blog 福祉農園通信・龍神伝心

アジアモンスーンに吹かれて
共生の農業
見沼田んぼ福祉農園 

2月25日 第4土日の作業、1日目

2017-02-28 | 農園作り

今月の土日作業は先月やり残した第2農園の雑木。
大風による倒伏を考えれば限界まで成長してしまた雑木の伐採を行った。
まずはチェーソーなどの点検を入念に行い、そして


伐採作業の合間を縫って馬糞の搬入を行う。
へw」
そして伐採作業


2本目



2月20日 見学者有り

2017-02-20 | 共生社会のデザイン

社会連帯・連帯経済について研究する、日本、韓国、台湾、香港の研究者の方々が、
立教大学コミュニティ福
祉学部の北島健一先生と共に、
見沼田んぼ福祉農園に見学
にやってきました。
ちょうど地域活動支援センターあぐりはタマネギの追肥作業中で、
手をとめて交流しました。NPO法人のらんど
の設立の中心メンバーは
地元の学校で学び育つことを求め
る一方で、
見沼田んぼの保全運動にもかかわってきました

そんななかで、障害のある人達が営農活動を通じて、
近な農的緑地空間である「見沼田んぼ」の保全主体となることを目指して
福祉農園が構想されたことを説明しました

今日も黙々と畑作業をする姿に、言葉を超えて伝わるも
のは大きかったのではないかと思います。
のらんどしては、地産地消活動を通じて地元農家の農産物を販売したり、仕事の一部を請け負ったりしています。
また、最近はヨーロッパ野菜研究会にも参加させてもらい
新たな連携を模索しています。社会連帯・連帯経済を模
索する東アジアの方々と、
今後も海を越えてつながってい
ければと思います。


らんど 農(あぐり) メールマガジン  vol.47  [2017_2_14] 

2017-02-16 | 農作業

のらんど 農(あぐり) メールマガジン  vol.47  [2017_2_14] 
【Index】
■【連載】小夜さんより その6 つばきの実の笛
■【告知】イベント-障害のある人のくらし支援 2/19(日)
■【告知】3月 藍染めの会開催します!
■【あぐりの活動】調理♪
■【農園の様子】2月
■【案内】販売場所のご案内
■【報告】ネギの卸終わりました♪
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┃【連載】小夜さんより その6 つばきの実の笛
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 1月11日、原発被害者が東京電力の責任を問う裁判傍聴の帰りに
住宅公団の垣根の山茶花が散り始めているのに気が付きました。
そろそろ椿も咲いてくれないかなあと思ってみましたが、まだ固いつぼみでした。
でも根元に苞(ほう)がばらけた実が落ちていました。
木になっている間、苞の中で”おしくらまんじゅう”をしていたのでしょう、
丸々太っているのもあればひしゃげて痩せているのもあります。
 ふと拾って子供の頃作った笛を作ってみようと思いました。
夕食の支度もそこそこによさそうなのを選んで尖ったところを
コンクリートのたたきで擦って爪楊枝で穴をあけ果肉を穿(ほじく)り出します。
爪楊枝が折れてしまったので机上にあったゼムクリップの端を伸ばして続けます。
もうおしまいかと思うとまだ残っていたりとちょっとまどろっこしいのですが面白いです。
できたらきれいに拭いて口をすぼめて吹くといい音がします。
なぜか一つできるともう一つ作りたくなり、三つも作ってしまいました。
飛び散った果肉(椿油)のおかげで台所の床がつるつるになりました。
 ◎つばき
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%83%90%E3%82%AD

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┃【告知】イベント-障害のある人のくらし支援 2/19(日)
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  2月19日(日)にさいたま市市民活動サポートセンターにて「障
 害のある人のくらし支援」のイベントを行います。このイベントでは
 NPO法人ソーシャルクリエーターズの代表理事であり、のらんどの
 監事である竹内善太さんをお招きし、障害のある人のくらし支援に関
 するお話をしていただきます。
  竹内さんのお話のあと、参加者でくらし支援に関しての意見交換を
 行い、のらんどのくらし支援のこれからについても考えていきたいと
 思います。

