マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

善き哉、蕎麦屋のつまみ

2007-02-17 02:46:50 | 

酒を飲む余裕がない時は蕎麦屋に足を向けない。
時間に追われ、蕎麦だけツルツルッと食べて出るなんて哀しすぎる。

そう思うほど、蕎麦屋で飲む酒ってやつは旨い。
一のお気に入りは「神田まつや」、有名過ぎるが酒の肴がいい。
蕎麦味噌で一杯、親子焼きでまた一杯、岡本のうにでまたまた一杯。
きりがない。
嗚呼、かつて志ん朝師匠とここで仕事したのを思い出す・・・涙。

あの混雑ぶりなのに、暇のかかる玉子焼きまで復活している。
電話しときゃあ今だに酒で打った太打ちを食わせてくれるし、
名店然とした顔せずに丼を出しているのがいい。
天丼や親子丼、食ったことないが顔見ただけで旨いに決まってる。

蕎麦屋の酒は旨い、焼海苔や板わさなどでも充分に飲ませる。
なのにちょっとした趣向を凝らした一品が出てきたりするともう、
たまらなくて、蕩けそうになる。

ここは大阪、行き付けの蕎麦屋「なにわ翁」。
日本酒は五種類ほどあるが、ここでいただくのは島根の「豊の秋」。
ここで初めて出会ったので、これ一辺倒。蕎麦の邪魔をしない。

「青海苔の二杯酢」 爽やかな磯の香りが口に広がる。
器もいい、この老松通りは骨董屋さんが点在する落ち着いた
趣きの街である。

「筍とうどの木の芽味噌和え」
筍は炙り、内側には海老芋をしのばせてある。
サクッとシャキッとねっとり、多彩な歯ざわり。
ぬる燗を口に運べば・・・もう、春だ。

「山芋とろろ、このわた和え」
く~っ、こりゃまた。また一本所望せざるを得ない。
このわた、バチ子、なまこ酢・・・なんとまぁ、酒との相性のいいこと。
酒飲みの先人、食の冒険家たちに感謝だ。

今日はすまぬ、これからメシ食いに行かねばならぬので蕎麦まで
到達できず!蕎麦屋使いとしては仁義にもとるものだが、お許しを
願った。オレ、蕎麦屋なら怒るな、たぶん。