小室直樹氏の著書で、「数学を使わない数学の講義」という本がある。数学の考え方が、日常生活に活かせると、ある。
前提が嘘っぱちであれば、それについてのあとに続くことは何をいったとしても、それは、「真」と扱われる、とかは日常生活とかけ離れている感じが強いが、論理の世界ではそうなるのだ。
これが、どう使われるかであるが、こんな考え方は、テレビタレントが使えば、数学的には真であり、嘘を言ったことにならないというので、意味のない大嘘をついても、心が痛むことはないだろう。
そして、戦争というのは、国がおこすもので、集合の観点からみれば、個人がいくら平和を願いとなえたとしても、戦争をとめることはできない、という著者の主張は、目からウロコである。
デモを敢行し、大運動を展開するのは、まさに、政治的に多数を獲得しようとしていることであるが、政治権力を手にしなければ、戦争は止められないのである。
自民党は、過半数に満たない得票率ながら、議席は、過半数をこえる。権力を握った。有権者の内、60%の人が投票したとして、そのうちの得票が40%とすれば、有権者の20%チョイの意見で全体を戦争に引きずり込むことが可能なのである。
個人がいくら騒いでも、戦争はとめられないことを熟知しておかなければならないのだ。