 【イベント概要】
 日時:2017年2月19日(日)10時~12時
 場所:さいたま市市民活動支援センター 南ラウンジEテーブル
    (浦和駅東口駅前コムナーレ9階)
 講師:NPO法人ソーシャルクリエーターズ 代表理事 竹内善太
 参加費:500円
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┃【告知】3月 藍染めの会開催します!
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  藍の乾燥葉を使って木綿を染めます。
染めたい木綿製品(ハンカチ、バッグ、シャツ、エプロンなど)を持ってきてください
(木綿製品のない方は、のらんどでも木綿製品を用意しますので、ご購入いただけます)。
オリジナルの藍染めグッズをつくりましょう! 講師はキムチの会でもおなじみの金さんです♪
 藍はタデ科の一年生植物です。
昔から世界各地で青色の染料として使われてきましたが、
化学合成したインディゴ染料が発明されて以降は染料用途で用いられることはあまりなくなりました。
使用する藍の葉は、見沼田んぼ農園で昨年10月に収穫し、自然乾燥させたものです。
 【イベント概要】
 日 時:3月18日(土)13:00~15:30
 場 所:岸町公民館 調理実習室
 対 象:小学生以上
     ※熱湯や薬品を使用するため、小さなお子様の同伴はご遠慮ください。
 参加費:1000円 ※染め代金を別途いただきます。
 染め代:染め布10gにつき10円。※シャツ1枚で50g程度です。
 木綿製品代:ハンカチ200円/枚、B5バッグ400円/枚、
       Tシャツ500円/枚 ※染め代金を含みます。
 持ち物:染めたい木綿製品。エプロン。あればビニール手袋。
 申込み:電話、FAX、Eメールで3月8日(水)までにお願いします。
     NPO法人のらんど
     TEL/FAX:048-826-5770
     Email:nolando.minuma@gmail.com

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┃【あぐりの活動】調理♪
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 あぐりでは2月に入り、カレー作りや恵方巻を作ったりと調理をする機会がありました。
毎月、調理をする日を入れたいと思っているのですが、忙しいとその時間が取れず、
今になってしまいました。みなさん、結構、楽しみにしているのです♪
 カレーでも恵方巻でも具はもちろん、農園で採れた野菜を使い、
お米は仕入れているお米を使いました。
恵方巻では、具をのりに巻くところからみんなでやります。
「去年よりも巻くのがうまくなった」と喜ぶ人もいれば、「ちょっと失敗しちゃった」という人も・・・。

