昭和25年の開業以来、新梅田の顔としてドンと四斗樽をすえ、
日本酒を売りまくった「北京」。今は二代目が洋酒の店に替えて
盛業中。
ある日のお通し
糸こんを煮てあるだけだが、なんか旨かった。
ここはカウンターの皿に金をおいて、一品ごとに持っていく
キャッシュオンデリバリー。
ポテサラに角ハイボールがボクの定番。
焼き味噌、ここでは北京味噌という名前。
これを箸の先にほんの少し、舐めながら飲む。
立ち呑みの「毎日」もたまらなく安い。
ここは常連率の高い、おとなの店。
ニッカバー「北海」、ペーハイとよむ。
お通しの南京豆の殻は足元へがルール。
畑のうねほど積もっている。タバコの火を落とさなきゃいいが。
串かつならば、「松葉総本店」。
どんどん揚げて行く方式。揚げ直しもしてくれる。
縄のれんってのが、またいいもんです。
すっかり見なくなったがハエはこの縄に留まり、
中へは入らないもんなんだそうだ。
「樽金盃」灘の金盃を呑ませてたが、廃業につき、現在は白鶴。
半丁っていうのが半分より少し多め。でもそればかり呑むことは
できぬ。
品書きにあるエッグ。
こいつを一気呵成に混ぜる。味付けは塩だけ。
これが何の酒にも合うのだ。
新梅田食道街 阪急梅田駅、JR大阪駅から1分
子供の頃からまっすぐ帰る子ではなく、親の財布から小銭ちょろまかしてでも駄菓子屋や校門前のテキヤの店を覗きたいガキだった。
そいつはどうも、大人になっても変わりはしない。
机に並んだおかずも、黒板のお造りも
どれも¥310
厚切りのひらめ、きずし
お父さんが随喜の涙を流す、赤いウインナー。
渡辺徹は榊原郁恵と結婚して「ウインナーが食べたい」とのたまい、
何日も無着色のウインナーが出てきて、しまいに泣いて暴れた。
「オレの食いたいのは赤いウインナーなの!」
気持ちはわかる。
泣かせるのは、隣り合うイカの天ぷら。
そのまま醤油かけて食ってもよいが・・・
おでんの汁をかけて一味を効かすと、おつな一品となる。
貧乏クサイ・・・ほっときなはれ!
こんなの頼んだかなぁ、穴子。
たぶん、ここからは別日である。
場所は同じ新梅田食道街、「奴」。
実はあまりにデフォルトの店なので、カメラなんぞおかしくて出せない。
汁ものをちょいと飲みながら、酒というのがまた良い。
定番の湯どうふ。
ここのは丼に入った湯豆腐に、うどんだしがかかり、
とろろ昆布とねぎがたっぷりの、なにわ湯豆腐とでもいうもの。
年中いいが、寒い時期はごちそうとなる。
造りは身がプリプリのカンパチ。
ここにも一味をパラリ。
お揚げさんも入っているのが奴流。
東京は醤油、大阪はだしが味付けの根幹を成すのが判ろう。
奴で一番美味いのは実は、机の上の黄色い布巾(ふきん)なのだ。
こぼれたダシだの、あふれた酒の輪っかだの、油のついた指だの、
醤油だのを拭きまくるので、あれをちゅーちゅー吸いながら一杯やると
渾然一体となった味が、さぞ旨かろうと想像する。
実行すると、「出てけ!」と言われるだろうが。
豆腐は万能だなぁ。
布巾出動率のもっとも高い、あら煮。旨いが骨いっぱいで面倒・・・
なんて人は、一緒に焚いてダシを吸った、豆腐の煮付け。
これがまた味が染みて旨い、と来る。
東京の肉豆腐などはもっと濃口しょうゆが勝つ。
かくして、胃袋はいい具合に膨れ、帰宅して「何処にも寄ってない」と
素知らぬ顔して、一人前にメシを食う。
肥大して行くのも無理からぬわけだ。
あまから手帖8月号「キタvsミナミ」に関連記事があります。
そいつはどうも、大人になっても変わりはしない。
机に並んだおかずも、黒板のお造りも
どれも¥310
厚切りのひらめ、きずし
お父さんが随喜の涙を流す、赤いウインナー。
渡辺徹は榊原郁恵と結婚して「ウインナーが食べたい」とのたまい、
何日も無着色のウインナーが出てきて、しまいに泣いて暴れた。
「オレの食いたいのは赤いウインナーなの!」
気持ちはわかる。
泣かせるのは、隣り合うイカの天ぷら。
そのまま醤油かけて食ってもよいが・・・
おでんの汁をかけて一味を効かすと、おつな一品となる。
貧乏クサイ・・・ほっときなはれ!
こんなの頼んだかなぁ、穴子。
たぶん、ここからは別日である。
場所は同じ新梅田食道街、「奴」。
実はあまりにデフォルトの店なので、カメラなんぞおかしくて出せない。
汁ものをちょいと飲みながら、酒というのがまた良い。
定番の湯どうふ。
ここのは丼に入った湯豆腐に、うどんだしがかかり、
とろろ昆布とねぎがたっぷりの、なにわ湯豆腐とでもいうもの。
年中いいが、寒い時期はごちそうとなる。
造りは身がプリプリのカンパチ。
ここにも一味をパラリ。
お揚げさんも入っているのが奴流。
東京は醤油、大阪はだしが味付けの根幹を成すのが判ろう。
奴で一番美味いのは実は、机の上の黄色い布巾(ふきん)なのだ。
こぼれたダシだの、あふれた酒の輪っかだの、油のついた指だの、
醤油だのを拭きまくるので、あれをちゅーちゅー吸いながら一杯やると
渾然一体となった味が、さぞ旨かろうと想像する。
実行すると、「出てけ!」と言われるだろうが。
豆腐は万能だなぁ。
布巾出動率のもっとも高い、あら煮。旨いが骨いっぱいで面倒・・・
なんて人は、一緒に焚いてダシを吸った、豆腐の煮付け。
これがまた味が染みて旨い、と来る。
東京の肉豆腐などはもっと濃口しょうゆが勝つ。
かくして、胃袋はいい具合に膨れ、帰宅して「何処にも寄ってない」と
素知らぬ顔して、一人前にメシを食う。
肥大して行くのも無理からぬわけだ。
あまから手帖8月号「キタvsミナミ」に関連記事があります。