マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

とんかつにゃ、うるせぇよ

2010-09-22 06:16:45 | 

今から30年ほど前、大阪ではとんかつ、さほどメジャーではなかった。

肉といえば牛肉のことで、豚肉はあくまでも“豚”と呼ばれ、絶対豚でなきゃと言われるのは豚玉ぐらいのもんで、なんだか日蔭者扱いされていた。ボクがとんかつの旨さに目を丸くしたのは東京に行き、日本橋のとんかつ屋「吉兵衛」でバイトしてからだ。

そこの親父は生パン粉を自分でおろし、肉質がよくないと雷を落とし、豚ロースの塊を肉屋に突っ返してた。見てないところでも手抜きのない昔堅気の職人だった。

さて、ここは大阪・鶴橋と桃谷の間にある、細工谷にあるとんかつの『たわら』。
お昼どきは地元の住人や近在の会社員が詰めかける人気店だ。





すぐ横がキッチンになっていて、テイクアウト用を注文できる。





いろいろ食いたいが、やっぱり、一番ベーシックなロースかつにした。





1300円は当節決して安くない。多くの人は日替わり定食にしてたが750円。

しかし、老若男女、こんなに皆んな揚げもん好きなのか?





ここの人気の一端は、この一回取り放題のおかずにもある。
サイドテーブルに大鉢が8種類ほど。揚げものばかりで野菜不足になりそうな、
良心の呵責みたいなものを、これでごまかそう・・・失礼、これで補おうという訳。
とんかつと合うかどうかは別として、そのサービス精神は是としたい。





ロースかつ登場!食欲をそそるキツネ色に揚がってはいるが、衣が肉から
剥がれてしまうのはちょっといただけない。銀座煉瓦亭のポークカツレツもそう。
衣はしっかりと最後まで肉にピタリと寄り添っていてもらいたい。

鹿児島のもち豚を使用とあったが、う~ん…まだいい豚肉が使えるんぢゃないか。失礼だが肉質が粗雑な印象。赤身は少しパサついた。
脂はもっと甘みのある上質なものにできるだろう。

それを考えると、1300円は中途半端なのかもしれない。
これはこれとして、上ロースを用意して1500円、1700円取っても誰も文句は言わないはずだ。

それと、とんかつの添え野菜にはやっぱり瑞々しい千切りキャベツが欲しいところ。
とんかつの脂っこさに相対するには、さっぱりしたキャベツでなくては物足りない。
塩コショウ添えるもいいが、塩トンカツは飯には合わないだろう。やっぱりたっぷりとソースと辛子と行きたい。ソースのピリカラと衣のサクッと豚肉のジュジュッと、その脂の甘みの消えぬところに、炊きたてのご飯を頬張る。その充実感こそがとんかつのダイナミズムなのである。 大いに細工谷のとんかつ屋に期待したい。



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