そんなことも話題にあがりながら、「みんなで食べるとおいしい」という人も。

  1. また、来月もやりたいですね!!
     ◎恵方巻づくりの様子
     http://ameblo.jp/nolando/day-20170209.html 
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    ┃【農園の様子】2月
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     ネギが終わってひと段落というところです。これから夏野菜のための温室を作ります。
    一番大事なのは、温床です。昨年集めた落ち葉をメインにして、温床を作ります。
    作り方は下の図のように、落ち葉とオカラや鶏ふんを重ねて水をかけ、踏み固めます。
    最終的に、高さが60cm位が目標です。                       
     [ 第5層:水をかける    ]           
     [ 第4層:枯れ葉、        ]この状態で踏み固める。
     [ 第3層:おから、米ぬか    ](高さ20cm位)   
     [ 第2層:鶏ふん、わら、    ]➡これを3~4回繰り返す。
     [ 第1層:枯れ葉、        ]                                       
     のらんどでは、ミニハウスの中に、穴を掘って、作ります。
    1週間くらいで、発酵して発熱し、60℃くらいになります。
    さらに1週間くらいで、少し温度が下がり、
    安定してきたら、種をまいたポットを上に乗せて温めます。
    ミニハウスの室温、昼間30℃~35℃、夜間20℃が目標です。
    発酵させた枯れ葉は、最高の堆肥になり、来年の育苗土として使います。
     立春も過ぎましたが、寒いです。今日も北風6mの風です。
    この寒い中で、2月は除草の季節です。
    何故かというと、まず雑草が小さく抜きやすい。
    雑草の数が少なく、除草した後が、きれいになって、気持ちがいい。
    ということで、今後もよろしくお願いします。
     ◎農園の様子:梅の花。1月下旬から咲いています。
     http://ameblo.jp/nolando/entry-12239867898.html
     ◎農園の様子:たい肥の中のカブトムシの幼虫。
     http://ameblo.jp/nolando/entry-12241933590.html
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    ┃【報告】ネギの卸販売終了しました♪
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     毎年11月下旬から2月下旬まで、ネギの卸販売をやっています。
    今年度は、昨年晩夏の天候不順でネギが思うように育たず、
    例年よりも短期間の販売となりました。
    けれど、できあがったネギは味が良いと言っていただきました♪
     天候と相談しながら一定の太さや長さのある高い品質のネギを作るため、
    課題はありますが、来シーズンもおいしいネギを生産していきます!
      のらんどのネギは終わりましたが、下記の三店舗、ぜひ行ってみてください。
     ■取扱のお店はこちら
     □東京豚バザール上野:上野駅徒歩1分
  2. http://nsg-go.com/tonbazaru_ueno/about/
     □埼玉を味わう居酒屋 煉:東浦和駅徒歩3分
      http://r.gnavi.co.jp/gawp602/
     □マスカクラブ:武蔵浦和駅徒歩1分
      http://r.gnavi.co.jp/5z20w7xa0000/
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    ┃【案内】農園、販売場所のご案内
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      あぐりでは、一週間毎日販売活動を行っています。
      お近くのお店をぜひご利用ください♪
     ■月曜日:パック野菜(500円)の配達
          引き売り(浦和区、緑区、南区)
     ■火曜日:緑区役所ピアショップ
     ■水曜日:北浦和店
     https://goo.gl/maps/YVcoR7TbLLS2
     ■木曜日:埼玉県庁内かっぽ
      ■金曜日:浦和区役所ピアショップ
     ☆今年から市役所が工事をすることになり、ピアショップの販売場所
     が変わりました!
      市役所の敷地内にある仮配置棟で販売してますので、ぜひ、お越し
     下さいm(__)m
      限定のピザパンが人気です。
     http://ameblo.jp/nolando/entry-12237668566.html
      パック野菜や引き売りにご興味のある方は、あぐりまでご連絡くだ
     さい。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    農園の梅の花はで満開です。モクレンのつぼみもだいぶほころんでき
    ました。寒くなったり暖かくなったり強風だったり、雨がほとんど降ら
    なかったりと、今年も天候に悩まされそうな予感がします。

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    http://ameblo.jp/nolando/entry-11615940491.html



