8月、2回目になるコンサートは、ドルチェ邦楽合奏団グループ周年記念演奏会。
このコンサート、元勤務していた会社の後輩のKくんがこの合奏団で尺八を吹いている関係で、行き始めて今年で6年連続になる。
今年は、かみさんとかみさんの妹二人の4人で出かけた。
場所は上野の東京文化会館大ホール。
開場1時、開演1時30分ということで、先ずは上野精養軒で老舗の味を賞味する。
時間を見計らって、会場に行ってみるとなんと長蛇の列、これにはいささかびっくり。
炎天下、30分近く並んだ末会場にはいって見ると、もうほぼ満席状態。やっとのことで4人座れる席を確保し、改めて会場内を見渡すと、5階席までお客さんで埋まっている。
この会場の収容人員は、2300人だが、司会者によると全席売り切れとのこと。
アマチュアの演奏会で東京文化会館大ホールが満席になるとは!!
今度はいささかならず、本当にびっくり。
―今回の演奏会は、ドルチェ邦楽合奏団グループの千葉邦楽合奏団が15周年、東京邦楽合奏団が10周年、神奈川邦楽合奏団が5周年ということで「グループ周年記念演奏会」と銘打って東京文化会館大ホールで演奏会をやろうということになったそうだけど、こんなに大入り満員になるとは!
― アマチュアの演奏会でこんなにいっぱい入るなんて、すごいわね。
― メンバーの人たちも大感激じゃない。
― 「グループ周年記念演奏会」というだけあって、プログラムの構成にも一段と力が入って、盛りだくさんの内容だけど、ちょっと欲張りすぎと言う感も無きにしも非ず?
― 特に、第二部の邦楽組曲「ほんとうのさいわいをさがして」が長大な曲だけに、第一部の曲をもう少しコンパクトにしてほしかった。
― ジュニアの部は、全体の時間の中で見ても準備に時間のかけ過ぎのきらいがあって、ちょっと興がそがれた。
― 尺八独奏曲「鎮魂」は、尺八と言う楽器の音色の素晴らしさを余りなく発揮していて、心を揺さぶられた。
― 同じく尺八の魅力を存分に感じさせてくれた尺八協奏曲「風雅」も胸に沁みた。特に、尺八のカデンツアは妙技だった。
― あの協奏曲を聴いていて、例えばピアノ、ヴァイオリン、チェロのピアノ三重奏のように、尺八、筝、三弦による三重奏、四重奏といった演奏も今後のプログラムにあってもいいのではないかと思った。
― 確かに、合奏ばかりでは音の変化に乏しいし、それぞれの楽器の特性が出にくい。
― 何と言っても、今回の演奏会の目玉はプログラム後半の邦楽組曲
ほんとうのさいわいをさがして~宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」より~
だったよね。東日本大震災で亡くなられた方々への祈りと、明日への希望を込めてというコンセプトにふさわしい曲だった。
― 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と東日本大震災で亡くなった方々への鎮魂を込め再構成するというコンセプトが「大地震のあと巨大な黒い水の壁が」を境に、終曲にかけてどんどんどんどん盛り上がって行って、何かベートーベンの「第9」の終楽章を聴いているような感動を覚えた。
― 年甲斐もなく涙があふれてしまった。
― ソリスト、合唱団、合奏団がまさに渾然一体となった白熱の演奏だった。
― 美しいアリアも多く、聴き応え十分だった。
― 三弦のソロも実に効果的だった。
― 邦楽合奏も交響楽団のオーケストラに匹敵する音が出せるんだと認識を新たにした。
ドルチェ邦楽合奏団グループ周年記念演奏会プログラム
1・ドルチェ周年記念メドレー
2・尺八独奏曲「鎮魂」
3・尺八協奏曲「風雅」
4・ジュニアの夏祭・よさこいソーラン節
5・邦楽組曲 ほんとうのさいわいをさがして~宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」より~