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岩手県企業局の15発電所 震災時にパワー生かせず

2011-06-23 | 風の備忘録 

岩手県企業局の15発電所 震災時にパワー生かせず

 


岩手県企業局の水力発電所の一つ、
岩洞第2発電所=盛岡市玉山区門前寺

  東日本大震災直後に全80万戸が停電した岩手県で、
県企業局の15の発電所が被災を免れたにもかかわらず運転を停止した。
連結する東北電力の送電網がダウンしたためで、
最大で県内の電灯需要(一般家庭の需要)の半分を
カバーできる発電能力を生かせなかった。
 岩手県企業局は水力発電所14カ所、
風力発電所1カ所を運用し、
発電した電力を東北電に販売している。
2009年度の販売電力量約5億6000万キロワット時は
全国の地方公営電気事業者で2位。
新潟を含む東北7県で東北電の火力、
原子力といった大規模発電所がないのは岩手だけだが、
企業局の発電能力は計14万5000キロワットあり、
最大で県内の電灯需要全80万戸の約半分をカバーできる。
 15の発電所は3月11日の大震災でも設備の損壊はなかったが、
連結する東北電の送電網が震災直後、
電圧の低下でダウンしたため発送電を停止。
送電網の電圧の回復を待ち、
全ての発電所が再稼働したのは3月15日午後5時だった。

 東北電によると、送電網は震災直後、
停電が東北7県全域に及ぶのを防ぐため、
同社の宮城県内の変電所を境に北部(おおむね青森、岩手、秋田)
と南部(おおむね山形、宮城、福島、新潟)に分離された。
 北部では、東通原発1号機(青森県東通村)が定期点検中で、
八戸、秋田、能代の3カ所の大規模火力発電所が全て自動停止し、
需要電力量に発電量が追いつかず送電網の電圧が低下。
連結する企業局の水力発電所なども運転停止に陥った。
 岩手県は現在、他県から移入する電力で需要を賄っているが、\
企業局のほかにも県内最大の発電能力約14万9000キロワットを持つ
新日鉄釜石製鉄所火力発電所(釜石市)もあり、
最大で県内すべての電灯需要をカバーする設備は整っている。
 ただ、震災の広域停電では発電能力が生かせなかった。
東北電は予防策として今月、
東北の北部と南部をつなぐ新たな基幹送電線の一部を前倒しで開通させた。

 県企業局は
県民のために発電能力が生かせなかったのは残念だが、
今の発送電制度では仕方がない
」と話す。
 福島第1原発事故を契機に、
国は大型発電所から地域全体に電力を送る「集中型」から、
中小規模の発電所で地域の需要を賄う
「分散型」への転換など電力事業の改革を検討している。
放送大岩手学習センターの斎藤徳美所長(地域防災学)は
「中小規模の発電所は安定した
出力を保てないことや送電網維持の負担など問題もあるが、
地域の発電能力を地元で活用できるのが、
自然な発送電の在り方だ」と指摘する。
2011年06月23日木曜日河北新報
河北新報 東北のニュース/岩手県企業局の15発電所 震災時にパワー生かせず


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