どうせいつかは死ぬのが運命。それが、10年後だろうが、明日だろうが、何か問題があるのか。と問われれば、確たる答えはできない。
それが、いつになるのか、その可能性は、いつもある。車を運転していて、ひょっとその気になって、対向車線にハンドルを切れば、間違いなく正面衝突であり、それで、死ぬとは限らないにせよ、とんでもない事態が予想できる。
入院、その費用、相手の家族へのこと、周辺の被害、生きていることの危うさ、頼り無さ。長い先を考えて努力しても仕方がないような無力感。
だがしかし、一人の人間としては、そんなに簡単に死ぬとは考えてはいない。事があれば、大成功するかもしれない、などと考えていて、密かに、野望を抱いていたりするのである。
普通に考えて、そんなことは、まず起こりえない。何事をなすこともなく、特段のこともなく、静かに衰え、気力もうせて、生きていたことも、誰にしられることもなく、その存在は消え去るのである。
ほとんどみんがそうなる。それで、不満なのか。そういうもんだよ。人生は。と言ってはみたが、せっかく生まれてきたのに、そんな刹那的なことでいいのだろうか。ちょっと違うような気もする。