2月14日街を耕す、わらじの会手作り班

2017-02-16 | 農作業

手作り班は着物市の準備をしました。
いつもなら「ちょっと農園へ」と

ほんの1時間でも農園に行くところなのですがさすがに無理。
ひたすら着物の仕分け作業にせいをだしました。

黙々とではなくおしゃべりをしながら手もきちんと動かし、
値段がつけられた着物たちを入れた入れ物がどんどん積み上げられていきました
来週も作業は続きます。

2月26日(日)〜28日(火)の3日間、着物市は行われます
冬物衣類、陶器、お汁粉、甘酒などなどもありますよ
みなさん、来てくださいね


CILわらじ総合協議会・拡大会議

2017-02-12 | 共生社会のデザイン


 CILわらじ総合協議会・拡大会議@くらしセンターべしみ。
 2003年の支援費制度から2006年の障害者自立支援法の頃、
ちょうど埼玉県レベルでは、土屋前知事の全障害児普通学級籍宣言や
重度障害者を含む障害者就労支援のための実地調査を
障害者団体に委託する事業などが行われたり、
全身性障害者介護人派遣事業の継続をめぐるせめぎあいが行われていた時期に、
この総合協議会は3名の専従職員を擁する組織的実体をもち事業展開をしていた。
 その後の状況の変化により、CILわらじ総合協議会は専従職員をもたず、
事業も縮小した。今日参加した顔ぶれの中には、10数年前を知らない者も多く、
「CILとは?」、「総合協議会とは?」と問われても答えようがないという者も少なくなかった。
ただ、彼らも含めて、
「外とつながる活動」という認識はほとんどが共有していた。

さらに、
NPO法人共に生きる街づくりセンターかがし座の代表理事である吉田久美子さんは、
養護学校卒業後在宅でPCのアルバイトなどをしていたが、
かっての総合協議会事務局専従体制立ち上げ当時、
呼びかけに応じて初めて関わったのだと述べていた。
 現在は月一回「CILわらじ事務局会議」が行われており、
そこに参加している障害者たちに会議で話し合われていることを聞いたところ、
一様に「市や県のこと(委員会、施策)」、「イベント(合宿、バザー等)」と言う。
通常のピラミッド型の組織の場合、
これらの取り組みを集約する場は理事会や運営委員会ということになろう。
しかし、ここでは、各事業部門の職員のみならず利用者、
さらには事業部門に属さない個人でも平等に参加可能な場で、
たとえば障碍者施策推進協議会や自立支援協議会、
総合県交渉、JIL、ピープルファーストについて語り合っていることが確認された。

私自身は軸足をNPO法人障害者の職場参加をすすめる会の事務局に置いており、
これらの日常活動には顔を出せない。
だが、日常活動に関わる人々によって毎月行われている「CILわらじ事務局会議」が、
現に実施しているさまざまな事業活動の枠を超えて、
 

共に生きる地域をめざそうと活動していることを、おおざっぱには確認できた。
だからこそ、埼玉障害者市民ネットワークや(一社)埼玉障害者自立生活協会、
どの子も地域の公立高校へ埼玉連絡会などの活動に
さまざまな人々が参加する土壌が育っているのだと実感できた。
 私からは、生活クラブ生協越谷支部地域協議会、仕事おこし懇談会inこしがや、
NPO法人障害者の職場参加をすすめる会、
ケアシステムわら細工が共催して4月から1年間にわたり実施する予定の
介護人派遣養成講座「うんとこしょ」の計画について報告した。
CILわらじ総合協議会は、
いずれより多くの人々、グループに呼びかけ、「総会」を行うということなので、
「うんとこしょ」でのネットワークとも響き合う関係ができればと思う。
 高度成長とその後の長期不況期のグローバリゼーションを通し、
地域はきめ細かく分け隔てられ、解体してゆく地縁・血縁・職縁を補うべく
教育、福祉、医療をはじめさまざまな支援制度が拡大した。
が、それがまた更なる分離につながり、支援制度を膨張させ、
破たんへの悪循環に陥ろうとしている。
津久井やまゆり園の事件は、こうした地域の出口なし状況の深化と通底している。

厚労省は「地域共生社会」の実現に向けて(当面の改革工程)を発表して
この危機に対処しようとしているが、
いまさら「公的支援の『縦割り』から『丸ごと』への転換」と言っても、
所詮これまでの市場化の延長でしかない以上、状況はまずます悪化せざるをえない。
 大事なことは、人と人が街で出会い、互いを知り、一緒に動く、それを通して街を見直すこと。
そこから暮らしや仕事を組み立て直してゆくこと。「うんとこしょ」のような試みは大きな意味がある。
 そして、週末でもキャジラは埼玉障害者市民ネットワーク事務局の夜間相談窓口として勤務中。

