世の中だけでなく、あらゆることが、永遠にそこにとどまることはない。日常生活は、いつも淡々と同じようにみえて、一日として同じ日はない。であるにもかかわらず、日々変わることのない退屈な生活とみえることもある。
とりわけ、定年退職などしたら、日々どう過ごすかということは、結構工夫がいる。何もしないで過ごすことは、本人だけでなく、家族にとっても、いかにも「粗大ゴミ」のようになりかねない。
何か新しい試み、工夫が必須である。昨日のテレビで、その特集らしきものをやっていた。男の料理教室だったが、不文律があって、過去を語らないことだという。階層社会のなかで、部長や課長だったと散々縛られてきたなかで、定年後もそんな話をしても、面白くないという知恵である。
過去を振り返って、どうなるものでもない。さすがというべき知恵である。これから何をするかが問題であり、大事である。受験に関係のなかった科目が、意味をもってくる。音楽、図工、美術などが、人生を豊かにするツールとなる。
一種の逆転劇である。おそらく一度しかない人生である。せっかく生を享けた以上充分に味わい、楽しみ生き抜いていきたいものである。