明日と明後日は曇りと雪の予報。となると今週、山へ入るのは今日(1/31)しかないと思い定めて、行き先と地図を用意し弁当も作ってもらうことにして、昨夜は約床に就いた。山へ入る前日は特別のことがない限りお酒も口にしない。少し咳が出始めたのが気になったが、上々の調子と思っていた。ところが夜中に、咳き込んで目が覚める。それほどひどくはない。目覚ましが鳴る前に目を覚まし、「今日の山はやめるわ」とカミサンに声をかける。「今年のインフルエンザは熱が出なくて咳が出るそうよ」と返ってくる。
それからもう一眠りして6時半ばに起きだし、いつものペースで家にいる。昔なら、少し風邪気味でも、山へ入れば歩いているうちに治ると言って、出かけたものだ。(昔なら)っていつごろ? とふと疑問に思って、もう10年以上になるこのブログの「過去帳」を「風邪気味」で検索してみた。私が「風邪気味」でなった記事は「2014年4月12日」、弟Jの通夜式の時。風邪気味の私に(夜をJの息子たちと一緒に過ごすのは)代わると息子が言って帰宅したと記してある。そのほかに2件の検索結果があったが、いずれも「風邪気味の人がいて嫌だった」とか「兄のHが風邪気味で」というもので、私自身のことではない。ということは、この10年余、風邪気味だったのは1回だけということか。
私は気管支が弱い。疲れが出ると気管支炎を発症し、酷く咳き込む。まだ仕事の現役だったころ、ひと月近くインド・ヒマラヤの無名峰に登ったとき、帰りのニューデリーで医者に掛かった。退職後ネパール側からエベレストの登山ベースの少し上まで行ったときにも、下山後のネパールと乗り換え地のバンコクで医者に診てもらって応急の手当てを受けた。気管支炎の咳を止めるためであった。その後も何回か、長い山旅をすると発症したものだが、いつしかそれも遠ざかり、今は記憶にないほど咳き込んだこともなかった。
それがどうして? と思う。疲れるほどの山歩きはしていない。インフルエンザか? 一昨日、映画を観に神田まで足を運んだ。電車などで咳き込む声を耳にはしたが、感染するような距離ではなかったと思う。また、帰宅してからすぐに手を洗い口を漱ぎ、感染を防ぐ用心はしたつもりでいる。にもかかわらずの、この咳き込み。
(1)歳をとって全般的に体が弱くなっている(だから感染しやすい)。寒さが身に堪えているのかもしれない。
(2)気力も相応に弱っているから用心している(身の衰えが歩調をそろえていて齟齬がない)。
つまり、ほどほどの体力と意欲の低下が見合っていると、好感していいのかもしれない。もうがんばれない。それでいいのだというのも寂しいが、仕方がない。
「今日はゆっくりなさいな」と言って、カミサンは北本の方へボランティアの探鳥ガイドに出かけて行った。はっきりと後期高齢者の暮らしがはじまっているのだね、私は。