   by山下浩志
   


2月7日わらじの会 手作り班

2017-02-07 | 農作業

朝からものすごい風が吹いていた今日、
よせば良いのに午後から農園にいってきました。

午前中はオエヴィスで定例会だったのですがここへ来るまでも
風に阻まれ大変だったとみんなが口々に…
💧
歩いていてもふらつくほどでした。

それでも「雨が降らないから農園がカラカラだよ!
水をあげにいかなくちゃ
というので渋々(本当はちょっとウキウキ🎵)
農園へ繰り出したわけです。

数名はべしみに残り着物市の準備をしてくれていました。
今月末ですからね。
みなさん、来てくださいね

農園はやはり風が強く砂埃が激しかったのですが
ひたすら水を汲み畑に撒きを何度も何度も繰り返してくれました。

その間にサニーレタスとサラダほうれん草の収穫、
水菜もこれ以上は置いておけないので収穫。

玉ねぎとカリフラワーは順調に育っていました



2月初めての週末作業

2017-02-05 | 農作業


昨年の秋ころにいらしたフクイさんが作業に参加されました。
フクイさんは10年ほど前から森林再生事業のNPOをやっており、
毎月2回千葉県山武市で間伐作業されているということです。
最近は地元にも興味が出だしており、
図書館で見沼学を借りて読まれたそうです。
また折を見て来ていただけるということでした。

 

  木の橋


2月4日共に生きる福祉講座 ひとびとの精神史の水系から―どこへ行く『埼玉流』

2017-02-05 | 共生社会のデザイン

 
共に生きる福祉講座「ひとびとの精神史の水系から―どこへ行く『埼玉流』(自立生活と共生)」と題し、
栗原彬さん(立教大学名誉教授)にお話をしていただき、語り合う機会を得られた。
 会場の岩槻駅東口コミュニティセンター5階で栗原さんと事前に落ち合う前に、
窓から北を眺めると日光連山と赤城山の間に尾瀬の山々と武尊が、
また赤城山と榛名山の間に谷川連峰がくっきり白く見えた。
雪のある季節だからこそ、思い出と共に浮かび上がる遠山。
到着した栗原さんにそれを告げると、
赤城山の麓に学校で疎開したことやそこから歩いて赤城山に登ったと語る。
最近は足利に原発震災で野良になった犬や猫さらにはダチョウまで世話をしている友人がいるので、
時々通っているのだという。
 昼食をともにしながら、私も大会に2回だけ参加させてもらった日本ボランティア学会の話を聞く。
そもそもの前史として80年代に、
JYVAなどのボランティア活動と草の根の市民運動との交流、つきあわせがあった。
また90年代に入りNPOをめぐる動きが煮詰まり、
阪神大震災を経て1998年にNPO法人が法制化(市民活動促進法)される過程で、
こちらは法人・団体だけでなく個人も(orを)つなげるということで、90年代末に設立したという。
わらじの会では90年からJYVAの1年間ボランティアを毎年受け入れ、
JYVAが2009年夏に解散した後、
派遣先の諸団体有志が連携してV365活動を続けたという話を栗原さんに伝えた。
それらの派遣先は日本ボランティア学会の顔ぶれと部分的に重なる。
同学会は2015年9月をもって活動を終了した。
要因は若い人の継続的参加が難しいことや事務局運営の経済的、組織的基盤が弱い等。
学会としてはひとまず終了だが、
以前から学会内有志による実行委員会形式でやってきたフラットな語り合いの場「カフェ連」を
関東・関西それぞれを中心に続けるということらしい。私たちとはほんとに稀少な遭遇だったが、
このような軌道をめぐる彗星群が数えきれないほどあるのだろうなと思いつつ聴いた。
 
