ご存知、夏目漱石の『坊っちゃん』で、先生となって四国の中学校に赴任した坊っちゃんが、学校の寄宿舎の宿直で生徒に蒲団の中へイナゴを入れられて、「これでも元は旗本だ。旗本の元は清和源氏で、多田の満仲(まんじゅう)の後裔(こうえい)だ。こんな土百姓とは生れからして違うんだ。ただ智慧のない所が惜しいだけだ」と悔しがるシーンは有名だ。その多田の満仲の兜がこれである。または源満仲。
なんでも清和源氏の嫡流(ちゃくりゅう)佐竹氏は、先祖ゆかりの兜など4点を宝蔵していたことが文献に見られ、「多田満仲の兜、源頼義の甲冑、源義家の兜、新羅三郎義光の兜」と記録されている。しかし、現在確認されているのは、この多田満仲所用の「阿古陀形(あこだなり)十二間覆輪筋兜(じゅうにけんふくりんすじかぶと)」だけだという。漱石先生もこのご先祖の古兜を見たことはあるまい。
なんでも清和源氏の嫡流(ちゃくりゅう)佐竹氏は、先祖ゆかりの兜など4点を宝蔵していたことが文献に見られ、「多田満仲の兜、源頼義の甲冑、源義家の兜、新羅三郎義光の兜」と記録されている。しかし、現在確認されているのは、この多田満仲所用の「阿古陀形(あこだなり)十二間覆輪筋兜(じゅうにけんふくりんすじかぶと)」だけだという。漱石先生もこのご先祖の古兜を見たことはあるまい。