魯迅の胸部レントゲン写真と死因

　魯迅は肺結核を病んでいたが、死因については時代が時代だっただけにきな臭い見方があるようだ。

　あるＨＰに――『後日談になるけれど、近年、魯迅の前記・死因については、改めて調査が行われ、一九三六年（昭和十一年）六月十五日に撮影された魯迅の胸部Ｘ線写真が分析・研究された。それを実施したのは、上海の魯迅記念館と上海市第一結核病治院が招いた数人の著名な肺と放射線の専門家・教授たちであった。一九八四年（昭和五十九年）二月二十四日に行われたその分析結果によると、魯迅の死因は肺結核ではなく、直接の原因は、自発生気胸によるものと断定された。しかもその結論を受けて執筆された論文（署名者は維周氏）では、
(一)　魯迅の死は不自然で、適切な治療が施されなかったこと
(二)　死の二日前まで、魯迅は文章を書いたり、外出したり、夜には弟の周建人氏と家の引越しについて元気に話し合った。
(三)　ところがその後容態が急変、かかりつけだった日本の元軍医(須藤医師のこと)が来て注射を打ったが、かえって病状が悪くなり、一九日午前五時二〇分死去した、と述べ「魯迅の突然の病死は人々の疑惑を引き起こした。この元日本軍の医官は、上海の在郷軍人会の副会長を務めていた」と指摘したのである。(「朝日新聞」一九八四・五・一三付転載記事）
――といった記述もある。