 さて、本番のお話だが、栗原さんが用意してくれた手書きのレジュメには、

「ひとびとの精神史の水系から私が学んだこと」とあった。そのレジュメの各章のタイトルは以下。
(0)学ぶこと、学びほぐすこと
(1)杉本栄子さんから学ぶことー地域、公共性、自己
(2)橋本克己さんから学ぶことー自己と地域の編み直し
(3)緒方さんから「共にいっしょに」を学ぶー共生ということ
(4)緒方正実さん、川本輝夫さn、
埼玉障害者市民ネットワーク2016年度総合県交渉「要望書」から学ぶことー生きづらさ、難民性がひらく可能性
(5)新坂光子さん、幸子さんから学ぶー不在の他者による自己と世界の構成

栗原さんは、
頭、はてなマークについて語った。
ある人のことばや身ぶりの意味が分からなくて絶句してしまう体験がしばしばある。
そこから学ばされたことについて。
水俣病の患者として生きてきた杉本栄子さんは、栗原さんによれば霊的な感性が豊かな人。
彼女が山形県高畠町の近代的な市民ホール前の広場に立った時、
「この下は何ですか」と訊いた。栗原さんは質問の意味がわからず言葉が出ない。
その時小林たかひろさんが、「田んぼです。美田でした。」と答えた。
杉本さんはうなずいた。
水俣では有機水銀を濃縮した生き物たちの亡骸であるヘドロを封じ込める埋め立て工事が行われ、
その上にエコパーク水俣というきれいな公園ができている。
かっての豊かな海もその汚染も、そこで生き死んでいった人々の暮らしや闘いも、
すべてがコンクリートに隠されている。
その現状の地域の下にあるバナキュラーな地域、「原地域」を、
杉本さんは問うたのだと感じ取る。そしてその時、
高畠の広場と水俣の埋め立て地という離れた地域同士が、互いに響き合う音を聴く。
地下の記憶を共有することを通じ、
地上に建設された公共圏とは異なる「もうひとつの公共圏」が形成されたと考える。
 ここでは栗原さんのお話の冒頭部分を紹介するにとどめる。
先に章構成を示したように、「橋本克己さん」、
「埼玉障害者市民ネットワーク 2016年度総合県交渉『要望書』」
「新坂光子さん、幸子さん」というように埼玉の人々からの学びが語られた。
 その中で故新坂姉妹については、「不在の他者による自己と世界の構成」として表現される。
「みずれえから外に出るな」という世間の目と、私が書いた「農家の奥の部屋に紡ぐ文化」、
栗原さんがイリッチにから教わったと述べた言葉を用いれば「バナキュラー」な文化とのせめぎあいとを、
「くりかえし引照するわらじの会の原点」と位置付けている。
栗原さんによれば、
亡くなった姉妹が同時代やさらに前の時代を生きた人々と周りの自然をひっくるめて、
この現在を根っこからいつも再構成し続けているのだと。
 栗原さんのレジュメは、
「第2次大戦・日中戦争のアジア・日本・欧米の不在の受難者が構成する憲法9条。
不在の友を裏切れない。」でしめくくられていた。
 後半の質疑応答、意見交換の時間に、
とつぜん栗原さんから「飯舘村に行かれた山下さんはいかがでしたか」と振られた。
私は別のことを考えていたので、まずそれについて述べ、後から飯舘村のことにふれた。
先々週の土曜に大阪に住む40年ごしの友人が、初めてわらじの会の現場に来た。
といっても、恩間新田を案内し、新坂姉妹やきみ子さんのことを伝え、
彼女らの生家や親たちが亡くなる直前に建てたオエヴィスやべしみを案内しただけ。
活動がない日なので、オエヴィスで住人のKくんと言葉を交わしたのみ。
彼は「ほっとした」と笑みを浮かべて帰った。
彼は大正区という運河に面した沖縄出身者が多い街で生まれ育ち、
現在も認知症の姉とそこで暮らしている。
中学を出てすぐ工場で働き、やがて70年安保闘争や日雇い労働者の運動に参加し、
何度も逮捕され服役もしてきた。

