火を落とさなきゃいいが。



串かつならば、「松葉総本店」。
どんどん揚げて行く方式。揚げ直しもしてくれる。



縄のれんってのが、またいいもんです。
すっかり見なくなったがハエはこの縄に留まり、
中へは入らないもんなんだそうだ。



「樽金盃」灘の金盃を呑ませてたが、廃業につき、現在は白鶴。
半丁っていうのが半分より少し多め。でもそればかり呑むことは
できぬ。



品書きにあるエッグ。
こいつを一気呵成に混ぜる。味付けは塩だけ。
これが何の酒にも合うのだ。





        新梅田食道街   阪急梅田駅、JR大阪駅から1分


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梅田で寄り道するならば

2009-08-15 02:05:15 | 
子供の頃からまっすぐ帰る子ではなく、親の財布から小銭ちょろまかしてでも駄菓子屋や校門前のテキヤの店を覗きたいガキだった。
そいつはどうも、大人になっても変わりはしない。





机に並んだおかずも、黒板のお造りも
どれも¥310



厚切りのひらめ、きずし



お父さんが随喜の涙を流す、赤いウインナー。



渡辺徹は榊原郁恵と結婚して「ウインナーが食べたい」とのたまい、
何日も無着色のウインナーが出てきて、しまいに泣いて暴れた。
「オレの食いたいのは赤いウインナーなの!」
気持ちはわかる。



泣かせるのは、隣り合うイカの天ぷら。

そのまま醤油かけて食ってもよいが・・・



おでんの汁をかけて一味を効かすと、おつな一品となる。

貧乏クサイ・・・ほっときなはれ!



こんなの頼んだかなぁ、穴子。

たぶん、ここからは別日である。

場所は同じ新梅田食道街、「奴」。
実はあまりにデフォルトの店なので、カメラなんぞおかしくて出せない。

汁ものをちょいと飲みながら、酒というのがまた良い。
定番の湯どうふ。
ここのは丼に入った湯豆腐に、うどんだしがかかり、
とろろ昆布とねぎがたっぷりの、なにわ湯豆腐とでもいうもの。
年中いいが、寒い時期はごちそうとなる。


造りは身がプリプリのカンパチ。



ここにも一味をパラリ。
お揚げさんも入っているのが奴流。
東京は醤油、大阪はだしが味付けの根幹を成すのが判ろう。



奴で一番美味いのは実は、机の上の黄色い布巾(ふきん)なのだ。
こぼれたダシだの、あふれた酒の輪っかだの、油のついた指だの、
醤油だのを拭きまくるので、あれをちゅーちゅー吸いながら一杯やると
渾然一体となった味が、さぞ旨かろうと想像する。
実行すると、「出てけ!」と言われるだろうが。



豆腐は万能だなぁ。
布巾出動率のもっとも高い、あら煮。旨いが骨いっぱいで面倒・・・
なんて人は、一緒に焚いてダシを吸った、豆腐の煮付け。
これがまた味が染みて旨い、と来る。
東京の肉豆腐などはもっと濃口しょうゆが勝つ。


かくして、胃袋はいい具合に膨れ、帰宅して「何処にも寄ってない」と
素知らぬ顔して、一人前にメシを食う。
肥大して行くのも無理からぬわけだ。


 あまから手帖8月号「キタvsミナミ」に関連記事があります。

コメント (6)
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南地ごちそう寿司

2009-08-10 21:52:18 | 

寿司が高級になって行くのは余り歓迎すべきことではない。
単純に個人的には懐の問題もあり、時節柄、一般客の感覚から
遊離してゆく恐れが十分あるともいえる。寿司はあんまり贅沢品に
なってもらっちゃあ、寿司好きとして困るのだ。
まぁ、鮨屋のおやじといっても、一国一城の主(あるじ)だ、
それなりにいい上客でも掴んでいるのだろうがね。


ここは三ツ寺筋から、この6月頃に新店に移ってきた。
なかなか見つけにくい場所にひっそりとある。

まずは、さえずりと煮あわび(姫鮑)。鯨が出るのは大阪らしい。
つかみは効いてるが、はたして片方の油っこさはコントラストとして
どうか。


ムラサキウニ (北海道) その場で割る。視覚的効果バツグン




毛ガニ(北海道)




岩がき(的矢) ポン酢




アユ  焦げがないのもそそらぬが、これは焦げすぎでは。



ここいらまでの一品物がいかにも割烹風なのが、関西風。
それなりに高いレベルではあり、これで酒も進むのでだが、はたして寿司屋の一品としてはこれでいいいのだろうか・・・との思いがかすめる。


東京の多くの寿司屋のように、寿司種をチョイチョイと切ったり、貝やら穴子のきじ焼きやらサヨリの皮なんぞをちょっと炙ったりする程度で銚子の2,3本も呑ませるのが一番寿司屋としては適当なのではあるまいか。寿司屋は料理屋ではないのだから・・・この思いは関西の寿司屋で度々感じることである。

つまりイントロを短くして寿司の部に突入する。
そうすりゃ懐の傷も、もう少し浅くて済むぢゃないか。


マコガレイ 塩   ミコはとっても幸せなの・・・(古い人しか分らない)


このあと、イカがあって。

まぐろ赤身  煮切り醤油 
ふり柚子はヘモグロビンの酸味には合わないような気がした。
白身で効果的に使った方がいいのでは。
 



トロ  一瞬真っ赤に焼いた網でジュッと焼き目をつける。
対面の客の視線を意識したケレンだなぁ。
  



コハダ   山口瞳氏の色紙、「一個なら小肌」を思い出す。
なんでもない素材だが、寿司以外には向かない魚だ。
  



アカウニ(淡路) キュウリの笠、塩 
胡瓜のシャキシャキとウニのとろり、甘さと少しの青臭さがいい調和。




大ハマグリ(千葉) 酒蒸しなのか、これは江戸風を踏襲した方が姿が良いのでは。




アユ  華屋与兵衛の寿司を採録した明治の寿司本にもこの鮎寿司は
載ってはいたが、丸のまま使うものだった。だから古い寿司ではある。



車海老



上半身はあてでそのまま、
下半身はにぎりで。尾は付けておいた方が華やかだろう。




赤貝と山芋の手巻き
海苔の風味と山芋の歯ざわりに比べ、赤貝の印象が薄い気がする。
手巻きを一つ変化球で挟むところなんざ、面白い。




煮穴子  うへっと言うほど多量のワサビを乗せるが、脂の加減か辛くなく、風味になるだけだった。

 


ここでばちこ? いつまでも呑んでたからかな・・・。
まぁ、あんまり偉そうなことは言えやしねぇ。燗酒は菊正。




焼きずし   とろ、大葉、胡麻
とろ巻きを裏に巻いて、酢飯の方を炙る。趣向面白い。



玉子 
一方はすし飯を噛まして。 
まるでカステラ、夏と冬で焼き方を変えるという。



東京風関西式を標ぼう。魚は黒門市場。
ボクより年上の森岡さん、しゃべりもたつ。
なかなかキタに比べて江戸前寿司が根付かないのが南地。
まだまだ「ネタは活かってる方がいいに決まってる」という人も多い。
寿司は活けだけぢゃない、という寿司世界を知らしめるために、
お客をリードして根付かせ、しっかり儲けていただきたい。



        鮨 森岡    中央区宗右衛門町5 玉屋町


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