折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真&俳句VOL535~彼岸花に何思う

2014-09-18 | 写真&俳句
久しぶりの外歩き、堤防に咲く彼岸花に目を細めて見入る老母。



老母にや     季節知らしむ     彼岸花



「彼岸花がきれいだね。風も気持ちいい。」

「部屋にいて外に出ないから、季節が変わったのもわからないと思うけど、もう秋なんだよ、おばあちゃん」

「そうなんだね、もうお彼岸なんだ」

「お彼岸には、墓参りに行っておばあちゃんの分も拝んで来るからね」

「そうだね、頼んだよ」



彼岸花が見頃となっている堤防に老母を連れ出して、爽やかな風に吹かれながら交わした短い会話の一端である。

久しぶりに外歩きに出て、堤防を真っ赤に染めている彼岸花を見て、老母は何を思ったことだろう。

きっと、お墓に詣でて先祖の前に頭を垂れたかったに違いない、そんなように思えた次第である。