不況の下、寄せ場の変化が進み、野宿労働者が増えテント村が拡大し、
それに対して代執行が強行されテントが撤去され、
一方では貧困ビジネスがはびこり、
行方不明や殺人が疑われる事件も起きている修羅場のただなかに身を置いてきた。
釜ヶ崎界隈では長老格の一人だが、
わらじの会とも交流があるココルームの活動や全国協同集会で
ご一緒したNPO法人釜ヶ崎支援機構のような事業展開とは距離を置き、
野宿者一人一人とのつきあいを基本にしつつ、頑固一徹を貫いているらしい。
一時は大阪各地にあった野宿者村は、
いまや彼が「労働相談所」(テント)を置いている公園だけになっているという。
そんな中で彼が「ほっとした」と言って帰ったのは、
やはり大阪と越谷の「原地域」の通底を感じ、
「不在の他者による自己と世界の構成」を再確認したのではないか。
 飯舘村を案内してくれた安齋さんも彼も頑固者だ。妥協をよしとしない。
互いに連携し、組織力をもって地域とつながり、
行政と交渉し支援施策を作らせてゆくといった活動とは相いれないところが多々あるだろう。
それらの活動からは阻害者とみなされることもあり、
時には自分自身、孤立感や奈落の底に落ちてゆく気持ちにもつながるだろう。
 橋本画伯や新坂姉妹、きみ子さんを考えれば、
その孤立の極と思われる生き方の底の底に栗原さんのいう「存在の深み」が現れつつあった。
幾世代にわたる不在の他者と草木、水、石ころも含めた異なる他者によって現在のこの地域があることが見えてきた。
 頑固で妥協をよしとしないということもまた、異なる他者が共に生きる上での欠かせない要素なのだ。
ひとつの太い根ではなく、細かいひげ根を無数に、しかし確実に張ってゆくことが、

やがて「ガバッとひっくり返す」
(栗原さんの表現)準備作業になるだろう。

 長くなったので、以下は稿を改めて報告しよう。
by山下浩志


「一緒に生きる」を学ぶ

2017-02-03 | 共生社会のデザイン

共に生きる福祉講座 
「ひとびとの精神史の水系から     
―どこへ行く「埼玉流」(自立生活と共生)」
  お話:栗原彬さん(立教大学名誉教授・政治社会学)..
日時: 2月4日( 土)13:30~ 
会場:岩槻駅東口コミュニティセンター8多目的ルームC(5階)
さいたま市岩槻区本町3-1-1
  参加費:500円(資料代)

主催:埼玉障害者市民ネットワーク  (代表・野島久美子) 
共催:(一社)埼玉障害者自立生活協会 (理事長・坂本)
  問合せ:大坂 090-4938-8689 
写真:埼玉障害者市民ネットワークの総合県交渉2016に向けたちんどんパレードに参加した栗原さん
 
「郊外の分解者たち―わらじの会と埼玉障害者市民ネットワーク」という文章(著者・猪瀬浩平さん)が
おさめられた「ひとびとの精神史 第9巻―震災前後2000年以降」(岩波書店、2016年)の編者が栗原彬さん。

この本には、ほかに原発被災者,反貧困、沖縄・反戦、若者たちの民主主義、農ある街づくりなど、
時代を拓く多くの試みが横並びに語られています。

冒頭の文章は、性的マイノリティ、水俣、日常編集と束に。
栗原さんは「プロローグ」として、これらの「細流」が伏流水となり、連係し合う瀬をつくって、
やがて人類史の海に流れ入るイメージを描いています。
 私たちの運動は、「遅れた埼玉」を逆手に取り、「自立生活」、「分けない(共生)」、
「反差別」の諸活動が同じ土俵でせめぎあいつつ、自治体をよきケンカ友達としてやってきました。
しかし、近年の市場化の大波により、土俵が拡散し、自治体の独自性もゆらぐ中、

あらためて私たちの現在地点を計測し、進路を見定めることが問われています。 
ここ数年、総合県交渉の前のちんどんパレードに参加していただいている栗原さんをガイドに、
ひとびとの水系を共にたどり、共に考えましょう。