mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

コロニー

2023-06-07 15:39:19 | 日記
 今日も夏のような明るい晴れ。9時過ぎに出て、鳥の師匠のお誘いでサギのコロニーをみてきた。埼玉県の南東部には、何本もの河川が流れている。
 その昔、埼玉県の北部から南へ下る土地は利根川と荒川という大河に挟まれて、この季節、始終水に悩まされてきた。水路を造成して流れを変え、古利根川、元荒川という名に残している大きな川が流れ来たり、合流して東京湾へと向かう。中川もそのひとつ。つい先日も大雨が降って町中が水浸しになったのは、この流れに沿った越谷市だ。松伏町と越谷市と吉川町が境を接するところに北から中川が流れ、少し北西から流れてくる古利根川と合流する。越谷市の北西から流れ込む新方川と合流するところが吉川町川富。中川はその南で元荒川が合流して主流の中川となって南へ下り、途中で分流して一つは荒川に合流し、その他は吉川町の東側を中川と並行するように下ってくる江戸川と合流して東京湾へと流れ込んでいる。
 交通機関が東京に集中するよりも遥か昔から、関東北部の山地に降った雨は古東京湾に流れ込んだ。家康が江戸に拠点を構えるよりも前から萱や薄の原であり、湿地帯であった。江戸を本拠地とした家康は河川改修をし、水路をつくり、湿地帯を埋め立て、皮肉なことにとても飲めたものではなかったまずい水を飲用水にするために玉川上水路を工事して、ま、この頃から日本の中心地は土木工事を軸にした列島改造の精神で発展してきたってことか。
 いや話がそれた。今日は上述の吉川町川富に電車とバスで行き、中川の対岸、越谷市側の竹林にサギがつくるコロニーを覗いてきた。何百羽というサギが竹林の上に木や葉を敷いて居心地のいい巣を作っている。百メートルほど離れたところから双眼鏡とスコープで覗く。すぐ目につくのはアマサギ。頭と羽の一部が亜麻色になっているからすぐわかる。コサギも目元を赤い婚姻色にしている。チュウサギもちょっとオレンジがかった嘴をみせる。大きな体のチュウダイサギは、これまで私がダイサギと呼んでいたものだとわかる。
 観ている間も、空を川面をサギはやってきてまた飛び去ってゆく。川の水量は多い。アオサギはいつもながらの大きな体でゆったりと川面を飛来して唯我独尊の風情。おおっ、アオサギとも色合いの違う背中の濃い青のゴイサギがいる。それと色は似ているが、ぽつぽつと白斑の入った腹をしたのはゴイサギの若だとか。
 この竹林のサギが、つい先ごろ(3月)一羽もいなくなった。野鳥の会の人が調べてみると、竹林に釣り糸が張り巡らされ、あるいは鳥よけのネットがかけられている。どなたかがサギが寄り付けなくしたらしい。越谷市や警察と相談してそれを取り除き、やっと4月中旬から戻ってき始めたという。それ以前にはもっとたくさんのサギのコロニーだったと師匠はいう。川向うの住宅などの様子はわからないが、もし近くにまで住宅が迫っていれば、コロニーはうるさくて糞で臭くてかなわないという方も出てこよう。そういうことに野鳥愛好家はどう対処するんだろうと他人事のように思った。