mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

夏至の動態感覚

2023-06-21 07:06:41 | 日記
 昨日、夏山登山の不安を記した。単独行では心配もあった。2年前まで一緒に山の会で歩いていたRさんに声をかけた。
《「笠ヶ岳へのお誘い」申しわけありませんが、無理です》
 と、返事がハガキできた。狭心症を抱えた彼は、発作が起きたとき対応できるかどうかを心配しているという。続けて、こうあった。
《今年に入ってから体力がガタッと落ち、ウォーキング止まりで低い山へも行っていません。登山はもう難しいかも、と思っています》
 と近況を添えてある。私より半年若い80歳。そうか、皆さん同じようなコトに向き合ってるんだ。
 3月に歩いたお遍路の頃から不安定であった歯が、とうとう力尽きた。できるだけ抜かないで行きましょうという歯医者のいいぶりが気に入って頑張ってきた。今月初めにぐらつきが大きくなった。
「痛む?」
「いや、痛くはない」
「もう少し頑張ってみましょうか」
 そう言われて、じゃあひと月くらいはと思い、月末に予約を入れていた。だが、軽い痛みが始まり、とても月末まで持ちそうにない。医者に電話を入れたら、この時間なら空いていると応答があり、昨日の午前中に診てもらった。麻酔をして抜く。麻酔の注射液の苦さが強かったくらいで、歯はくっと痛みもなく取れた。抗生物質と後で来る痛みに備えて薬を処方して貰った。お昼を食べ、薬を飲んだせいもあるのか、医師が気遣っていた痛みは、全く起こらない。短いスパンでみると痛みと処方は対処療法だ。だが、八十路に差しかかるという少し大きなスパンで眺めると、歯の劣化も意欲の減退も動態体力の衰え。こればかりは如何とも抗いがたい。八十路というのは、そういうことに見極めをつける秋なのかもしれない。
 午後、中央自動車教習所に行く。高齢者免許の実地試験の指定日。70歳以降は、免許を許してあげるわと言わんばかりに検査をする。認知機能の劣化検査に力点を置いていたのが、近頃は運動機能の劣化機能検査になっている。アクセルとブレーキの踏み間違い事故が、高齢に伴う劣化によるとみなされているってことだ。
「若い人には踏み間違いがないってことかね」
 と一人の同席者が呟いて、皆さんハハハと笑ったが、誰も答えられない。
 教習所のコースを3回ほど回って、一時停止、踏切、右折、左折、速度、車線変更、信号確認、段差の一時停止と発進などのチェックをして、15分ほどの実地。
 視野と動体視力、暗闇視力の検査をして2時間の講習が修了した。視野が狭くなっている。前回は190度以上あって、へえ視野って180度以上あるんだと思った印象が残っていたから覚えていたのだが、今回は170度。どうして何だか分からない。医者に聞けば、高齢化ですって応えが返ってくるだろうから聞いても詮無い。
 こうして3年に1回の、「向こう3年免許許してあげるわ国家関門」を無事通過した。夕方5時過ぎ、まだ明るい。そうか、明日が夏至だ。一番昼が長い。見沼田圃の中を通り抜けながら涼しくなった風を感じて帰宅した。
 目出度いから祝杯を挙げようとしたら、「歯を抜いたばかりじゃない」とカミサンにいわれ、そうかそうだった。でも、それほど飲みたいわけでもない。身の習いってことだ。これも胴体習慣かなと思った。